お客さまからご依頼をいただき、「新入社員研修」をさせていただきました。
というわけで、先を行く者として伝えられることについて考えてみました。
久しぶりに「新入社員」と接してみて、というハナシ。
先日、お客さまからご依頼をいただき、「新入社員研修」をさせていただきました。初々しい男性社員2名と女性社員が1名です。
ひとり税理士(≒フリーランス)になって3年。考えてみれば、「新入社員」と接するなんて、ずいぶんと久しぶりじゃないか。と、貴重な機会でもあったわけです。
して、その研修の内容は以下の3本立て、朝から夕方までみっちりと ↓
- 新入社員のための給与明細入門講座
- 新入社員のためのPowerPoint入門講座
- 新入社員のための勉強に対する考え方講座
給与明細とPowerPointはともかく、「勉強に対する考え方」ってなんだそれ? ということかもしれませんが。
わたしの失敗体験と成功体験を踏まえて、「いまから勉強グセをつけたほうがいいよ。勉強しないと仕事はツラくなるし、勉強すれば仕事は楽しくなるから」と、そんなハナシです。
それはそれとして。その新入社員研修をするなかで、「先を行く者として伝えられること・伝えられたこと」はなんだろう? と考えました。
ただこれはなにも、今回のような新入社員研修に限ったことでもなく。ほかにも、先を行く者として伝える、という場面はあるでしょう。
たとえば、すでに独立開業している人が、これから独立開業する人に向けて、とか。税理士のわたしが、これから税理士になろうとする人に向けて、とか。
はたまた、ランニングなんてまったく無理… という人に向けて、そこから始めてフルマラソンまで走るようになったわたしから、とか。いろいろです。
そういういろいろな場面も含めて、「先を行く者として伝えられること」についてお話をしてみます。次の5つです ↓
- あたりまえに知っていること
- 成功例と失敗例
- 可能性と成れの果て
- 長期目線の大切さ
- 賛成と後押し
それでは、このあと順番に見ていきましょう。
先を行く者として伝えられること
あたりまえに知っていること
今回、新入社員研修を実際にやってみて感じたことのひとつに「そんなことも知らないのか」があります。
わたしが話をすることについて、新入社員は「わたしの想定以上」に知らないし、わかっていない。
と言っても、新入社員に対して「ダメだなぁ」というハナシではありません。単純に、「そんなことも知らないのか」との驚きです。
しかし、よくよく考えてみれば、かたや社会人なりたての新入社員と、かたや社会人 20年を超えるわたしです。新入社員が、そんなことも知らないのは当然でしょう。
なにが言いたいのか、というと。「そんなことは知ってるだろう」とのこちらの思い込みで、ずいぶんと出し惜しみしている・してきたことがあるのではないか? そういうことです。
いまさらですが、会社員時代を振り返ってみて。新入社員に対して「そんなことも知らないのは当然」との理解のもと、じゅうぶんに伝えることができていたろうか?(いや、できていない)
いまのわたしは「ひとり」ですから、新入社員はいないわけですが。日々のブログ執筆もまた、新入社員に向けて話をするのと本質的には同じです。
たとえば経理や税金、銀行融資についての記事は、それらに不慣れ・未経験の方からすれば、わたしが「先を行く者」としてお伝えをできることだと言えます。
そんなことは知っているはず、とは思わずに。出し惜しみをせず。わたしがあたりまえに知っていることを伝えていこう。あらためて感じたところです。
成功例と失敗例
社会人経験ゼロの新入社員に対して、わたしには社会人経験 20年という「経験」があります。
経験のなかには、多かれ少なかれ成功例と失敗例があるわけで。これは、先を行く者が実際に経験したからこそ伝えられることです。
たとえば、「入社当初から計画的に勉強していたので、20代で税理士になれました」とか、「その後は勉強をおろそかにしたので、いま〇〇ができなくて苦労をしています…」とか。
単なる身の上話のようにも思えて、わざわざ口にするのもはばかられるところだったりもするのですが。それはそれで、目標や教訓にはなることでしょう。
成功例については「よし、じぶんもそうなろう!」、失敗例については「そうか、気をつけよう」ということですね。
わたし自身、ひとり税理士になるにあたり、そして、なってからも。ひとり税理士の諸先輩方が伝えてくれる成功例・失敗例を、目標や教訓にさせていただいています。
そう考えると、先を行く者の身の上話も貴重なわけで。会社員時代に先輩からなんども聞かされた(←失礼)武勇伝が、なつかしく思い出されるいまです。
可能性と成れの果て
さきほど、成功例と失敗例という話をしました。これらを言い換えるならば、「可能性」と「成れの果て」です。
つまり。これから行こうとうする者から見て、成功例はみずからも行けるかもしれないとの期待を込めた「可能性」であり。
いっぽうで、失敗例はじぶんも道を誤ればたどり着くであろう「成れの果て」だと言えます。
可能性にしても、成れの果てにしても。先を行く者は、自身のいま・自身の姿を通じて「将来のイメージ」をより具体的に示すことができます。
身をもって「可能性に満ちた将来と、成れの果てに堕ちた将来と、どちらを生きたいか?」を迫ることができます。
もちろん、なにを選ぶのかは本人が決めることではあるけれど。迫力ある選択の「機会を提供できる」のは、先を行く者だからこそではないでしょうか。
長期目線の大切さ
目の前の「いま」に流されてしまう、ということがあります。わたしも、たびたびあります。
いま楽しいほうへ、いまラクなほうへ、いまカンタンなほうへ。すると、いまはそれでいいけれど、あとになって苦労をしたり、後悔をしたりが多くなる。
いっぽうで、いまがんばる、いまガマンする、いま難しいことにチャレンジすると、その先に成果や達成を得られる可能性が高くなる。
さきほどまでの成功例と失敗例で言えば、失敗例の裏には「いま」に流された過去があり、成功例の裏には「いま」に流されずに耐えた過去がある。ということは少なくないように思います。
この点で、先を行く者は「長期目線」の大切さを伝える説得力が大きい、と言えるでしょう。
前述した「選択」だけでは、その先の成功には不足があります。選択しただけで、そのあと「いま」に流されれば成功はありません。
だから、いちど選択をしても、そのあとがだいじ。成功例・失敗例の事実があるからこそ、「長期目線」にも説得力が得られます。
賛成と後押し
新入社員研修をさせていただいたあとに、それぞれの新入社員の方から感想・お礼のメールをちょうだいしました。
そこには、それぞれが重要だと感じた点、それを受けて、これからなにをしていこうと考えているかが書いてありました。
それを読んだわたしにできること、わたしが伝えられることは、「賛成」と「後押し」です。
わたしもまた重要だと考えることには「賛成」の言葉を。そして、これからしていこうと考えていることには「後押し」の言葉を。
平たくいえば、「それ、いいね」「やってみよう、やってみて」ということです。それを返信として送りました。
思えばわたしも、諸先輩方からの「賛成」と「後押し」があって、いまがあります。背中を押してもらったから踏み出せたところがあるのです。
その「賛成」や「後押し」は必ずしも直接的なもの・相対のものだけではなく、書籍やブログを読んでみて、セミナーに参加してみてということも少なくありません。
わたし自身が受けた「賛成」と「後押し」、少しでもその恩返しをする。そういう心持ちで、日々のブログやセミナー開催なども続けていきたいな、と考えています。
まとめ
新入社員研修をしてみて感じた、「先を行く者として伝えられること」についてお話をしてきました。
新入社員研修に限らず。先を行く者として伝える、という場面はさまざまあるものです。
久しぶりに新入社員と接してみて、なにを伝えられるかをあらためて考えるよい機会になりました。
- あたりまえに知っていること
- 成功例と失敗例
- 可能性と成れの果て
- 長期目線の大切さ
- 賛成と後押し