なかには、返事が遅い銀行員はいるものです。融資の依頼をしても、さっぱり返事がない…みたいな。とはいえ、文句をいうのも得策ではありません。ではどうするか?についてのお話です。
では、どうしたらよいのか?
会社の銀行融資について。あまり悪口を言いたくはありませんが、「返事が遅い銀行員」はいるものです。たとえば、融資の依頼をしたときに、いつまでたっても返事がない…みたいな。
融資を急いでいるかいないかは別にして、返事がないのでは社長も困ってしまうでしょう。とはいえ、ただただ文句をいうのも得策ではありません。激しいクレームなどはもってのほかです。
悪いのは銀行のほうだとしても、もめごとを起こせば、要注意の取引先として記録に残されてしまいます。結果、不利益をこうむるのは自社のほう…ということにもなりかねません。
では、どうしたらよいのか?返事が遅い銀行員への対応は、ずばり、次のとおりです↓
- 期限を切る
- 文書で渡す
- 理由をいう
このあと、順番に確認をしていきましょう。
返事が遅い銀行員への対応
期限を切る
いわれてみれば当然なのですが、意外にも、銀行員に対して期限を切ることをしていない社長が少なくありません。つまり、ただただ依頼をするばかりで、返事は銀行員任せの状況です。
この点、通常の商売であれば、あたりまえに期限を切るものでしょう。ところが、銀行に対しては「おカネを借りる・借りている」という負い目があるからかどうなのか、及び腰になりがちです。
それはそれ、これはこれ。借りるも貸すも、「対等な取引(借りる側は利息を払っている)」であることに違いはないのですから、通常の商売と同じように、いうべきことはいうべきです。
というわけで、まずは「期限を切る」ようにしましょう。ただし、「3日以内に!」など、短い期限はよろしくありません。銀行にも、検討・準備する時間が必要です。
それに、あまり短い期限だと「おカネがなくてヤバいのかな?」と警戒されてもしまいます。すると、融資が受けにくくなったり、受けられなくなったりする可能性が高まるのも問題です。
なので、2週間後くらいを目安に、期限を切ることをおすすめします。そのうえで、いちおう、銀行員に対して「〇月〇日までには、返事をいただけますか」とお伺いを立ててみましょう。
これに対して、銀行員が「厳しい」ようであれば、調整の余地を残すということです。調整もしたうえで期限を切るのですから、銀行員としても期限を破るわけにはいかなくなります。
一方的に期限を押し付けるのではなく、銀行員の同意をえながら期限を決めることが大切です。
文書で渡す
期限を切る、という話をしました。このとき、口頭で済ませるのではなく、文書にして渡すことができると、さらに効果的です。口頭のように、言った言わないのトラブルがなくなります。
文書を受け取った銀行員としても、文書は証拠としても残るために無視ができなくなるので、返事が遅くなる(期限に遅れる)ことが少なくなるはずです。
文書にするなどメンドーだ…と、おもわれるかもしれませんが。手間をかけた分、返事が遅くなるリスクや、それにともなうストレスは減るのですから、手間をかける価値はあるでしょう。
また、文書にして渡すクセがつくと、銀行員からも「この社長は油断ができないぞ」と見られ、一目置かれるようになる、という効果も期待できます。
なお、文書といっても、それほどたいそうなものではありません。むしろ、できるだけシンプルにしあげるようにしましょう。融資の依頼をするのであれば、A4用紙1枚でじゅうぶんです。
内容としては、カンタンなご挨拶文にはじまり、資金使途(借りたおカネの使いみち)、返済方法・返済原資を記載することになります。加えて、回答期限を記載しておくとよいでしょう。
参考資料として、資金繰り予定表を添付できればベストです。銀行員も、上司に報告・相談をしたり、稟議書を書くにあたり、文書があると助かります。手間を惜しまず、文書で渡しましょう。
理由をいう
期限を切るというと、それは銀行員を急かすことになり、心象がよくないのではないか。と、おもわれるかもしれません。前述したとおり、おカネがなくて困っているようにも見えてしまう…
実際、期限を切ると、銀行員からは「急いでいるのですか?」などとも聞かれるものです。そんなときには、期限を切る「理由」を伝えるようにしましょう。
つまり、期限を切るのは「急いでいるからではなく、資金繰りの見通しを立てるため」だということです。
この点、わたしは常々、「借りてでも、平均月商(年間売上高÷12か月)の6ヶ月分の預金残高を目指しましょう」といっています。2ヶ月分以上の残高キープは必須です。
だとすれば、先を見据えて、計画的に銀行借入に動く必要があります。このとき、融資の依頼に対して銀行員の返事が遅れれば、計画にも遅れが生じてしまいます。
もし、融資を断られたら、別の銀行に融資を依頼する必要もあるのですから、「断るなら断るで早く断ってほしい」というハナシです。
なので、銀行員に伝えるべきはまず、「自社は、先を見据えて計画的に銀行借入を進めている」ことであり、「だからこそ、計画に遅れがないよう期限を切っている」ことを理解してもらいましょう。
計画的であることを好むのが銀行ですから、期限に対する理解も得やすくなるはずです。
まとめ
なかには、返事が遅い銀行員はいるものです。融資の依頼をしても、さっぱり返事がない…みたいな。とはいえ、文句をいうのも得策ではありません。
では、どうしたらよいのか?について、お話しをしました。銀行員の返事を遅いのは、こちらに「隙」があるからだともいえます。その隙をなくしていきましょう。
- 期限を切る
- 文書で渡す
- 理由をいう