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顧問税理士が月次決算で社長に伝えられるといいこと

顧問税理士が月次決算で社長に伝えられるといいこと

毎月の月次決算にて、顧問税理士が社長に伝えられるといいこととは?いまの顧問税理士が、十分な価値(情報)を提供してくれているのかの確認として、お話をしてみます。

目次

いまの顧問税理士が月次決算において

1年にいちどの本決算に対して、毎月の「月次決算」があります。具体的な「成果物」としてできあがるのが「試算表」です。

その試算表について、税理士が顧問先の社長に対して「売上が〇〇万円で、売上総利益が〇〇万円で…」などと、数字を読み上げるだけなのであれば、不十分だといえるでしょう。

それならばと、「この仕訳の勘定科目は、雑費ではなく、消耗品費に変更しました」とか、「この仕訳の消費税コードが間違っていたので気をつけてください」などと付け加えてみたところで、やっぱり不十分なままだといえます。

とはいえ、「不十分」とはどういうことなのか?

まずは、「社長にとって」の不十分であり、その社長の「経営判断に役立つか」という点での不十分さです。では、社長から見て、いまの顧問税理士が月次決算において、十分な価値(情報)を提供してくれているのかどうなのか。

そのあたりの確認として、顧問税理士が月次決算で社長に伝えられるといいことについて、お話をしてみます。おもなところでは、次のとおりです↓

顧問税理士が月次決算で社長に伝えられるといいこと
  • 預金残高の見込み
  • 一時払いした内容
  • 借入のタイミング

それではこのあと、順番に解説をしていきます。

顧問税理士が月次決算で社長に伝えられるといいこと

預金残高の見込み

預金残高の見込みとは、言い換えるなら「資金繰り予測」です。

もう少し具体的にいえば、将来の預金残高はいくらになると予測されるのか?であり、3か月後、6か月後、1年後の預金残高は予測できていますか?ということになります。

この点、「最新の月次決算をもとに、資金繰り予定表をつくりましょう」というのが具体的な対応です。その資金繰り予定表をもとに、預金残高の見込みを、税理士と社長とで共有します。

ちなみに、先々の資金繰りを予測するには、損益(利益)の予測も必要です。損益の予測ができれば、税金の見込みもわかるので、社長は本決算でおもわぬ納税額にあわてることもなくなります。

もちろん、納税についても資金繰り予測に組み込まれるわけですから、将来の税金を含めて、資金繰りに対する「不透明感」をあらためることができるのは、社長にとって安心になるでしょう。

ところが、月次決算がおわった際、税理士から「試算表の預金残高(過去の預金残高)」について聞くことはあっても、「預金残高の見込み(将来の預金残高)」など聞いたことがない…

というケースは、少なくないものと想像します。何を隠そう(←偉そうにすることではない)、その昔のわたしがそうでしたし、わたしが税理士事務所勤務のなかで見てきた景色もまた、そうだったからです。

いっぽうで、社長の一番の関心事は「資金繰り」だったりします。結局のところ、おカネがなくなったら会社はおしまいだからです。その関心事に応えるために、預金残高の見込みが必要になります。

最新の試算表をもとに、毎月、資金繰り予定表の内容を更新していきましょう。

顧問税理士は、会社が資金繰り予定表をつくれないようならサポートする。あるいは、顧問先の依頼により、業務として「資金繰り予定表の作成を代行する」という対応が考えられます。

一時払いした内容

会社が支出するもののなかには、「一時払い」があります。たとえば、保険料の年払い、家賃の年払い、会費の年払いなど。

それらの金額が小さく、利益に与える影響も小さいのであれば、一時払いしたときに全額費用として経理処理するのもよいでしょう。ところが、金額が大きい場合にはどうなるか?

支出した月の利益だけが、大きく減ってしまいます。これでは、社長が「毎月の利益」を把握しづらくなるし、毎月の利益の比較もしづらくなるのが問題です。

ゆえに、12か月に分けて費用とするのが対応策になります。

この点、会社が対応できていないようであれば、税理士がサポートする。そもそも、税理士が経理代行しているのであれば、12か月に分けて経理処理する。そのうえで、税理士は社長に対して、「当月に一時払いした内容」を伝えることが大切です。

それができないと、社長は「一時払いは、全額が当月の費用」と考えているかもしれず、試算表の利益を誤認しかねず、ひいては経営判断を間違えることにもなりかねません。

したがって、税理士は社長に対して「当月は、〇〇の一時払いが〇〇万円ありました。経理上は、12か月であん分しています」などと伝えられるとよいでしょう。

借入のタイミング

総じて、借入しようとするタイミングが遅すぎます。多くの社長が、実際におカネが足りなくなってから借入しようとしますが、そうなると借入しづらくなるために、タイミングとしては遅すぎるのです。

ではなぜ、借入しづらくなるのか?銀行の立ち場で考えればわかるはずです。「おカネがない」という相手に、おカネを貸したいと考える人はいませんよね。銀行だって同じです。

だとしたら、おカネがあるうちに、少なくとも足りなくなるまえに、借りておくのがよいとわかります。そのためには、前述した「預金残高の見込み」や「利益の見込み」をふまえて、借入のタイミングを判断することです。

毎月の試算表ができあがった時点で、預金残高の見込みを確認して、預金残高が減っていくようであれば、いまのうちに借入することを税理士が社長に伝えられるとよいでしょう。

また、利益の見込みを見たときに、いまよりも利益が減っていくような見込みがあるのなら、やはりいまのうちに借入するのが得策となります。いうまでもなく、利益が減ってくれば、銀行からの評価は下がるため、借入の難易度が上がるからです。

借入の難易度を下げたいのであれば、おカネがあるうちに、利益が出ているうちに借りること。タイミングとしては、おカネが減る前に、利益が減る前に借りることが重要になります。

そのタイミングを、毎月の月次決算を通じて、税理士が社長に伝えられると、「借入のタイミングが遅すぎる」という事態も回避することが可能です。

まとめ

毎月の月次決算にて、顧問税理士が社長に伝えられるといいこととは?いまの顧問税理士が、十分な価値(情報)を提供してくれているのかの確認として、お話をしてみました。

とはいえ、実のところ、顧問税理士に頼らずとも、社長みずから把握できるようになれば問題がないことともいえます。そのための方法を顧問税理士にたずねるなどして、把握に努めていきましょう。

顧問税理士が月次決算で社長に伝えられるといいこと
  • 預金残高の見込み
  • 一時払いした内容
  • 借入のタイミング
顧問税理士が月次決算で社長に伝えられるといいこと

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