個人と組織、どちらが強いか。個人事業者と会社員のどちらが強いか。ちまたでいわれることもふまえて、おもうところをお話ししてみます。
個人事業者 vs 会社員
個人と組織、どちらが強いか?という論点があります。言い換えるなら、個人事業者と会社員のどちらが強いか、みたいなハナシです。
とはいえ、「会社員は給与が安定しているし、社会保障も充実しているよね」といった表層的なことではなくて、もうちょっと本質的な部分での強さや弱さについての話です。
この点、「強いか弱いかではなくて、違いがあるだけだ」とする意見もあります。まぁ、ありがちな意見です。が、個人経験8年、組織経験18年の僕として、その「違い」の話をしてみようかとおもいます。
具体的には、おもに3つ。次のとおりです↓
- 自由
- 責任
- 向き不向き
このあと、それぞれについて補足します。
個人と組織の違い
自由
個人と組織、どちらが自由かといえば…個人でしょう。自由の定義によるといえば、そうですが。個人事業者と会社員、どちらが好き勝手できるかといえば個人事業者だといえます。
いうまでもなく、会社員には「組織のルール」という規律があるわけで、その規律を破ってはいけませんし、イヤだからといって規律を変えるのは困難です。なので、会社員は組織に縛られます。
いっぽう、個人事業者はといえば。実際になってみてわかりますが、めちゃくちゃ自由です。会社員に比べたら、格段に自由です。会社員のように、縛られるものがありません。
よって、個人の場合には、仕事を選ぶことができます。お客さまを選ぶことができます。いずれも、いち会社員にはできないことであり、個人の自由さがわかるところです。
あえて表現するならば、やりたくない仕事はやらなきゃいいし、つきあいたくないお客とはつきあわなければいい。乱暴なようではあるものの、それが真実ではあります。
責任
よくいわれることではありますが、自由と引き換えに生じるのが責任です。さきほどの話でいえば、個人は仕事を選べるし、お客さまも選べるけれど、その結果について責任を負うのは100%じぶんとなります。
結果が散々で、仕事がない、お客さまもいないとなれば、食うに困るのが個人です。だれも助けてはくれません。これに対して、組織はどうかといえば、救いはありますよね。
自由が制限される代わりに、基本的に雇用は守られているからです。ちょっと結果(仕事の出来)が悪かったくらいで、会社をやめさせられることはありません。給料が支払われます。
そういう意味での責任は負わずともよい、負うとしても個人よりは少ないのが会社員です。というように、自由と責任は表裏一体として、個人と組織のあいだには違いがあります。
向き不向き
自由と責任の違いだなんて、ありきたりの話をしましたが。大事なのはここからです。それらの違いを受けて、さらなる違いが「向き不向き」です。
つまり、個人事業者がよいか、会社員がよいかには向き不向きがあります。前述の話でいえば、自由を好む人もいれば、自由はなくてもよい人がいる。
自由はなくてもよい、という言い方はナンですが。言い換えると、責任をとることを好まない人がいるということであり、さいごの責任は会社に任せたい人がいる、ということになります。
冒頭、「個人と組織に、強いか弱いかはない」的なことをいいましたが、この向き不向きが、各人にとっての強さと弱さを分ける、とはいえるでしょう。
各人における強さとはなにか
各人にとっての強さと弱さ、ってなに?と、おもわれるかもしれません。僕が考える「強さ」とは、じぶんらしく生きることです。
じぶんらしく、というのはいかにも抽象的ではありますが、じぶんらしさは「人それぞれ」ですからしかたありません。じぶんにとっての「らしさ」は、じぶんが定義するほかありません。
では、僕の「らしさ」とは何なのか。いまは、「日々、じぶんを表現しながら、誰かのきっかけになれるよう生きていくこと」です。こうして、ブログを書いているのは、1つの具体例となります。
この点、僕が会社員の場合、会社から「ブログを書くのは仕事ではない」といわれたらおしまいです。もちろん、会社の外(業務時間外)でブログを書くことはできますが、いろいろな意味で難しいハナシです。
実際、僕が会社員でいるあいだ、「ブログを書こう」などと考えたことはありません。つまるところ、「らしさ」には、前述した違いである「自由・責任・向き不向き」が影響しているのです。
と、いろいろ話をしてはみたものの。結論として、個人と組織のどちらが強いか、個人事業者と会社員のどちらが強いかについては、じぶんらしさしだいなんじゃないの?と考えています。
その「らしさ」も変わりうるものであり、変わるものだと考えておくほうがよいかもしれません。だからこそ、じぶんの「らしさ」については考え続ける必要があるし、自覚しようとする意味もあります。
そこがおろそかになると、「個人と組織のどちらが強いか弱いか」の表層的な論点にとらわれることにもなるでしょう。それよりも見るべきは、じぶん自身にとっての強さと弱さであり、じぶんらしいか、そうでないかだとおもうのですね。
「いま」の僕のらしさは、「日々、じぶんを表現しながら、誰かのきっかけになれるよう生きていくこと」ですが、「これから」もいかにつらぬくか、あるいは「これから」いかに変化していくか、向き合い続けていきたいと考えています。