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融資金利の上昇局面における銀行対応の注意点

融資金利の上昇局面における銀行対応の注意点

いま現在、融資金利の上昇局面に入ったといってよいでしょう。そのような折、社長が銀行対応で注意すべき点をまとめてみます。

目次

すでに起きはじめている事象

本投稿の執筆日は、2024年6月20日です。3月にはマイナス金利が解除となり、日銀による利上げ待ちの状態であり、これから起きるであろう融資金利の上昇が指摘されています。

もっとも、融資金利の上昇はすでに起きはじめている事象でもあり、社長は注意をすべきでしょう。とはいえ、どのようなことに注意をすればよいのやら…と、おもわれるかもしれせん。

そこで、本記事では「銀行対応(=銀行との会話や銀行に対する行動)」に的を絞って、注意点をお話ししてみることにします。具体的には、次のとおりです↓

融資金利の上昇局面における銀行対応の注意点
  • 銀行が金融政策の話をはじめたら
  • すべての交渉はむなしく響くだけ
  • さいごは業績改善がわが身を救う

このあと、順番に解説していきます。

融資金利の上昇局面における銀行対応の注意点

銀行が金融政策の話をはじめたら

日銀の利上げとなれば、長らくぶりであり、それにともなう融資金利の上昇もまた長らくぶりです。ゆえに、融資金利の引き上げ経験がない銀行員も少なくありません。

そこで、各銀行内では勉強会が開催され、金利をいかに引き上げるか(融資先の理解をえながら)について準備が進められていると聞きます。だとすれば、社長もうかうかしていられません。

それはさておき、銀行が融資金利を引き上げるにあたり、何からはじめるか?

まずは、地ならしです。ある日突然に、「金利を上げます」などといえば、融資先の抵抗にあうことは目に見えていますから。あらかじめ、そのようなことを匂わせるハナシをしておくわけです。

それがどのようなハナシかというと、たとえば、「日銀の金融政策」や「市中金利の推移」などが挙げられます。「だから、今後は融資金利も上昇傾向になりますよー」といった具合です。

よって、銀行担当者がそういったハナシをはじめたら、そろそろ融資金利の引き上げを求められるのかな?と、考えておくのがよいでしょう。

市中金利や融資金利が上がるとはいっても、すべての銀行のすべての融資で金利がすぐに上がるわけではありません。各銀行には、各融資先の各融資それぞれについて「優先順位」があるからです。

たとえば、担保や保証がしっかりとれている融資であれば、金利引き上げを急ぐ必要はない、とか。したがって、融資金利の引き上げタイミングには、おのずと差が生じます。

そのタイミングをはかる材料として、銀行担当者のハナシを参考にしてみましょう。

すべての交渉はむなしく響くだけ

融資金利が引き上げられるとなれば、「それはイヤだ」というのが、社長の正直な気持ちでしょう。よって、銀行に対して、さまざま交渉を試みる社長もいるものとおもわれます。

もちろん、ムダに金利を引き上げられるのは(妥当な水準を超えて)、好ましいことではありませんから、その場合には交渉も必要です。とはいえ、相場並みの引き上げにまで、強く抵抗するのはおすすめできません。

いうまでもなく、銀行に嫌われるからです。いやいや、別に銀行から好かれなくてもいい。そうおもわれるかもしれませんが。融資をスムーズに受けたいのなら、好かれるに越したことはないはずです。

そもそも、銀行は「これから融資金利が上がるのはあたりまえ」と考えています。それが経済のセオリーであり、「それはイヤだ」などという社長は理解不足だ、とも考えるからです。

少し補足をしておくと…中央銀行(日本なら日銀)による利上げがおこなわれる前提には、好景気があります(すくなくとも不況ではない)。だとしたら、その分、会社も儲かっていなければおかしい。

景気の波に乗り、ちゃんと儲かっていれば、融資金利がふつうに上がる分には問題がないはずだ、ということになります。にもかかわらず、「金利を引き上げられたら困る!」などと社長が抵抗するのは、「ふつうに儲けるチカラ」がないからではないのか?(たとえば、物価高騰分の価格転嫁もできていないとか)と評価するのが銀行です。

というわけで、社長が抵抗すればするほど、激しい交渉をすればするほど、自社のチカラのなさが透けて見えることとなり、それが銀行にはむなしく響くことは理解しておくのがよいでしょう。

さいごは業績改善がわが身を救う

とはいえ、融資金利が引き上げられるのはイヤだ、という社長の気持ちはわかっているつもりです(わたし自身もまた、事業での借入はありますので)。

実をいえば、多くの会社の融資金利が上がっても、自社の金利はそれほど上がらずにすむ方法がないわけではありません。その方法とは…できるだけたくさんの利益を出すことです。

これを聞いて、「また、そんなあたりまえのことを…」と、がっかりされたかもしれませんが。業績がよい会社が融資を受けやすいこと、よい融資条件をえやすいことは変わらぬ事実です。

たとえば、すばらしく業績のよい会社が、A銀行とB銀行から融資を受けていたとして。A銀行が、市中金利の上昇を理由に融資金利を引き上げるとします。いっぽう、B銀行は会社の好業績を評価して融資金利を据え置いたとしたらどうでしょう。

融資金利で考えれば、その会社はB銀行からの借入を選ぶはずです。すると、A銀行は困ります。「優良」な融資先を失いたくはありませんから、「やっぱり金利は据え置きます!」と、なるかもしれません。かくして、会社は他社よりも低い金利で借入ができる、みたいな。

というわけで、金利上昇局面において、わが身を救うのは「利益」であり、いまよりさらに利益を増やすという「業績改善」にあります。

なので、銀行に対して金利交渉をするのであれば、いま現在の利益をアピールすること、そして、将来の利益(=業績改善の具体的な取り組み)をアピールすることです。

にもかかわらず、ただただ金利の引き上げを嫌がるばかり…という対応はやめましょう。百害あって一利なし、です。

まとめ

いま現在、融資金利の上昇局面に入ったといってよいでしょう。そのような折、社長が銀行対応で注意すべき点をまとめてみました。

のんきにかまえていると、おもわぬ金利の引き上げにあわてたり、あわてた結果、銀行からムダに嫌われてしまったりすることが考えられます。少しでも早く、準備をはじめましょう。

融資金利の上昇局面における銀行対応の注意点
  • 銀行が金融政策の話をはじめたら
  • すべての交渉はむなしく響くだけ
  • さいごは業績改善がわが身を救う
融資金利の上昇局面における銀行対応の注意点

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