融資を断られた…でも、別の銀行なら借りられる?

融資を断られた…でも、別の銀行なら借りられる?

融資を断られた…でも、別の銀行なら借りられるのではないか?答えは、イエスです。その理由についてお話をしていきます。別の銀行を選ぶにあたっての参考にもなるはずです。

目次

A銀行だろうがB銀行だろうが結果は同じはず

会社の銀行融資について。A銀行に融資を申し込んだけれど、断られてしまった。でも、別の銀行ならいけるのではないか?つまり、B銀行やC銀行からなら借りられるのではないか?

いやいや、銀行の融資審査は、どこも同じようなものだと聞いたことがあるぞ。だとすれば、A銀行だろうがB銀行だろうが、結果は同じことになるのでは…?

と、おもわれるかもしれません。たしかに、銀行の融資審査は「大筋」でどこも同じです。とはいえ、A銀行で断られたからといって、必ずしも、別の銀行でも断られるかといえばそうでもない。

その理由について、お話をしてきます。別の銀行を選ぶにあたっての参考にもなるはずです。

融資を断られた…でも、別の銀行なら借りられることはある理由
  • そもそもの銀行選びが悪い
  • 申し込みタイミングが悪い
  • 銀行にウソをつかれている

それではこのあと、順番に解説していきます。

融資を断られた…でも、別の銀行なら借りられることはある理由

そもそもの銀行選びが悪い

銀行にもいろいろあります。民間の銀行でいえば、都市銀行、地方銀行、信用金庫など。これらのうち、銀行の規模が大きくなるほど、融資審査のハードルは高くなるものと考えておきましょう。

つまり、都市銀行のほうが融資を受けるのは難しく、信用金庫のほうが易しい。地方銀行はそのあいだくらい、というイメージです。また、銀行の規模と、融資を受ける会社の規模にギャップがあると、融資を受けることは難しくなります。

つまり、小さな規模の会社は、小さな規模の銀行のほうが、融資が受けやすいということです。この点、年間売上高が1億円未満の会社は「小さな規模の会社」として、「小さな規模の銀行」である信用金庫や信用組合から融資を受けるのがよいでしょう。

にもかかわらず、都市銀行や地方銀行に融資を申し込み断られる…というのであれば、そもそもの銀行選びが悪いといえます。この場合には、信用金庫や信用組合へ融資の申込先を変えることで、融資を受けられるかもしれません。

銀行選びの目安としては、年間売上高が1億円を超えるまでは信用金庫や信用組合、1億円を超えたら地方銀行も、数十億円を超えるようになったら都市銀行、と考えておくとよいでしょう。

ちなみに、銀行選びが悪くても融資が受けられることはあります。ただし、その場合には「信用保証協会の保証付き融資」です。それなら、会社が返済できなくなっても、信用保証協会が肩代わりをしてくれるため、銀行のリスクは小さくて済みます。

ですから、銀行選びが悪くても、保証付き融資であれば借りられてしまうことはあるわけです。が、保証付き融資には制度上の限度額があります。すると、本来、自社に合うはずの銀行で、保証付き融資が受けられなくなってしまうのが問題です。

どの銀行も、「まずは保証付き融資でリスクを下げつつ、ようすを見てプロパー融資(信用保証協会の保証がない融資)も」と考えています。よって、保証付き融資が限度額いっぱいだと、自社に合うはずの銀行から、プロパー融資を引き出すことができません。

結果として、自社の資金調達可能額が小さくなってしまうので、銀行選びは気をつけましょう。

申し込みタイミングが悪い

前述した銀行選びに問題がなくても、融資を申し込むタイミングが悪くて断られてしまうことがあります。タイミングが悪いかどうかは銀行によっても異なるため、別の銀行であれば融資が受けられた、ということはあるものです。

たとえば、A銀行で融資を断られたのは、A銀行がすでに「融資ノルマを達成済み」であり、ひとまずは融資を控えているようなケースが考えられます。いっぽうのB銀行がノルマ未達であったりすれば、喜んで融資をしてくれるようなこともあるわけです。

また、銀行担当者や支店長の異動が迫っている時期などは、融資に消極的になるケースもあります。その融資が何かしらのトラブルになれば、次の異動(昇進)に悪影響なので、おとなしくしておこう…みたいな。

逆に、異動直後などは早く成果を出すために、融資に積極的ということもありえます。したがって、銀行担当者や支店長の異動状況(前回の異動がいつくらいだったか)については、確認をしておくのがよいでしょう。申し込みタイミングの良し悪しにも影響するところです。

もう1つ、「自社の業績」についてもふれておきます。業績が悪いとき(赤字や債務超過など)に融資を申し込むのは、タイミングが悪いのはいうまでもありません。ただし、メインバンクであれば、融資を受けられる可能性は高まります。

メインバンクとは、端的にいえば「自社にとって融資残高がもっとも多い銀行」です。メインバンクには、融資先を支える役割があるため、業績が悪いときでも柔軟な対応が期待できます。

にもかかわらず、業績が悪いときに、メインバンク以外の銀行に融資の申し込みをするのであれば、それはタイミングが悪いといえるでしょう。メインバンク以外の銀行に申し込みをするなら、自社の業績がよいとき(少なくとも悪くはないとき)です。

銀行にウソをつかれている

さきほど、保証付き融資とプロパー融資についてふれました。このうち、保証付き融資は信用保証協会の保証が付いた融資であり、制度上の限度額があるともいいました。

その限度額は、全銀行に共通です。一般保証と呼ばれる保証の限度額は8,000万円(無担保の場合)であり、これはA銀行から借りた分も、B銀行やC銀行から借りた分もあわせて8,000万円が上限になります。

この点、銀行が保証付き融資をするときには、「同じ信用保証協会」を経由することになります(同じ信用保証協会の審査を必要とする)。だとすれば、A銀行で保証付き融資を断られたのであれば、直後にB銀行で保証付き融資を申し込んだとしても断られるはずです。

ところが、必ずしもそうではないケースがあります。それは、A銀行がウソをついているケースです。つまり、A銀行が「信用保証協会の審査でNGが出ました」と言っているとしても、それはウソかもしれない。

実際、信用保証協会に打診すらしていないというケースもあります。A銀行に、なんらかの事情があって(そもそも、その会社とお付き合いもしたくないとか)、信用保証協会に聞くまでもない…みたいな。

そのようなケースであれば、A銀行がダメでも、B銀行で保証付き融資を受けられる可能性はあります。では、A銀行がウソをついているかどうかはどうすればわかるのか?

信用保証協会に直接、会社が問い合わせをすればわかります。「A銀行から、信用保証協会の審査でNGが出たといわれました。今後のために、どのような理由か教えてもらえますか?」などとたずねたときに、「えっ?NGなんて出していませんし、そもそも相談されていませんけど」といったことは実際にもあるのです。

なので、保証付き融資を断られたからといって、必ずしもあきらめなければいけないわけではありません。まずは、その銀行に「信用保証協会がNGなのか、それ以前に銀行がNGなのか」を確認すること。信用保証協会がNGだというのであれば、ウソを疑うことも選択肢の1つになります。

自社の業績が悪くはなかったり、まだ保証付き融資の限度額まで余裕があるとおもわれるようなときはとくに、です。なお、プロパー融資の場合には、銀行ごとに基準の差もあるため、A銀行がNGでも、B銀行ならOKということはあります。

まとめ

融資を断られた…でも、別の銀行なら借りられるのではないか?

答えは、イエスです。その理由についてお話をしましたので、押さえておきましょう。いざ、別の銀行を選ぶにあたっての参考にもなるはずです。

融資を断られた…でも、別の銀行なら借りられることはある理由
  • そもそもの銀行選びが悪い
  • 申し込みタイミングが悪い
  • 銀行にウソをつかれている
融資を断られた…でも、別の銀行なら借りられる?

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