融資を決めるのは銀行(組織)だが、進めるのは担当者(個人)

融資を決めるのは銀行(組織)だが、進めるのは担当者(個人)

融資を決めるのは銀行という組織だけれど、融資を決めるまでの話を進めるのは銀行担当者という個人である。あたりまえの話ではありますが、会社が融資を考えるうえでは大事なポイントです。

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そんなのあたりまえでしょう

会社の銀行融資について。1つの事実として知っておくべきこと、それが「融資を決めるのは銀行だが、進めるのは担当者」です。

つまり、ある会社に融資をするかどうかの最終判断をするのは、銀行という「組織」ではあるものの、最終判断にまでもっていく過程において、話を進めるのは銀行担当者という「個人」である。

と、そんなお話をしています。これを聞いて、「だから何?そんなのあたりまえでしょう」と、おもわれたかもしれませんが。そのあたりまえが大事だったりします。

なぜなら、銀行担当者しだいでは、銀行という組織の判断を待つまでもなく、融資が受けられないなんてこともありうるからです。極端をいえば、会社が銀行担当者に融資の相談をしても、その担当者に話を進める気がなければそれでおしまい、ということになります。

この点、外から見ている分には、銀行から融資を断られたのか、担当者に進める気がないのかはわからないこともあるわけで。だとすれば、まずは、銀行担当者に話を進めてもらうことが必要だとわかります。

担当者に話を進めてもらうためにどうするか

まずは、銀行担当者に話を進めてもらうことが必要だといいました。そのためには、どうしたらよいかを考えてみます。端的にいえば、銀行担当者が話を進めやすくなるように、会社が対応をすることです。具体的には?というところで、3つほど挙げてみます。

情報を提供する

銀行担当者に対して、積極的に情報を提供しましょう。たとえば、融資の相談をするときには、試算表、資金繰り表、既存借入金一覧表は、いわれずとも提示するとか。

要は、銀行担当者が融資を進めるにあたり、稟議書を作成するにあたり、ほしいであろう情報は、会社のほうから自主的・積極的に提示しましょう、ということです。

すると、銀行担当者は融資を進めやすくなります。銀行員は忙しいので、スムーズに進められる案件を好みますし、優先するものです。自身の成績にもつながりますし、当然でしょう。

いっぽうで、ほしい情報をお願いしても、なかなか提示してくれない会社(試算表ができてないとか)や、提示できない会社(資金繰り表がつくれないとか)は、後回しになりがちです。

資金繰り表や借入金一覧表などは、会社がつくれなければ、代わりに銀行担当者がつくることもありますが、手間と時間がかかることであり、後回しにされる可能性が高まります。

なので、早く融資を進めてほしいのであれば、まずは情報を提供するところからです。それもできずに、「ちっとも融資の話が進まない」「融資が受けられない」というのでは、銀行担当者の実情に対する理解が不十分だといえます。

接点をつくる

前述の情報提供に付随して、銀行担当者との接点をつくることも重要です。定期的に、銀行担当者と会う機会をつくり、そのなかで自社の状況を伝えていきます。

すると、いざ融資の相談をするときにも、「経緯」がわかっている分だけ話がスムーズです。逆に、ふだんはまったく接点がなく、急に融資の相談をするとどうなるか?

当然、銀行担当者は経緯の把握からはじめなければならず、「メンドーだ」ということにもなるでしょう。メンドーなものを後回しにしたくなるのは、銀行員に限ったハナシではありません。

なお、自社の状況を伝えるというときの、「自社の状況」には、「自社の商売」も含まれます。自社が、誰に・何を・どのように売っているのか、という事業内容です。

銀行担当者との接点が少ないと、銀行担当者はおもいのほか、自社の商売を把握できていません。商売の内容もわからずに、銀行も融資判断はできませんから、融資が受けられない原因にもなってしまいます。

この点、銀行担当者は「いまさら、商売の内容を聞いたりしたら社長に怒られそう…」などと考えているようで、言い出しにくいものだ。というハナシを、銀行員の方から聞いたことがあります。

なので、やはり会社のほうから自主的・積極的に伝えていくのがよいでしょう。

円満に付き合う

銀行担当者とは、円満なお付き合いを心がけましょう。などといえば、「あたりまえだ」とおもわれるはずです。ところが実際には、銀行員と円満に付き合いができていない会社もあります。

たとえば、社長の銀行担当者に対する態度が横柄であったり、銀行担当者との約束を破ったり。社長のほうには自覚がなくても、銀行担当者のほうは気分を害していることはあるものです。

気分を害した人間がどうなるかはわかるでしょう。気分を害してくるような相手を、積極的に支援をしたくなくなるのは自然なことです。そうして、融資の話は進みにくくなります。

銀行融資は、最終的には「組織対組織(銀行対会社)」ではあるものの、その前段は「人対人(銀行担当者対社長)」です。人が動かなければ、組織は動きませんから、銀行担当者とは円満に付き合うことを心がけましょう。

いっぽうで、人対人である以上、「相性」もあります。なかには、どうしても相性が合わない銀行担当者がいるかもしれません。そのときは、別の銀行とお付き合いをすることです。

相性が合わない担当者もいずれは異動になります。それまでのあいだは、別の銀行からの融資を増やすことでしのぐ、ということです。そのためにも、ふだんから複数の銀行とお付き合いをしておきましょう。

まとめ

融資を決めるのは銀行という組織だけれど、融資を決めるまでの話を進めるのは銀行担当者という個人である。あたりまえの話ではありますが、会社が融資を考えるうえでは大事なポイントです。

銀行担当者に話を進めてもらいやすくなるように、会社がとるべき対応を押さえておきましょう。

融資を決めるのは銀行(組織)だが、進めるのは担当者(個人)

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