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同業他社との比較を有益にするには

同業他社との比較を有益にするには

同業他社との比較なんて意味ある?という見方もありますが。銀行融資・銀行対応においては有益にすることもできますよ、というわけで。その考え方や方法について、お話をしていきます。

目次

同業他社との比較なんて意味ある?

同業他社との比較という観点は、銀行融資・銀行対応において有益です。くわしくは後述するとして、そもそも「同業他社との比較なんて意味ある?」との意見についてふれておきます。

世の中には、業種平均的なデータや統計があるわけですが、それらは「平均」であり、事実が歪んでいるのではないか。ゆえに、同業他社比較に意味はない、とか。

あるいは、同業他社の平均的な売上や利益など「額」がわかったとして、他社と自社とでは、規模も組織も理念も違うのだから、比べても意味はないのではないか、とか。

たしかに、いわんとするとことはわかります。なので、そのあたりもふまえたうえで、同業他社との比較を有益にするにはどうしたらよいのか?について、考えてみましょう。

具体的には、次のとおりです↓

同業他社との比較を有益にするには?
  • 比率は使える
  • 違いがわかる
  • アピールに使える

それではこのあと、順番に解説をしていきます。

同業他社との比較を有益にするには?

比率は使える

冒頭、こんなことをいいました。同業他社の平均的な売上や利益など「額」がわかったとして、他社と自社とでは、規模も組織も理念も違うのだから、比べても意味はない。

ふむふむ、たしかに「額」を比べることにはムリがあるようにおもいます。ですが、「率」ならばどうでしょう。たとえば、売上高成長率とか、営業利益率とか。

率であれば、他社と自社との規模が違ったとしても、額よりは意味を見いだせるはずです。売上高1,000万円の会社と、売上高1億円の会社であっても、その成長率や利益率であれば、見るべきところはあるのではないか、と考えますがどうでしょう。

もちろん、それでも会社の規模が違えば、成長率や利益率に違いも出るだのでしょうが、あくまでていど加減の話をしています。つまり、額の比較よりは、比率の比較は使えるだろう、という話です。

違いがわかる

冒頭、こんなこともいいました。世の中には、業種平均的なデータや統計があるわけですが、それらは「平均」であり、事実が歪んでいるのではないか。

なるほど、たしかに「平均」が抱える問題としてはそのとおりです。それでも、同業(業界)の「特徴」を捉えるという点では、平均に意味はあるものと考えます。

個々にさまざまな他社があるなかで、それでもならしてみると、こんな特徴があるよね。ということがわかれば、その特徴と自社とを比べることで「違い」の認識に役立つはずです。

たとえば、棚卸資産回転期間(棚卸資産÷売上高)について、自社は他社平均よりも長いという場合。あぁ、ウチは在庫が他社よりも多そうだなぁ(少なくはないだろう)、との目安になります。

この点、一般的には「在庫は少ないほうがいい」などといわれますが、ここで大事なのは「優劣」ではなくて、「違い」を知ることです。

棚卸資産回転期間の例でいえば、「ウチは在庫が多い」という特徴があると認識すること。それが良いことなのか、悪いことなのかはまた別のハナシです。

いやいや、だからなに?と、おもわれるかもしれませんが。特徴を認識し、その特徴について銀行に伝えることが、銀行対応にはとても大切です。

アピールに使える

棚卸資産回転期間の例を続けます。同業他社平均との比較で、自社の在庫が多いという特徴がわかりましたよ、と。だったら、それを銀行に伝えましょう。

このときのポイントは、なぜ在庫が多いのかもあわせて伝えることです。たとえば、自社では品揃えのよさを強みにしているとか、短納期が売りになっているとか。その結果、在庫が多いのであれば、必ずしも在庫は少ないほうがいいわけではない、とわかります。

ゆえに、同業他社との比較により、自社の違いをあきらかにしたうえで、その違いが「強み」や「売り」であることをアピールできれば、銀行融資の受けやすさにもつながるところです。

そもそも、なんだかんだと銀行は同業他社平均を気にしています。同業他社平均と比べて、この会社はどうなんだろう?という目を多かれ少なかれ必ず持っているのです。

だとしたら、社長もその目は持っておかねばならないともいえます。そのうえで、同業他社との比較をもとに、いかに自社をアピールできるかを考えたいものです。

繰り返しになりますが、同業他社との比較から「優劣」ばかりを考えないようにしましょう。

一般に、自己資本比率は高いほうがいいといわれますが、その結果、預金が少ないのもいかかがなものかです(たとえば、繰り上げ返済ばかりしている…)。

それよりも、キャッシュリッチ(潤沢な預金残高)を目標に、銀行借入も最大限活用することを考えている。なので、自己資本比率が同業他社平均よりも少々低いことが劣っているとは考えていない。といったアピールを社長ができれば、銀行にも納得感を持ってもらえるはずです。

というわけで、同業他社との比較を、銀行融資・銀行対応に活かしていきましょう。

まとめ

同業他社との比較なんて意味ある?という見方もありますが。銀行融資・銀行対応においては有益にすることもできますよ、というわけで。その考え方や方法について、お話ししました。

同業他社との比較を有益にできるかどうかは、社長しだいだといえます。本記事の話を参考に、同業他社のデータや統計を、銀行融資・銀行対応にも活かしていきましょう。

同業他社との比較を有益にするには?
  • 比率は使える
  • 違いがわかる
  • アピールに使える
同業他社との比較を有益にするには

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