ニュースレター「発信LAB」の登録受付中!

銀行提携のファクタリングはおすすめの資金調達手段なのか?

銀行提携のファクタリングはおすすめの資金調達手段なのか?

銀行とファクタリング業者との提携が増えています。銀行が提携して、おすすめをするくらいだから、利用したほうがいい資金調達手段なのか?といえば、そうでもない。そんなお話です。

目次

似て非なるものであるとの理解

近頃は、地方銀行や信用金庫と、クラウド型(オンライン型)のファクタリング業者との提携に関するニュースをよく見かけるようになりました。

ファクタリングとは、カンタンにいえば「売掛金の売却」です。ファクタリング業者に売掛金を売却することで、すぐに現金化することができる!というのが、メリットとされています。

たしかに、お手軽です。クラウド型ということなので、対面でのやりとりも必要ありませんし、そのためにスピーディーでもあります。が、とても注意を要する資金調達手段です。

また、資金調達という点では、銀行融資と同じではありますが、似て非なるものであるとの理解が欠かせません。

そのあたり、順を追ってお話をしていくことにします。まずは、なんで銀行とファクタリング業者の提携が増えているんだ?というところから。

そうだ、ファクタリングを紹介しよう

冒頭、地方銀行や信用金庫と、ファクタリング業者との提携が増えているといいました。これを聞いて、不思議におもわれたかもしれません。

だって、銀行はおカネを貸すのが商売なのに、ファクタリングで資金調達されたら、おカネをかせなくなっちゃうじゃないか、と。たしかに、そのとおりです。

が、銀行は「必ずしもおカネを貸せる」わけではありませんよね。業績が悪い会社に対しては、融資はちょっと厳しいなぁ…というのは、よくあることでもあります。

でも、社長としてはそんなときほどおカネを借りたいのです。銀行もそれはわかっていますから、いざ融資を断るにも断りにくい。そうだ、ファクタリングを紹介しよう!となるわけです。

ファクタリングは売掛金の売却であり、ファクタリング業者は売掛金の入金によって資金回収できるため、業績が悪くて銀行融資が受けられない会社でも利用できることはよくあります。

社長も、「銀行が提携していて、おすすめしてくるのだから怪しいものではないだろう」と考えますし、おカネがないのも困るので、結局、ファクタリングを利用しがちとなるのです。

この先は金利が上昇するから

わたしは、これからますますファクタリングの利用が増えると考えています。だからこそ、銀行もファクタリング業者と提携しているわけです。ではなぜ、ファクタリングの利用が増えるのか?

察しがよい方はお気づきのこととおもいますが、この先は金利が上昇するからです。

マイナス金利が解除となり、いまは日銀の利上げ待ちの状況にあります。実際に利上げとなれば、融資金利は上がっていくでしょう。すでに融資金利は上昇傾向にあるとのデータもありますが、さらに上昇する可能性が高いということです。

すると、どうなるか?会社の支払利息負担は増えますから、同じ借入であっても、いままで以上に返済に苦労する会社が増えます。赤字の会社などは、その典型です。

赤字ではなくとも、返済負担に対してじゅうぶんな黒字でなければ、銀行は融資を躊躇するようになります。その「考え方」は昔もいまも変わりませんが、金利の上昇によって、より顕著になるだろうということです。

結果として、融資審査はこれまでよりも厳しくなります。そして、銀行融資を受けられない会社が増える、という流れです。あとは前述したとおり、銀行は融資を断りづらいので、そのときの方便としてファクタリングをおすすめすることになります。

銀行はそのときに備えて、ファクタリング業者との提携を増やしている。と、いってもよいでしょう。

いやいや、それができないから…

とはいえ、資金調達ができるのならファクタリングだっていいんじゃないの?と、おもわれるかもしれません。ところが、ファクタリングは銀行融資に比べて、かなりのコスト高です。

某ファクタリング業者の手数料は、2〜9%とされています。こういうのはだいたい、その中心あたりに平均値があるものなので、実際に5%の手数料でファクタリングできるとしましょう。

そのうえで、100万円の売掛金についてファクタリングを利用すると、5万円が手数料として差し引かれ、すぐに入金されるわけです。が、これをひと月あたり5%と考えると、年利換算で60%になります。

また、ファクタリングはいちど利用すると、その後も利用し続けることが多いものです。状況が変わらなければ、翌月また、100万円足りなくなるものだからですね。

銀行融資の利息とは比べものにならないほど高い手数料を、ずーっと支払い続けて資金調達ができたとして。はたして、その会社の資金繰りは改善するのでしょうか?

わたしは、「しない」と考えています。

だったら、はじめから銀行に100万円を借りたほうがいい。そうすれば、高くても年2〜3%くらいの金利負担で済みます。いちど借りて、手元に100万円のおカネが増えれば、繰り返し借りる必要もありません。

いやいや、それができないからファクタリングをすすめられるのだろう、といわれればそのとおりです。なので、ファクタリングを利用しなければならなくなる前(≒ 赤字になる前)に、銀行融資を受けるようにしましょう、とういのが結論となります。

つまり、資金調達は「早め」の対応が大事なのであり、対応が遅れるほど手段は限られ、より状況は悪化するということです。

銀行提携のファクタリングはおすすめの資金調達手段なのか?

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

良い記事があればシェア
  • URLをコピーしました!
目次