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黒字のときこそ銀行融資を受ける、4つの視点

黒字のときこそ銀行融資を受ける、4つの視点

黒字のときこそ銀行融資を受けましょう。といっても、ただ融資を受ければよいというわけでもありません。4つの視点で銀行融資を考える必要がありますよ、というお話です。

目次

実践しているのかとなると

決算書が黒字のときこそ、銀行融資を受けましょう。と聞いて、どうおもわれますか?あたりまえだ!と、おもわれるのか。それとも、黒字なのにわざわざ融資を受けるなんて…と、おもわれるのか。

おすすめは前者です。つまり、黒字のときこそ融資を受ける。ただし、それがあたりまえだとおもってはいても、「実践しているのか」となるとハナシは別だといえます。

実際のところ、赤字のときこそ融資を受けている会社が少なくないからです。赤字になって、資金繰りに困ってから、融資を受けなければと、あわてて銀行に相談をしています。

また、黒字のときこそ融資を受けるといっても、「ただ融資を受ければよい」という単純なハナシでもありません。そこには、少なくとも4つの視点があります。具体的には次のとおりです↓

黒字のときこそ銀行融資を受ける、4つの視点
  • 融資額の拡大
  • 設備資金の借入
  • 融資条件の改善
  • 取引銀行の開拓

このあと、順番に解説をしていきます。

黒字のときこそ銀行融資を受ける、4つの視点

融資額の拡大

ここでいう「融資額の拡大」とは、これまで借りたことがある最大額を、さらに大きくしましょう、ということをあらわします。

銀行は、過去の実績を重視するものです。過去、1,000万円まで貸したことがある会社に対しては、その後も1,000万円までは貸してもだいじょうぶだろう、と考えます。

いっぽうで、1,000万円を超えて貸し出すことには慎重です。過去、それだけの額を貸したことがないので、返済してもらえるかどうかがわからないから、というのがその理由になります。

それでも、1,000万円を超えて借りられるようにするには、会社はどうしたらよいのか。銀行の心配(=返済してもらえるか)が少しでも小さくなるときに、借りようとすることです。

そして、黒字のときが、銀行の心配が小さくなるときにあたります。だったら、黒字のときこそ、融資額の拡大を狙って、融資を受けるようにしましょう。そういうことです。

いちど融資額を拡大できれば、その額が水準になりますから、より多くの融資を受けられるようになることで、より多くのおカネを手元に置くことができる(預金が増える)ようになります。

設備資金の借入

融資を受けるには、資金使途が必要です。その資金使途は、大きく2つに分かれます。設備資金と運転資金です。このうち設備資金は、設備投資をするために借りるおカネです。

では、設備資金の返済原資はなんなのか?利益です。厳密には、「設備投資によって増える利益」なのですが、それは「将来の利益」であり、銀行は「不確かな利益」と見ています。

そこで、銀行は「現在の利益」として、決算書の利益も見ているのです。つまり、設備資金の融資を検討するにあたり、決算書の利益が大事になる。黒字だと借りやすい、ということになります。

ところが、赤字のときに「起死回生」を狙って、設備投資をしようと考える社長も少なくありません。黒字のときには「いまはだいじょうぶだ」と考えて、設備投資をしようとせずに、です。

これでは、設備資金の融資は受けにくくなりますし、設備投資もできずに、将来の利益は先細ってしまいます。何がいいたいのかというと、「黒字のときこそ、設備投資をしましょう」ということであり、黒字のときこそ設備資金を借りるチャンスだということです。

融資条件の改善

決算書が黒字であるほど、多くの銀行が「貸したい!」と考えます。「黒字=返済力がある」というのが銀行の見方なので、黒字の会社に銀行は融資をしたいのです。

よって、決算書が黒字であるほど、銀行に対する自社の立場は高くなります。多くの銀行が「貸したい!」と考えるのであれば、銀行どうしを競わせることができるからです。

たとえば、銀行に対して「もっと金利を下げてほしい」という要望もとおりやすくなります。下げてもらえないのであれば、ほかの銀行から借りるという選択肢があるからです。

金利のほかにも、いろいろな融資条件について、自社の要望がとおりやすくなります。返済期間をもっと長くしてほしいとか、信用保証協会の保証や経営者保証はなしにしてほしいとか、担保はなしにしてほしいとか。

赤字のときにはとおらないようなことでも、黒字のときであれば、とおる可能性が高まります。ですから、いま資金繰りに余裕があったとしても、黒字のときこそ、あえて融資を受けることで、融資条件の改善をはかりましょう。

取引銀行の開拓

前述した融資条件の改善をするにも、前提があります。それは、複数の銀行から融資を受けていることです。逆に、1つの銀行からしか融資を受けていなければ、銀行からは足元を見られます。

どうせほかに借りられる銀行もないのだからと、銀行に有利な融資条件ばかりを提示されることになるでしょう。だから、そうならないように、複数の銀行から融資を受けておくことです。

とはいえ、融資を受けたことがない銀行から、はじめて融資を受けるのもカンタンではありません。銀行は、はじめての相手を警戒するからです。

その警戒を少しでもやわらげるのに役立つものが、黒字だといえます。

ところが、実際には赤字になってから、既存の取引銀行に融資を相談して断られ、しかたなくほかの銀行を探し始める…という会社もあります。はじめての相手であり、そのうえ赤字であれば、銀行が警戒を強めるのも当然です。よって、融資は断られることになります。

以上をふまえて、取引銀行の開拓をするなら黒字のときこそ、と覚えておきましょう。黒字のときこそ、これまで融資を受けていない銀行に、あえて融資を相談することです。

まとめ

黒字のときこそ銀行融資を受けましょう。といっても、ただ融資を受ければよいというわけでもありません。4つの視点で銀行融資を考える必要がありますよ、というお話でした。

黒字のときには、それら4つの視点を思い出せるように、実践できるようにしておきましょう。

黒字のときこそ銀行融資を受ける、4つの視点
  • 融資額の拡大
  • 設備資金の借入
  • 融資条件の改善
  • 取引銀行の開拓
黒字のときこそ銀行融資を受ける、4つの視点

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