ニュースレター「発信LAB」の登録受付中!

インフレ対策としての銀行借入

インフレ対策としての銀行借入

日本で起きているインフレ。このような経営環境のなか、インフレ対策としての銀行借入について考えてみます。結論としては、積極的に、それも早めに銀行借入を。そんなお話です。

目次

積極的に、それも早めに

きょうは、2024年6月14日。日本では、円安や人材不足、エネルギー価格の高騰などを背景に物価上昇の過程にあります。以前のデフレに対して、インフレの状態だともいえるでしょう。

このような経営環境のなか、インフレ対策としての銀行借入について考えてみます。などといえば、インフレと銀行借入でなにか関係あります?と、フシギにおもわれるかもしれませんが。

はじめに結論を述べるのであれば、銀行借入を積極的に、それも早めに利用したほうがいいだろう。そういう話です。

おもな理由は、次のとおりになります↓

インフレ対策としての銀行借入
  • 借入の元金は増えない
  • 金利が低いうちに
  • 借りにくくなる前に

それではこのあと、順番に解説してきます。

インフレ対策としての銀行借入

借入の元金は増えない

インフレの状況にあっては、モノやサービスの価格が上昇します。iPhoneがめちゃめちゃ高くなったよねー、なんてハナシもあるとおりです。なので、同じおカネの価値も下がりました。

たとえば、いまの1万円は、1年前の1万円より価値が低い。1年前は1万円で買えていたものが、いまは1万円では買えなくなってしまった…ということが起きています。

繰り返しですが、インフレによって、モノやサービスの価格が上昇しているからです。

いっぽう、銀行借入について。インフレによって借金が増えるかといえば、そんなことはありませんよね。1年前に借りた1,000万円が、いまは1,100万円になっている…なんてことはないわけです。

1,000万円の借入は、インフレが起きようともやはり1,000万円の借入です。いやいや、おカネの価値が下がるのであれば、1,000万円の返済負担は上がるじゃないか?と、おもわれるかもですが。

借りたときのおカネ(1,000万円)が手つかずで残っていれば、そのおカネで返済をできるのですから、返済負担が上がることはありません。

インフレによって、コスト増になれば、会社は資金繰りが厳しくなります。その分、資金ショートの可能性が高まるのだとすれば、積極的に、早めに借入をして預金を増やしておくのがよいでしょう。

銀行借入はインフレ対策になるのです。

金利が低いうちに

積極的に、早めに借入をしましょう。という、お話をしました。「早めに」をおすすめしているのは、金利が低いうちのほうが、支払利息の負担が小さくてすむからです。

いうまでもありませんが、現状、日本の金利は上昇の過程にあります。2024年3月、長らく続いたマイナス金利が解除されたことにより、今後は遅かれ早かれ利上げが進むでしょう。

それがいつになるのか、どれほどの利上げなのかは不明です。ただそれでも、いままでが「超低金利」であっただけに、相対的に見れば、今後の利上げは「確実」だといっても過言ではありません。

だとすれば、将来に比べれば借入金利が低いであろういまのうちに、借入をしておくことは得策だとわかるはずです。

いざ借入をするときになって、銀行と激しい金利交渉をはじめる社長がいます。ですが、行き過ぎた金利交渉は、「百害あって一利なし」が私見です↓

なので、金利交渉をするくらいなら、できるだけ早めに借りておきましょう。わたしは、そのようにおすすめをしているところです。

交渉で下げられる金利は限られていますから、交渉なしでもいま借りるほうが、将来に借りるよりも低い金利で借りられるものと考えます。

ちなみに、借入金利の上昇はすでに起きている事象です。あらたに融資を受けようとしたら、銀行からは「金利が上がります」との説明をされるケースが散見されています。

今後の借入金利上昇を不安に感じるのであれば、いま、銀行借入を検討しましょう。

借りにくくなる前に

借入金利が上昇すると、付随して起きる現象があります。それは、融資審査の厳格化です。平たくいえば、銀行からは借りにくくなるということです。なぜ、借りにくくなるのか?

借入金利が上がると、会社は支払利息の負担が増えます。同じおカネを借りるのでも、これまでよりも支払わねばならない利息の額が増えるわけです。すると、その分の利益が必要になります。

このとき、じゅうぶんに利益が増えていればよいのですが、そうでなければ借りにくくなることはわかるでしょう。

そして、金利が上がるほど(支払利息の負担が増えるほど)、銀行は「本当にじゅうぶんな利益が出るのか?」を検証するために、融資審査を厳しくすることになります。

となると、会社は銀行に対して、情報提供も必要です。たとえば、経営計画書や受注見込みリストなど。情報がなければ、銀行も利益が出るのかどうかを検証できません。

よって、情報提供ができない会社は、借りにくくなることが考えられます。いままでは、必要なかった情報提供も、これからは必要になるかもしれないことを、社長は理解しておきましょう。

だとすれば、将来よりも借りやすいであろういまのうちに、借入をしていおくことも1つの選択だとわかります。銀行借入は、「借りやすいうちに借りておく」のがセオリーです。

まとめ

日本で起きているインフレ。このような経営環境のなか、インフレ対策としての銀行借入についてお話をしました。結論として、銀行借入をより積極的に、それも早めに検討してみましょう。

インフレ対策としての銀行借入

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

良い記事があればシェア
  • URLをコピーしました!
目次