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売上が過去最高!というときの銀行対応

売上が過去最高!というときに、社長が考えるべきは「銀行融資を受けること」です。ややもすると、逆に、銀行融資は不要だと考えがちなので気をつけましょう。

目次

銀行は売上がお好き

売上が過去最高!そんなときに、社長が考えるべきは「銀行融資を受けること」です。などというと、「いやいや、売上が過去最高だし、おカネも増えるし。融資は不要です」とおもわれるかもしれませんが。

銀行は売上が好きなのです。つまり、売上が増えている会社には融資をしたいと考えます。逆に、売上が増えていない会社、減っている会社に対しては融資を躊躇するものです。

そもそも、銀行には「利益=返済力」という見方があり、利益が増える会社を好みます。その利益も、本(もと)を正せば、売上があってこそです。極端をいえば、売上がゼロなら利益もゼロ。だから、銀行は売上に注目をしています。

では、話を戻しましょう。売上が過去最高!というときには、銀行融資を受けること。具体的には、次のとおりです↓

売上が過去最高!というときの銀行対応
  • 増加運転資金を借りる
  • 借入残高を引き上げる
  • 新規取引銀行を開拓する

このあと、順番に解説していきます。

売上が過去最高!というときの銀行対応

増加運転資金を借りる

増加運転資金とは、売上が増加することにより増える運転資金をいいます。ここでいう運転資金とは「経常運転資金」のことであり、「売掛金・受取手形+棚卸資産ー買掛金・支払手形」の算式で計算される金額です。

その経常運転資金は、会社が事業を続ける限り、立て替える必要があるおカネであり、銀行借入で用意をするのが財務のセオリーだといえます。では、売上が増えるとどうなるか?

さきほどの算式を、もういちど見てみましょう。売上が増えれば、ふつうは「売掛金・受取手形」や「棚卸資産」も増えます。「買掛金・支払手形」も増えますが、「売掛金・受取手形+棚卸資産」ほどは増えないはずです。

結果として、売上が増えることで経常運転資金の額は増えます。だとすれば、これまでよりもさらに、経常運転資金分の融資を受ける必要があるとわかるでしょう。

ところが、「売上が増えればおカネも増えるのだから、資金繰りはよくなるはずだ(少なくとも悪くなるはずがない)」との考え(というか勘違い)から、融資を受けようとしない社長がいます。

すると、気がつけば資金繰りが悪くなり、最悪の最悪は黒字倒産です。だから、そうはならないように、売上増加が見込まれるのであれば、「早め」に銀行融資を受けるようにしましょう。

長い目で見れば「売上増加→資金増加」ですが、短期的には経常運転資金が増加することで、資金繰りは厳しくなる。売上増加が急であればあるほどとくに、です。

売上増加の「事実」がわかる資料を用意して、銀行に増加運転資金の相談をしましょう。たとえば、受注書の写しや、受注見込みリストなどの資料が考えられます。

借入残高を引き上げる

銀行には、「いちど貸した金額までは融資をしやすい」という考え方があります。たとえば、いちど1,000万円まで貸したことがある会社が、その後の毎月返済で残高は600万円だとして。

このとき、銀行は「400万円(残高1,000万円)までなら貸してもいいかな」と考える、ということです。いっぽうで、いちど貸した金額を超えた融資には躊躇することになります。

これは、銀行が「実績」を重視するからです。1,000万円まで「貸した実績」がある、そのうえで、「返済の実績」もある。だから、1,000万円までなら貸しても返してもらえるはずだ。でも、1,000万円を超えた場合にはわからない…

それでも、銀行が1,000万円を超えて融資をしてもよいと考えるのはどんなときか。その融資先の業績がよいとき、つまり、売上が過去最高などというときです。

繰り返しになりますが、売上が増えれば利益も増える。利益が増えるということは返済力も増えるということ。であれば、もう少し融資をしても大丈夫だろう。と、そんな感じです。

ところが、売上が過去最高ともなると、社長のほうはやはり「いまは借りる必要がない」と考えがちであり、せっかくのチャンスを逃しているケースが少なくありません。

自社の業績がよいときほど、借入残高を引き上げることに挑戦しておきたいものです。うまく引き上げることができれば、今後はその引き上げた残高が「実績」として基準になります。

つまり、いざというときに借りれる金額が大きくなる、ということです。銀行対応はいざとなってからでは遅すぎることばかりであり、いざとなる前にどれだけ動けるかだと覚えておきましょう。

新規取引銀行を開拓する

売上が過去最高!なのであれば、新規取引銀行を開拓するチャンスでもあります。ここでいう取引銀行とは、融資を受けている銀行のことです。

取引銀行は「複数」がよく、少なくとも「1つだけ」というのはよくありません。融資を受けている銀行が1つしかないと、ほかに選択肢がないことから、その銀行に足元を見られることもあるのです。

いっぽうで、複数の銀行から融資を受けていれば、会社には選択肢があることから、銀行どうしを競わせることが可能になります。また、いざというときに、A銀行では断られたけど、B銀行からは借りられたということもあるでしょう。

ゆえに、会社は複数の銀行から融資を受けておくことが大切なのであり、融資を受けている銀行の数が少なければ、新規取引銀行を開拓する必要もあるわけです。

とはいえ、銀行は「新規」の取引を警戒します。前述したような「貸した実績」も「返済の実績」もありませんから、当然です。そのうえ、業績も悪ければいっそう警戒することになります。

逆に業績がよい、つまり、売上が過去最高!というようなときであれば、銀行の警戒も少しはやわらぐというものです。むしろ貸したい、と考える銀行があるかもしれません。

というわけで、自社の業績がよいときほど、新規取引銀行の開拓に動きましょう。ところがやはり、「いまは借りる必要がない」と考えて、動こうとはしない社長が少なくありません。

まとめ

売上が過去最高!というときに、社長が考えるべきは「銀行融資を受けること」です。ややもすると、逆に、銀行融資は不要だと考えがちなので気をつけましょう。

売上が増えているからこそできる銀行対応があり、売上がからこそすべき銀行対応があります。その銀行対応が具体的に何なのかを、本記事で押さえておきましょう。

売上が過去最高!というときの銀行対応
  • 増加運転資金を借りる
  • 借入残高を引き上げる
  • 新規取引銀行を開拓する

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