2019年も上半期が終わりました。この6ヶ月でわたしが読んだ本は 88冊。
そんな 88冊のなかから、独断と偏見で「おすすめ本」を選んでみました。というお話です。
2019年上半期「88分の5」で選ぶジャンル別おすすめ本
本を読むのが好きです。
「1日が 25時間になったら、増えた1時間で何をしますか?」と聞かれたら。わたしは迷わず「本を読む」と答えます。
ちなみに、1日が 25時間になるというハナシはいまのところありません。
それはそれとして。1日 24時間という現状のなか、わたしの読書量はおおよそ「2日に1冊」です。
結果、2019年の上半期(1月〜6月)の 181日間で読んだ本は 88冊。
「たくさん読めばいい」ということでもありませんが、「読まなければ始まらない」であろうこともあり。88冊という数字には、じぶん的に満足をしています。自己満足。
そんな 88冊のなかから、独断と偏見で「おすすめ本」を選んでみました。5つのジャンル別に、それぞれのベスト本。次の5冊です ↓
- 【時間管理部門】When 完璧なタイミングを科学する
- 【健康管理部門】パレオダイエットの教科書
- 【IT部門】そのまま使える経理&会計のためのExcel入門
- 【会計部門】会計の世界史
- 【銀行融資部門】NOをYESに変える「不動産投資」最強融資術
上記の5冊について。わたしが選ぶ「著者の名言」を引用しつつ、ご紹介をしていきます。
【時間管理部門】When 完璧なタイミングを科学する
「いつやるか?」の重要性をテーマにして書かれた本です。いつやるの? いまでしょ。はいはい。
同様のテーマで書かれた本はほかにもありますが。「科学的根拠にもとづいている」というのが、この本の価値とおもしろさです。
いつやるか、つまり、ものごとのタイミングについて、さまざまな研究や統計・分析結果を引用しながら解説されています。
たとえば。人の感情は午前中にポジティブ、お昼を挟んで午後にネガティブ。夕方以降に再びポジテイブ、という研究結果があるとのこと。
この点で、午後になってから「込み入った判断」を要するような会議となると。雰囲気はネガティブ、会議としての生産性は悪くなる。ゆえに、そのような会議は午前中に、となります。
ほかにも、休憩やら運動やら、ものごとをスタートするタイミングやら。日常に活かせる内容が盛りだくさんです。
なにをいつやるか。意外と「なんとなく」で決めていることもありますよね。いちど科学的根拠にもとづいて見直してみるのはいかがでしょうか。
というわけで、さいごに著者のダニエル・ピンクさんの名言を ↓
タイミングがすべてだと誰もが知っている。ただ、わたしたちがタイミングについてよく知らないことが問題なのだ。人生は「いつ」という決断を際限なく突きつける。…中略…
だが、こうした決断の大半は、直感や当て推量といった曖昧模糊としたものによって下される。タイミングはアートだと思われている。
【 When 完璧なタイミングを科学する / ダニエル・ピンク著 より引用 】
【健康管理部門】パレオダイエットの教科書
文字どおりのダイエット本です。ですが。本書のサブタイトルにもあるように「一生リバウンドしない」という点で、他の多くのダイエット本とは一線を画しています。
「痩せたい」という人にとって魅力的なのは「いますぐ痩せる」です。ムリなダイエットの結果、「いまだけ痩せる」に終わることは少なくありません。リバウンド王に俺はなる!ならなくてよろしい。
この本では、「人間はもともと太らないようにできている」という人間本来の身体の機能・しくみに注目しています。
言い換えると。いま太ってしまうのは、その機能・しくみに逆らって毎日を過ごしているからです。
パレオダイエットの「パレオ」とは、「旧石器時代」を意味する「パレオリシック」の略。パレオダイエットとは「旧石器時代の食事法」だ、というのが本書のキモになります。
考えてみれば、わたしたちは「ここ最近」でおかしなものを食べすぎている。じゃあ、なにを食べたらいいのか? の目安として、著者の鈴木祐さんはこう言っています ↓
いま100才のお婆ちゃんが、10代のころに食べていたか? と考えてみてください。
【 パレオダイエットの教科書 / 鈴木祐・著 より引用】
糖質制限やカロリー制限といった単純なことではなく。加工食品ばかりの食事を改める、不摂生に過ぎる生活を改める。その重要性と具体的方法が、科学的根拠に基づいて書かれています。
「痩せたい」よりも「ずっと太りたくない」と考えているわたしには、たいへん有意義な一冊となりました。「いまだけ痩せる」に懲りた人におすすめです。
【IT部門】そのまま使える経理&会計のためのExcel入門
タイトルだけを見ていると「経理・会計に特化したExcel本」のようではありますが。本書はそんな底浅いものではありません。
むしろ、多くの人にとって無関係ではいられない、大きなテーマが根底にある。と、わたしは感じています。そのテーマは「アウトプット」です。
この点について、著者の井ノ上陽一さんは次のように言っています ↓
残念ながら、経理業務がインプットで終わっているようなケースが多く見受けられます。取引を入力するインプットという作業で時間がかかってしまうからです。その後の集計は会計ソフト任せ、アウトプットはプリントアウトだけになってしまっては意味がありません。
【 そのまま使える経理&会計のためのExcel入門 / 井ノ上陽一・著 より引用 】
経理・会計の分野に限らず、似たようなこと(インプットで力尽きる…)はいたるところで起きています。その状況に警鐘を鳴らし、状況を変えるための知恵と技術が記された一冊です。
「関数」や「ショートカットキー」などをうまく使って、かけるべきでない時間(インプット)はできるだけ少なくする。節約できた時間を「アウトプット」に使う。
任せるべきはIT(Excel)に任せて、人間(じぶん)はなにをやるのか? という考え方は、経理・会計の分野に限ったことではありません。これからの時代に必要な考え方でしょう。
ちなみに本書から学んだお気に入りテクニックは、VLOOKUPとCOLUMNを組み合わせたデータ連動。はじめてみたときは衝撃でした。
いろいろとじぶんのアイデアの乏しさを思い知る、という意味では泣けてくる本です。 オロロロロ… そっとしておいてやってください。
【会計部門】会計の世界史
「うんざり」してしまう人が多そうなタイトルの本です。世界史、しかも会計の… おまけに 400ページ超の分厚さときています。
ところがどっこい、さいごまでスラスラと楽しく読めてしまうのがこの本のスゴさです。
会計について学ぼうとするとき、多くは「HOW(方法)」に終止します。「HOW」の背景にある「WHY(理由)」が語れることはほとんどない。
ゆえに、細かい計算やらルールやらばかりの勉強に辟易してしまうわけです。この点について、著者の田中靖浩さんは次のように言っています ↓
簿記を勉強している人のほとんどは、簿記がイタリア発祥であることを教わらず、経理担当者は減価償却が鉄道会社からはじまったことを知りません。
公認会計士や税理士でもディスクロージャーのはじまりに「JFKのお父さん」がかかわっていることを知る人は少ないはずです。
【 会計の世界史 /田中靖浩・著 より引用 】
わたしもまた、そんなことは知らずに簿記やディスクロージャーについて勉強してきました。HOWばかりを詰め込む毎日は辛いものです。
この本では、誰もが知っている世界的「名画」や「発明」「名曲」と、会計の歴史とをからませることで楽しく「WHY」を学ぶことができます。
WHYを知るとHOWに対する理解も深まる。勉強も楽しくなる。すでに会計に携わる人にも、これから携わろうとする人にも、おすすめの一冊です。
【銀行融資部門】NOをYESに変える「不動産投資」最強融資術
タイトルに「不動産投資」とはありますが。不動産投資をするのではなくても、銀行融資の「本質」や「基本」を学べる本としておすすめです。
したがって、会社で融資を受けている・受けようとしている社長さんなどが一読をされるのもよいでしょう。
銀行融資に関する書籍はたくさんありますが、その多くは元銀行員や税理士・コンサルタントなどの専門家により書かれています。
いっぽうで、この本は「利用者(おカネを借りる側)」の体験をもとに書かれているのが大きな特徴です。著者の安藤新之助さんは、次のように言っています ↓
ただ、何度も断られているうちに、「こう言われたけど、ああ返すべきだったのでは」「こんな対応されたけど、こう準備すればよかったのでは」と段々了見がわかってくるものです。
【 NOをYESに変える「不動産投資」最強融資術 / 安藤新之助・著 より引用 】
本書に書かれているのは、何度も断られながら失敗と挑戦とを繰り返して身につけた「融資スキル」です。
銀行融資については「まったくの素人」でスタートした著者が書いているからこそ、素人の読者にも伝わる「わかりやすさ」がそこにはあります。
素人ゆえに抱える不安やら悩みやら、素人ゆえに考えてしまうことや行動してしまうことがようくわかる。このあたりは、元銀行員や専門家にはなかなか表現できないところです。
銀行のこと・融資のことを知りたいけれど、どの本もとっつきにくいんだよねぇ… という人におすすめの一冊です。