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金利が上がると銀行融資が受けにくくなる理由

金利が上がると銀行融資が受けにくくなる理由

長い目で見れば、日銀の利上げが進むことは間違いないでしょう。だとすれば、銀行融資が受けにくくなります。では、その理由を社長は理解していますか?と、そんなお話です。

目次

なんで?と首をかしげているようでは

きょうは、2024年10月1日。日銀の追加利上げのタイミングがいつになるのか、気になる状況です。とはいえ、長い目で見れば、利上げが進むことは間違いないでしょう。

だとすれば、社長が考えておかねばならないのがコレです↓

「金利が上がると、銀行融資が受けにくくなる」

これを聞いて、「なんで?」と首をかしげているようではいけません。なぜなら、これまでは融資が受けられていたとしても、これからは融資が受けられなくなるかもしれないからです。

でも、なぜ「金利が上がると、銀行融資が受けにくくなる」のか?その理由を知ることが、今後の銀行対応に取り組む動機にもなるはずですから、このあと確認していきましょう。

金利が上がると、銀行融資が受けにくくなる理由

つぶれる会社が増える

日銀の利上げによって、すでに銀行融資の金利は上がりはじめています。融資金利のもとになる「短期プライムレート」が上がったり、銀行の資金調達金利である「TIBOR」が上がったりもしているからです。

では、融資金利が上がるとどうなるか。当然、おカネを借りる会社側の負担が増えます。元金の返済に加えて、利息の支払いが増えるのだとすれば、その分、返済できなくなる会社は増えるでしょう。つまり、つぶれる会社が増える。銀行は、それを警戒しています。

結果として、融資審査は厳しくなるわけです。金利負担が上がっても、きちんと返済ができそうな会社にだけ融資をしよう、ということになります。

すると、これまでは融資を受けられていた会社でも、これからは融資が受けられなくなるかもしれない。これまで、ギリギリ黒字だったような会社はとくに、です。

そういう意味では、今後、これまで以上に「利益」が重要になります。あまり税金を嫌って、利益を出し惜しみしていると、融資が受けにくくなることを理解しておきましょう。

ちなみに、いまは、信用保証協会の保証付き融資も、以前に比べると審査が厳しくなっています。コロナ禍をへて、返済が本格化したことで「代位弁済(会社が返済できず、信用保証協会が肩代わりして銀行に返済すること)」が増えているからです。

これ以上、代位弁済が増えないようにするためには、入口(融資審査)を厳しくしよう、という状況にあります。ですから、保証付き融資を受けるにも、これまで以上に利益が大切です。

ほかに貸せば済む

たとえば、これまでは、A社に1,000万円、B社にも1,000万円を貸していた銀行があったとします。その後、融資金利がこれまでの倍になったとしたらどうでしょう?

銀行は、A社かB社のどちらかいっぽうに1,000万円を貸すだけでも、同じだけの利益をえることができます。この状況で、A社の業績が悪くなったとしたらどうなるか?

これまでは、低金利だったので、銀行もなんとか融資をしていたかもしれないところ、金利が上がったいまとなれば、ムリをしてA社に融資をする理由もありません。

よって、A社は融資が受けられなくなる…というのは、ありうるハナシでしょう。また、A社の業績は悪くなくとも、社長が「金利が上がるのはイヤだ、もっと下げろ!」と、ゴリ押しするような場合はどうでしょう?

この場合にも、銀行はムリして貸す必要がなく、なんなら高い金利でも借りてくれるB社に2,000万円を貸せばいい、ということにもなりがちです。やっぱり、A社は融資が受けにくくなります。

したがって、世の中の金利が上昇しているのに、あまりムリをいって金利を下げようと交渉しすぎると、銀行からは嫌われることは理解しておきましょう。金利が上がれば、銀行のほうが立ち場は強くなるのです。

運用をしたほうが儲かる

世の中の金利が上がれば、銀行は「融資」をしなくても、「運用」すればいい、という発想が生まれます。融資は審査・手続きに手間がかかるし、運用のほうがラクだということもあるでしょう。

だとすれば、ムリをしてまで、リスクがある会社に融資をする必要もありません。金利が上がれば、返済が難しくなる会社が増えるのは前述したとおりです。金利が上がると、リスクがある会社も増えます。

ならば、融資をするよりも安全で、手間も少なくてすむ運用をしたほうが儲かるよね、と銀行が考えるのは自然なことです。なかには、その姿勢が顕著にあらわれる銀行もあるでしょう。

では、そのような銀行と取引をしている会社はどうなるか?もちろん、融資が受けにくくなります。よって、今後は「銀行選び」も重要です。

自社が取引している銀行が、どのような姿勢でいるか。融資に対する積極性はどうなのか。

各銀行が公表しているディスクロージャー誌に目を通したり、金融庁が公表している銀行に関するデータにも目を通したり、あるいは、銀行担当者と話をすることで、その銀行の方向性を探ったり、といった銀行対応が必要になるものと考えます。

「いままでお付き合いをしてきたから」という理由だけでは、今後の銀行選びは不十分です。

まとめ

長い目で見れば、日銀の利上げが進むことは間違いないでしょう。だとすれば、銀行融資が受けにくくなります。では、その理由を社長は理解していますか?と、そんなお話でした。

理解しないままでいると、これまでは融資が受けられていたとしても、これからは融資が受けられなくなるかもしれません。いまのうちから、利上げを念頭に置いた銀行対応を考えましょう。

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