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金利上昇のいまこそ要注意…やってはいけない銀行対応

金利上昇のいまこそ要注意…やってはいけない銀行対応

日銀が政策金利を引き上げました。金利が上昇するいまこそ、注意をすべき銀行対応がある、やってはいけない銀行対応があることを理解しておきましょう。というお話です。

目次

容易に想像できます

2024年8月、日銀が政策金利を0.25%に引き上げました。これまでは、0.0%〜0.1%に誘導していたところ、0.15%ほど引き上げられたことになります。

そのうえで、中長期的にはさらに金利が上がるだろう、というのが大方の見立てです。だとすれば、今後は、銀行融資を受けるときの金利も上がるであろうことは、容易に想像できます。

以上をふまえ、会社の銀行対応について。金利が上昇するいまこそ、注意をすべき銀行対応がある、やってはいけない銀行対応があることを理解しておきましょう。

おもなところでは、次のとおりです↓

金利上昇のいまこそ要注意…やってはいけない銀行対応
  • 過度な金利交渉
  • 金利で銀行変更
  • 繰り上げ返済

それではこのあと、順番に解説をしていきます。

金利上昇のいまこそ要注意…やってはいけない銀行対応

過度な金利交渉

社長にしてみれば、融資金利が引き上げられるのは好ましいことではありません。なので、銀行から金利引き上げを提示されると、躍起になって交渉をはじめる…という社長はいるものです。

気持ちはわかりますが、過度な金利交渉となるとおすすめはできません。いうまでもなく、銀行に嫌われるからです。金利が上がれば、銀行はムリをして貸す必要がなくなります。

仮に、金利がこれまでの2倍になれば、いままで2社に貸していたところ、1社に貸すだけでも、いままでどおりの利息収入は得られるからです。

ゆえに、これからの銀行は、社長に過度な金利交渉をされて手間がかかるくらいなら、その会社には「もう貸さない」という選択肢がとれるようになります。

では、「過度」とはどれほどのものをいうのか。世の中の金利上昇分さえも、融資金利の引き上げを受け入れない!というような姿勢です。

冒頭でもふれたとおり、このたび、政策金利は0.15%ほど引き上げられています。であれば、融資金利が、それくらい引き上げられることは「当然」だともいえるわけです。

にもかかわらず、躍起になって金利維持を交渉するようだと、銀行から嫌われてもしかたありません。

ちなみに、銀行自身が資金調達をする際の金利であるTIBOR(東京銀行間取引金利、銀行どうしがおカネを貸し借りするときの金利)も上昇しているため、その分もふまえると、以前に比べて0.5%くらいの融資金利上昇は「許容範囲」だというのが私見です。

逆に、0.5%を超える金利引き上げを提示されるようだと、自社の業績が悪いことなどが原因で、銀行がリスク回避しようとしていることが考えられます。この場合にも、金利維持の交渉は難しく、躍起に交渉をするようなら、銀行は「貸さない」という選択もありうるところです。

金利で銀行変更

取引銀行の1つであるA銀行から、金利の引き上げを提示された。いっぽうで、別の取引銀行であるB銀行からは、金利の引き上げを提示されていない。であれば、B銀行でA銀行の借入を借り換えてしまおう、と考えるのもやってはいけない銀行対応です。

そのように「金利だけ」を理由にして、銀行を変更すると、銀行から嫌われることになります。前述したとおり、いまは「相応の金利引き上げ」は当然の状況であり、それすら受け入れられずに銀行を変更するような会社とは、長期的なおつきあいは難しい…と、銀行は考えるでしょう。

さきほどの例では、A銀行から嫌われるのはもちろん、B銀行からも好まれません。借り換えてあげたのだから、B銀行はさぞかし喜ぶだろうとおもわれるかもですが。

たしかに、B銀行からすれば融資残高が増えたことに、短期的には利があります。とはいえ、そもそもが、目先の金利で借り換えをするような会社です。いつ、自行も別の銀行に乗り換えられるかわかりません。

すると、B銀行からは親身な対応がえにくくなります。つまり、自社が困っているときには、積極的な支援をしてもらうことはできず、どの銀行からも支援をえられない…ともなりかねません。

なので、もともとA銀行とはよい関係を築けている場合などはとくに、金利だけを理由に、別の銀行で借り換えたりすることがないように気をつけましょう。

金利が上昇しているいまこそ、金利で銀行変更することにはリスクがあるのです。

繰り上げ返済

これから先も、融資金利が上がるのだとすれば、さっさと繰り上げ返済したほうがいい。と、考える社長がいます。一見すると、正しい考え方のようですが、実は注意が必要です。

なぜなら、繰り上げ返済をすれば、手元のおカネはその分だけ減ってしまいます。結果として、預金残高が少なくなるようだと、銀行から不安視されて、融資金利を引き上げられることはあるものです。

銀行は、利益にも注目していますが、預金にも注目していることを覚えておきましょう。目安として、預金残高が「平均月商(年間売上高÷12か月)の2ヶ月分未満」になるようだと、金利をはじめとした融資条件には悪い影響がではじめます(金利は高くなる)。

よって、預金残高を平均月商の2か月分未満にしてまで、繰り上げ返済などしないことです。

もちろん、繰り上げ返済をしても「以後二度と融資を受けることはない」と言い切れるのならよいのですが、そういった会社はほとんどないものと推測します。

いずれ融資を受けるかもしれない会社がほとんどであり、だとすれば、いまの融資金利で借りたままにしておくほうがよくないですか?という話です。

繰り上げ返済をすることで、預金残高を減らし、そのせいもあって資金繰りが厳しくなり、いずれ融資を受けることになる。そのときには、いまよりも金利が上がっているのだとすれば、「繰り上げ返済などしなければよかった…」ということになってしまいます。

金利が上昇するからこそ、繰り上げ返済はしない。という考え方もできるようにしましょう。

まとめ

日銀が政策金利を引き上げました。金利が上昇するいまこそ、注意をすべき銀行対応がある、やってはいけない銀行対応があることを理解しておきましょう。というお話をしました。

いずれの対応も、従来から避けるべき対応ではありましたが、金利上昇時には、さらに避けるべき対応だといえます。うっかりやってしまわないよう、じゅうぶんに気をつけましょう。

金利上昇のいまこそ要注意…やってはいけない銀行対応
  • 過度な金利交渉
  • 金利で銀行変更
  • 繰り上げ返済
金利上昇のいまこそ要注意…やってはいけない銀行対応

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