” フリーランスはいいよ〜 ”
とばかりも言えないか… だって、会社員にも「よいところ」はあるからね。というわけで、「会社員のよいところ」についてのお話です。
フリーランスのほうがいい!とばかりも言えない「会社員のよいところ」
会社員を辞め、フリーランスとして独立開業してから2年とちょっとになります。
今現在、「フリーランスになってよかった!」という思いがあります。フリーランスもよいものです。
そう、「フリーランスも」よいけれど。「フリーランスが」必ずしもよいものではありません。というのが、実際にフリーランスになったわたしの考えです。
会社員にだって、当然よいところはある。そんなお話をしていきます。わたしが考える、会社員のよいところとは次の5つです ↓
- 毎月、お給料がもらえる
- 仕事が決まっている
- 誰かに任せることができる
- 有給で休める
- 社会的信用がある
それでは、このあと順番に見ていきましょう。
毎月、お給料がもらえる
会社員をしていると、「当たり前すぎて」なんとも思わないかもしれませんが。毎月、決まった金額のお給料をいただけるのは会社員のよいところです。
この点について、会社だって倒産してしまうかもしれない、リストラの憂き目にあうかもしれない。そうなれば、お給料もなにもないではないか。という意見もあるでしょう。
けれども、フリーランスの収入の「不安定さ」に比べれば。会社員のお給料はまだまだ安定しているものです。事実、フリーランスの収入は、毎月カンタンに変動します。
会社員をしていたころは、あしたのお給料が不安で夜も眠れない…なんてことはありませんでしたが。フリーランスになってからは、眠れない夜があります。
いや、ちゃんと眠るんですけどね、最終的には。ただ、夜な夜な考え込んでしまうことは「しばしば」ある、ということです。
だから、あしたの収入を想い、日がないろいろと策を講じてはみるものの。開業して2年経った今もなお、「不安定な収入」の悩みがゼロになることはありません。
それを見ると、「不安定」であることに対する理解とストレス耐性(ある部分では楽しんでしまうくらいの)が、フリーランスには必要だ。わたしはそう考えています。
収入をコントロールできる(増やす、抑える、など)チャンスがあるのがフリーランスのよさ。いっぽうで、収入に安定感・安心感を抱けるのが会社員のよさです。
仕事が決まっている
会社員には、会社によって与えられた(命じられた)仕事があります。営業の仕事、事務の仕事、製造の仕事、販売の仕事、開発の仕事、管理の仕事などなど。
これら会社から与えられた仕事は「やらなければいけない」、ということではありますが。別の言い方をすれば、「与えられた仕事だけをやればいい」ということでもあります。
では、フリーランスはどうかというと。あらゆる仕事をやらなければいけません。
営業しなければお客さまは増えないし。営業ばかりではなく、経理などの事務もやらなきゃ、新しい商品・サービスの企画もやらなきゃ、です。もちろん、商品販売・サービス提供するのも自分です。
場合によってはアウトソーシング(外注)という選択肢はありますが、その選択をしなければいけないのはフリーランス自身です。あらゆる仕事に対して、無関心ではいられません。
たとえば、確定申告を前にあたふたするフリーランスの姿があります。税金や経理のことなんて、いままで経験がないし… と、いったところでしょう。
けれども、いち事業者として、確定申告をやらなければいけない。知識や経験の有無はさておき、経理の仕事もやらなければいけない。それがフリーランスです。
そのように、「自分でなんでもかんでも」というのは厳しいなぁ、苦手だなぁ、ということであれば。仕事が決まっている、仕事の範囲が限られていることは、会社員のよさになります。
誰かに任せることができる
会社であれば、たとえば、上司は部下に仕事を「任せる」ことができます。任せる、これは自分の他にも人がいるからこそできる会社員のよさです。
ひとりでは厳しいこと、難しいことを「人手」でカバーできるのは会社の強みだ、とも言えます。
フリーランスは…? 「人に任せる」という選択肢はありません。自分しかいませんからね。
フリーランスにできることは、同じ「任せる」でも、ITに任せるとか、おカネを払って人に任せる(外注)とか。いずれにせよ、身近に「人的資源」はないのです。
人が居ない、ということは。人の「目」がない、ということでもあります。上司が面倒を見てくれることもありませんし、自分の仕事をチェックしてくれる人もいません。
フリーランスは、その心細さに耐え、自ら成長・管理に努めなければいけません。そう考えると、教育や管理という面でのよさが、会社員にはあります。
ちなみに、教育や管理をする側となると、こんどは「負担」という一面が生じます。いわゆる管理職にとって、「誰かに任せる」ことは教育や管理の負担と隣り合わせでもある。ということを、経験則から申し添えます。
有給で休める
有給休暇。休んでいるのに、お給料をいただくことができるのですから、やっぱりこれは会社員のよさのひとつです。
いやいや、有給休暇なんて取れないのだけど。というのは、また別の話です。本来、会社員には有給休暇が認められている。以上、としか言えません。
法律で定められた有給休暇のほかにも、短期の病欠などについて「温情的に有給」としてくれる会社もあったりします。ありがたや、ありがたや。
フリーランスはフリーランスで、休暇届もなしに好きに休むことができますが。その日の無収入は覚悟をしなければいけません。
また、病気やケガについての社会保障も、会社員のほうが手厚くなっています。社会保険制度によるサポートに加えて、会社独自のサポートも期待できます。
この点でも、会社員の収入は安定しやすいし、フリーランスの収入は安定しにくい、と言えます。
「休む」ということについては、病気や怪我などいつ休むことになるかはわからない部分もあるのですから。休むことによる減収リスクを考えれば、会社員には有給のよさがあると言えます。
社会的信用がある
晴れて独立開業。きょうからオレも・ワタシも、一国一城の主だぁぁ! と叫んでみたところで。社会の目は「かなりシビア」なものです。
クレジットカードの審査にたびたび落ちる、ローンを組ませてもらえない…などなど。フリーランスの社会的信用(の無さ)を痛感する瞬間です。
なので、独立開業すると決めたら、会社員であるうちにクレジットカードをつくっておく、必要なローンは組んでおく(住宅ローンの借り換えなども含めて)ことです。
それはさておき。会社員には、フリーランスに比べて、圧倒的と言ってもよい社会的信用があります。その社会的信用の正体が「会社からのお給料」です。
会社員には、継続的・安定的なお給料がある。世間は、会社員をそのように評価しています。勤め先が大企業であるなど会社の信用が高いほど、評価も高まります。
社会的信用が高いことは会社員のよさである、ということを理解すると同時に、会社員は「会社の看板(信用)」によくよく感謝をしなければいけない。
それをわたしがほんとうに理解したのは、会社をやめたあと、フリーランスになってからです。当時感謝が足りなかったことについては後悔をするばかりです。気をつけましょう。
まとめに代えて それでも「いちどは」独立開業してみる
フリーランスのほうがいい!とばかりも言えない「会社員のよいところ」について、お話をしてきました。
冒頭で触れたとおり、フリーランスもよいけれど、会社員にもよさはある。それぞれのよさを理解したうえで、どちらを選ぶかです。
けれども、その「よさ」は、実際に経験をしてみなければ、ほんとうに理解をできるものではない。それが、わたしがフリーランスになってみて感じていることです。
わたしは独立開業以前18年間、会社員をしていましたが、その間、フリーランスになろうと考えたことはいちどもありません。
それがいまでは、「フリーランスはいいよね」なんて言っているのですから、食わず嫌いもはなはだしい。もっと早く独立できていれば… とさえ思います。
そんな食わず嫌いをせずに、いちどは独立開業してみる、フリーランスになってみる、というのも、長い人生にあってはよいのではないか。そういう意見を持っています。
そのうえで、会社員をとるかどうかは、それぞれ個人の選択です。「今」に執着せず、思い切って選択肢を広げてみるのはいかがでしょう。
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きょうの執筆後記
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