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資金繰りが苦しい…その原因に社長が気づきにくいものは?

資金繰りが苦しい…その原因に社長が気づきにくいものは?

会社の資金繰りが苦しい…とはいえ、その原因のなかには、社長が気づきにくいものもあります。では、具体的にどのような原因なのか?というお話です。

目次

とはいえ原因がわからない

社長にとって、「資金繰りが苦しい」というのは避けたい状況のひとつでしょう。とはいえ、資金繰りが厳しい「原因」がわからない…そんな社長もいるようです。

たとえば、利益がじゅうぶんに出ていない、あるいは、赤字だというのであれば、それが原因だとわかります。ですが、「赤字ではないし、利益は相応に出ているはずなのに…」というケースはどうでしょう?

そこで、資金繰りが苦しい原因のうち、社長が気づきにくいものについてお話をしてみることにします。おもなところでは、次のとおりです↓

資金繰りが苦しい原因のうち社長が気づきにくいもの
  • 借入口数が増えている
  • 借りかたがよくない
  • じゅうぶんに借りていない

つまり、銀行からの借入しだいで、資金繰りが厳しくなりうるということです。このあと、順番に解説をしていきます。

資金繰りが苦しい原因のうち社長が気づきにくいもの

借入口数が増えている

同じ金額を借りているのでも、その口数によって資金繰りは異なります。結論として、借入口数が増えれば、返済負担も増えることで、資金繰りが厳しくなることを覚えておきましょう。

たとえば、残高240万円、残り返済期間24か月の借入があったとします。毎月の返済は10万円です(240万円 ÷ 24か月)。ここであらたに、600万円を借入するとしたらどうなるか。

まずは、既存の借入とは別に、返済期間60か月で600万円を借りた場合で考えます。毎月の返済は、10万円(600万円 ÷ 60か月)ですから、既存の借入とあわせた毎月の返済は20万円です。

では、既存の借入残高240万円を、あらたな借入で借り換えるとしたらどうでしょう。つまり、840万円の借入をして、そのうち240万円で既存の借入を完済します。

よって、正味600万円の借入をした点は同じです。そのうえで、あらたな借入840万円の返済期間は60か月だとします。毎月の返済は14万円です(840万円 ÷ 60か月)。

というわけで、前者のように借入口数が増えた場合(既存の借入と新規の借入で2口)の毎月の返済は20万円なのに対して、後者のように借入口数が増えない場合(借り換えた借入の1口のみ)の毎月の返済は14万円となりました。

借入口数が増えると、毎月の返済が増えるわけです。なので、口数が増えるような借りかたをしていると、どんどん毎月の返済が増えてしまう…結果、資金繰りが苦しくなることがあります。

利益が出ているのに、資金繰りが厳しいということにもなりかねません。そうはならないように、口数が増えてきたから、1口にまとめて借り換えることも検討しましょう。

借りかたがよくない

口数が増える借りかたはよくない、という話をしました。もうひとつ、借りかたがよくない事例を挙げておきます。それは、「経常運転資金を毎月分割返済で借りること」です。

経常運転資金とは、「売掛金・受取手形+棚卸資産ー買掛金・支払手形」で計算される金額であり、会社が事業を続ける限り、立て替える必要があるおカネをいいます。

よって、経常運転資金分の金額を、銀行で借入するのは財務のセオリーです。が、せっかく借入をしても、毎月分割返済していたのでは、その効果は半減してしまいます。

たとえば、経常運転資金の額が500万円の会社があったとして。借入をした当初は、手元に500万円のおカネが増えますから、資金繰りは満たされます。ところが、毎月の返済が続いたら…

手元の500万円はどんどん目減りしていくので、資金繰りはどんどん厳しくなるわけです。では、どうするか?「借りっぱなし(毎月の返済なし)」になるような借りかたをすることです。

これを、短期継続融資と呼びます。具体的には、短期の手形貸付で融資を受ける、あるいは、当座貸越で融資を受けるか。すると、経常運転資金分のおカネを、借りっぱなしにすることが可能です。

短期の手形貸付は、期日がきたら銀行の審査をへて、問題がなければ期日を延長してもらいます(手形を書き換える)。当座貸越は、銀行が決めた限度額の範囲内であれば、会社は自由に借りたり返したりできるのです。

ただし、短期継続融資は銀行にとってリスクが大きくもなりますから、自社の業績が悪かったり、決算書に不透明なところ(≒ 粉飾)があるようだと、融資が受けにくくなるので気をつけましょう。

じゅうぶんに借りていない

経常運転資金について前述しました。その経常運転資金は、いつも一定ではありません。では、売上が急増しているような場合はどうでしょう?

通常は、売掛金も棚卸資産も急増しますから、経常運転資金の額は急増します(買掛金も増えますが、売掛金や棚卸資産が増えるほどではいので)。

会社が立て替えねばならない額が増えるということであり、放っておけば資金繰りは苦しくなるばかりです。が、実際には、放っている社長が少なくありません。

なぜなら、「売上が急増しているのだから、儲かっているはずだ。おカネも増えるはずだ」と考えているからです。たしかに、長期的にはそのとおりなのですが、短期的には違います。

売掛金や棚卸資産が増えれば、その分、入金待ちの額が増えるために資金繰りは悪くなるのです。だとすれば、経常運転資金が増えた分の額を、追加で借入する必要があることに気づくでしょう。

これを、「増加運転資金の借入」と呼びます。この借入の背景には、「売上増加」というポジティブな理由があることから、銀行も基本的には、積極的に融資をするものです。

売上増加の事実を示す資料(受注書や受注見込みリストなど)を銀行に提示して、早めに借入をするようにしましょう。いざ売上が増えてからでは遅すぎる、ということになってしまいます。

まとめ

会社の資金繰りが苦しい…とはいえ、その原因のなかには、社長が気づきにくいものもあります。では、具体的にどのような原因なのか?というお話をしました。

資金繰りを改善する手がかりとして、本記事の内容を押さえておきましょう。

資金繰りが苦しい原因のうち社長が気づきにくいもの
  • 借入口数が増えている
  • 借りかたがよくない
  • じゅうぶんに借りていない
資金繰りが苦しい…その原因に社長が気づきにくいものは?

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