揺れや水濡れ、風などの特殊効果を体感しながらの映画鑑賞、「4DX」を初めて体験!
してきましたので、レビューします。鑑賞作品は「天気の子」です。
ひとあじ違う映画鑑賞をいちどは体験すべし
つい先日、初めて「4DX(フォーディーエックス)」で映画を觀てきました。
4DXとは。映像と音声だけではなく、揺れやら水濡れやら風やら各種の特殊効果を加えた体感型の映画鑑賞です。
それっていったいどうなんだろうね、と初体験をしてきましたので。その結果をレビューしてみます。はじめに結論をひとことで ↓
いちどは体験してみるのがおすすめ!
またそんな、優等生的な結論を… と思われるかもですが。体感型ということで、従来の映画とはやはりひとあじ違います。その「ひとあじ」を好む人もいれば好まない人もいるでしょう。
けれどもそれは体験してみなければ、ホントのところはわかりません。だから、「いちど」は体験してみるべし、がわたしの結論になります。そのうえで、細かい話はこのあとに続くわけですが。
4DX、気にはなっていたけどどうなのかなぁ…? どうしようかなぁ…? と初体験を迷われている人のご参考になりましたら幸いです。
ちなみに。今回わたしが4DXで鑑賞したのは、映画館が「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」。作品は、新海誠さん監督映画「天気の子」です。
作品によって4DXの特殊効果は異なるところですが、「天気の子」を前提にしたレビューでありますことをご了承ねがいます。
なお、以降は「天気の子」のネタバレが含まれる点にご注意ください。4DXの特殊効果がどのような「場面」で使われているかのネタバレを含みます。
ただし「場面」の紹介のみであり、「ストーリー」自体についてのネタバレはありませんことを申し添えます。
4DXの映画館内、座席のようす
はじめに、4DXの「設備面」を見ていきましょう。
今回わたしが鑑賞した「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」の「SCREEN8」、座席表はこんな感じでした ↓
わりとこじんまり、ですね。
A列だけ前にポーンと飛び抜けています。さぞかし首が痛くなりそうだ… と考えてしまいますが、特殊効果の恩恵をいちばん受けられそうなのが実はココでした。くわしくはのちほど。
「SCREEN8」の場内のようすを前方から撮影したのがこちらです ↓
さきほどの座席表を見てもわかるのですが、「4席でワンセット」になっています。そのワンセットで「揺れる」つくりだから、ですね。揺れについてくわしくは、やはりのちほど。
各座席の足元には「フットレスト(足を乗せる場所)」があります。座席が揺れるのに足ブラブラ(危ない)、というわけにはいきませんので ↓
やはり揺れるからでしょう、前後の座席間がスゴく広い。写真ではわかりにくいかもですが、わたしの「長い脚」を伸ばしても前の座席には届かないくらい広い (もちろんつまらない冗談です)↓
手元のドリンクホルダー付近には「スイッチ」があります。このスイッチで、「水(が顔めがけて吹き出す)」の特殊効果をON・OFF切り替えできるとのこと。ここへ来てOFFはいさぎが悪すぎる、というものですが ↓
そして、館内の壁面や天井には、通常の映画館では見たことがないような「機材」がいろいろと。これで風を起こしたり、水を撒いたり、ということですね ↓
4DXの特殊効果をレビュー(by 天気の子)
続いて、4DXによる各種の特殊効果について、「天気の子」の場面とともにレビューをしていきます。
なお、今回わたしが鑑賞した「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」にて表示されていた特殊効果がこちらです ↓
いろいろありますが、順番に見ていきましょう。
Motion(前後・左右・上下の移動と振動)
4DXの特殊効果のなかでも、とりわけインパクトが大きいのがコレでしょう。上映中、とにかく座席がよく動きます。
「天気の子」の場面でいうと、船に乗っているときの揺れをあらわしていたり、登場人物が走っているときの振動をあらわしていたり、バイクが急カーブを曲がる際に受ける遠心力をあらわしていたり。
ほかにも、登場人物の荒い息づかいにあわせて座席が動いたり、視点・風景の移動にあわせて座席が動いたりと、まるでじぶんが映画のなかにいるように感じられるしかけになっています。
とくに作品の後半、登場人物が空を飛ぶ場面。後述する「Wind(風)」の特殊効果と相まって、クライマックスシーンを通常の鑑賞以上に盛り上げてくれました!
場面によっては、ちょっと怖いくらい揺れることもありますので、アクションばかりの映画とかだとどうなっちゃうんだろう(ずっと揺れっぱなし?)というのは、気になるところです。
ほんとうに揺れるし、いつ揺れるかはわからないので、飲み物や食べ物には注意が必要です。と、映画館でもアナウンスをしています。
映画と言えばポップコーンとコーラ! なんて思いもしますが。4DXでは映画に集中! もよいでしょう。
Tickler・Shaker(背もたれ・足元のバイブレーション)
座席の背もたれや足元にバイブレーション(振動)のしかけがあります。
「天気の子」の場面でいうと、登場人物がふっとばされて地面に叩きつけられたときの衝撃をあらわしていたり(背中を突かれるような振動)、乗り物のエンジンの振動をあらわしていたり。
さきほどの「Motion」の特殊効果とあわせて、映像に臨場感を加えてくれますね。ホラー映画の4DXとかだと、めっちゃ怖いんじゃないでしょうか。怖いから見ないけど。
Water(顔や体への水しぶき)
前座席の背面あたりから、水てっぽう的な水しぶきがふりかかる特殊効果です。
これがくると、顔から上半身にかけてそれなりに濡れます。なので、手元のスイッチ(前述しました)でON・OFFができるのでしょう。
「天気の子」の場面でいうと、登場人物が水のあるところに突っ込むときなどに水しぶきが飛んできます。ビシャ!っと。わたしのようなメガネ着用者にはちときびしい。
そんなわけで、上映中は「来るか、来るのか?」となんとなく身構えてしまうのですが。頻度としては思っていたよりも少ないです。わたしがなにを思っていたのかはナゾですが、とにかく水が飛ぶ回数はそれほどでもない。
いやぁ、帰りにビショビショだったらどうしよう? なんて考えていたのですが、そこまでの心配は無用でした(「天気の子」の場合ですけど)。
ビショビショとは言えないまでも、水濡れを考えると「荷物」は気になりますよね(座席が動くので、足元に荷物を置くことはできません)。
今回わたしが鑑賞したユナイテッド・シネマさんでは、「コインロッカー(100円リターン式)」が用意されていました。
ロッカーは小さいので大きなリュックなどは入りませんが、そのような場合には係の方に預かっていただくことができるようです。
風(そよ風や強風)
水があれば風もある。「そよ風」から「けっこうな強風(かなりブワッときます)」まで、上映中はわりと頻繁に風が吹いていた印象です。
「天気の子」の場面でいうと、なにかしらの風が吹いているシーンはもちろん、嵐のシーンとか、さきほども触れた空を飛ぶシーンとか。やっぱり臨場感が増しますね、じぶんが映画のなかにいるような。
Rain・Rainstorm(雨・嵐)
「Rain(雨)」は水だけ、「Rainstorm(嵐)」は風と水とのミックスによる特殊効果です。
さきほどの「Water」と同じく水がらみなのですが、それとはしくみが違います。「Water」は前方からのピンポイントな水だったのに対して、「Rain・Rainstorm」は場内全体に対しての水、という違い。
ミストが撒かれるようなタイプと、上からポタポタくるようなタイプがあるようです。「あるようです」などと言うのは、上からポタポタくるタイプはあまりよくわからなかったからですね、はい。
ときおりポタッときたようにも感じますが、気のせいか? みたいな。
ゆえに、「Water」は明確に濡れますが、「Rain・Rainstorm」のほうはうっすら湿るていどです。
「天気の子」ではよく雨が降りますし、ときおり嵐のようにもなります。ということは、そのあたりの特殊効果がある4DXに最適の映画なのではないか? との思惑があっての今回の鑑賞でした。
実際に鑑賞をしてみて思惑どおりです。作品の内容・雰囲気が4DXでより伝わることがわかりました。実はいちど、通常(2D)の鑑賞もしているので、両者の比較はできています。
ですからもしも、「これから映画館に天気の子を見に行く! 」と言うのであれば。4DXでの鑑賞をおすすめします。これまで4DX未体験ならなおさらです。
4DXに似たものとしてMX4Dというものがあります。似ているようで違いがあり、その違いのひとつが「水まわり」です。
4DXには「Rain・Rainstorm(雨・嵐)」と「Water(水しぶき)」がありますが、MX4Dには「Water(水しぶき)」しかありません。
この点で。「天気の子」と言えば「雨」なので、「Rain・Rainstorm(雨・嵐)」が無いMX4Dではダメだ! と、今回は「4DX」の映画館にこだわりました。
作品によるとは思いますが、4DXとMX4Dの違いには気をつけましょう。映画館選びをするときに要確認です。
Snow(雪)
雨も降れば雪も降る。ただ「雪」と言っても、なんだか「泡」のようにも見えます。そういう感じの雪です。正直に言わせてもらえば、ちょっとザンネンな雪。
また、雪が降るのは場内の前方(スクリーン前)のみです。これが、場内全体に降るようだと、ちょっとステキかも… とは思います。
と、言うのはカンタンですが。やるほうにはムズカシイことがあるのでしょう、きっと。
雪が降らない映画だってあるだろうと考えると、4DXで雪のしかけが見れるのは貴重だと言えるでしょう。「天気の子」の名のとおり、作品中ではさまざまな天気を目にすることができます。
Bubbles(シャボン玉)
雨と雪に続き、こんどはシャボン玉を飛ばす特殊効果です。
「天気の子」に、シャボン玉そのものを飛ばすシーンはありませんが。水泡のようなものが画面いっぱいに舞うシーンがあります。その水泡にあわせて、シャボン玉を飛ばしているわけです。
意外なシャボン玉の使い方ではありますが、幻想的なシーンをよりいっそう引き立たせている4DXの好例ではないでしょうか。
Fog(スモーク)
スモークがモクモクします。とはいえ、「Snow(雪)」や「Bubbles(シャボン玉)」と同じく、場内の前方のみでの特殊効果です。
場内全体がモクモクしたりはしません。まぁ、そんなにモクモクしたら映画どころではなくなるのでいいんですけどね。
「天気の子」の場面で言うと、たしか霧がかったシーンでモクモクしていたように思います。どうやらそのあたりはうろ覚えです。でも、この特殊効果があったことはあった。
なぜに「あった」にこだわるのかと言うと、「なかった」と思われる特殊効果もあるからです。たとえば、次の「Sents(香り)」とか。
Sents(香り)
作品の場面にあわせて「香る」という特殊効果もあるようです。
今回、「天気の子」の場面ではなかったと思われるのですが… 料理のシーンでなんとなく香ったような… という気もするのですがまったく自信なし。多分、気のせいでしょう。香ったらいいなぁ、との願望による錯覚。
それはそれとして。目や耳だけなく、五感を使って鑑賞するのが4DXの特徴であり、おもしろさですね。
Lightning(フラッシュ)
場内の前方天井付近で、強力にフラッシュする、という特殊効果です。
「天気の子」の場面で言うと、雷にあわせてとか、花火にあわせてとか。しかけ自体はわりと地味なのですが、フラッシュの刺激のせいか、そのシーンがより鮮明に記憶に残りやすいように感じます。
Warm Air(熱)
背もたれの首すじ付近から熱風が出る、という特殊効果です。最初は急にあったかくなったので、一瞬ビックリしました。
「天気の子」の場面で言うと、とある爆発シーンや、登場人物がお風呂に浸かるシーン。爆発シーンはともかく、お風呂シーンでの熱風はちょっとおもしろい。
ちなみに、首すじのわりとピンポイントな熱風みたいで。いっしょに鑑賞した妻はまったく気がついていませんでした(鑑賞後に発覚!)。おそらく、背もたれによっかからずにいたのでしょう。
というわけで。4DXで鑑賞するときには、座席に深く座って、体を背もたれに預けることをおすすめします。
Air Shots・Face Air(顔の周りで空気圧)
顔の横(頬や耳のあたり)を空気圧がかすめる、という特殊効果です。空気のてっぽうみたいなやつで、プシュッときます。そして、ビクッとなる。
たしか登場人物が殴られるか、ビンタをされるかするシーンでプシュっときたような… いろいろうろ覚えですみません。
まとめに代えて 〜4DXのビミョーなところ
冒頭で結論としてお話をしたとおり、4DXは「いちど」は体験してみるべし! です。
ただし、ちょっとビミョーに感じたところはありますので、そこも正直に触れておくことにします。以下、3点ほど。
鑑賞料金が高い
今回わたしが鑑賞した「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」では、4DXの鑑賞料金は「通常の鑑賞料金 + 1,000円」でした。
通常の鑑賞料金は、大人 1,800円なので、4DXだと 2,800円になります。今回は妻と2人で鑑賞をしましたが、あわせて 5,600円。なかなかのお値段です。
通常より値段が高いのは当然ですが、そこをビミョーだと感じる向きはあるでしょう。4DXの特殊効果や、作品に対する思い入れなどを含めて、高い値段をどう見るかです。
特殊効果の利用頻度が「少ない」と感じるかも
4DXにはさまざまな特殊効果があるのは、これまでお話をしてきたとおりです。いっぽうで、作品中における特殊効果の利用頻度が「少ない」と感じるかもしれません。
だとしたら、高い料金を払っているのにやはりビミョーだ、とも感じることでしょう。
わたし自身、鑑賞の途中で「雨シーンなのに、なかなか水が降ってこないなぁ」などと感じもしました。事前に「たくさん降ってくるかも」と想像していると、そうでもないということです。
しかし、それはそれで作品中の「強弱」だとも言えます。より重要なシーンでこそ特殊効果を使い、それ以外のシーンではあえて控える。だから、重要なところでの特殊効果が際立つ。との考え方もあるでしょう。
事実、作品のさいご、特殊効果を存分に使ったクライマックスシーンは見事でした。
もちろん、感じ方は個人差ですし、作品によって特殊効果の利用頻度も異なるのでしょうけれど。
特殊効果に集中力を持っていかれる
4DXの特殊効果は大掛かりでもあるがゆえに、起動する際に「音」を発することがあります。「ウィーン」みたいな音です。
その音がすると、「あっ、なんか来る(特殊効果が)」と意識をしてしまい、作品に対する集中力が削がれてしまう… 気がします。
また、映像を見ながら、「これは、あの特殊効果が来るのでは?」などと思わず推理をしているじぶんもいたりして。
人によっては、4DXの特殊効果があることで、作品に対する集中力を持っていかれると感じるかもしれない。だとしたら、ちょっとビミョーだと言えます。
と、ビミョーなところもお話をしてきましたが。体験をしてみなければわからないこともあります。
4DX、「いちど」は体験してみるべし! です。