あまり資格取得ばかりしていると、「資格マニア(嘲笑)」と呼ばれます。
いいんです、自分に確固たる理由があれば。でも、資格取得はそれはそれでおすすめできる理由もあります。
「資格マニア」と笑われた日々
「資格マニア」と嘲笑されたこともあるわたし。税理士試験挑戦中も、いろいろな資格試験の勉強をしていました。
税理士試験はぜんぶで5科目合格が必要な長丁場。仕事と並行しての受験だと、1年に1科目あるいは2科目ずつが通常です。
そんな試験の合間を縫って、本人は「息抜き」のつもりでやっていたのですけれど。
資格マニアのはじまり
税理士試験の話になりますが、難易度も高い試験ですのでほとんどの受験生は専門学校に通います。
専門学校ではいろいろな勉強のコース(講座)がありますが、いちばん期間が長いものは9月からはじまり8月の本試験手前まで。
今は必ずしもそうではないようですが、その昔は本試験は8月の初旬。本試験が終わると1か月ほど勉強はお休みとなります。
その1か月間を中心にやっていた資格試験の勉強ですから、「ボリュームがある」「難易度が非常に高い」というような資格はなかなか・・・
そんな税理士試験が終わったあとに取得した資格も含めて。「資格マニア(嘲笑)」のわたしがとった資格の一部をご紹介です。
どんなことが学べるか、難易度、勉強期間の目安、おすすめ参考書などについてお話します。ちなみにすべて独学です。
資格マニアが資格取得をすすめる理由
ご紹介のそのまえに。多資格取得の意味について、「いちおう」お伝えさせていただきます。
「資格マニア」というのはとかく笑いの対象にされたりするものです。「資格があってもそれが活かせなければね(笑)」みたいな。
その通りです。でも、もちろんそれだけではありません。ものごとの1面だけをみて笑いたいのであれば、笑っていただけばよいでしょう。
だからわたしも、「ホント、しょうもないですね~(失笑)」と答えておくことにしています。
学ぶにあたってたいせつなことは、自分がどういう「気構え」でやっているか。それだけですから。
わたしが「資格取得」に持たせている意味はつぎのとおりです。資格取得をおすすめる理由でもあります。
- 勉強グセを身につける・・・勉強に対する抵抗が減り、耐性ができる
- 勉強のしかたを身につける・効率的な学び方を試行錯誤できるようになる
- 体系的に学ぶ・・・・・・・断片的な学び(知ったかぶり)ではなく、全体を捉えることができる
- 人間力をプラスする・・・・知らない分野の学びで、考え方・価値観に幅が出る
と考えると、資格試験のゴールは「合格」というわけでもなくなります。
実際に合格をあきらめた資格もありますが、それはそれで言い訳がましいですね・・・
資格試験のご紹介
独断と偏見で、それぞれの資格試験についてご紹介します。難易度や勉強期間はあくまで目安としてお考えください。
難易度について、税理士試験を「★5つ」として評価してみました。
勉強期間については「すくなくとも1週間に15時間くらい」として。仕事をしながらでも本気であれば、できる時間だと思います。
ファイナンシャル・プランニング技能士
難易度 3級…★、2級…★★★、1級…★★★★
勉強機関 3級…1~3か月、2級…3か月~6か月、1級…6か月~1年
いわゆる「FP(ファイナンシャル・プランナー)」の国家資格です(そもそも「FP」を名乗るのに資格は必要ありません)。
1級から3級までの試験となっていて、実務経験などがない場合には3級から受験していきます。わたしもそうでした。
FP資格にはもうひとつ、民間の日本FP協会が認定する「AFP」とその上級資格「CFP」というものがあります。
違いとして大きいのは、FP技能士が一生ものの資格、AFP・CFPは更新が必要。
このあたりの詳細に興味のある方は、「一般社団法人 金融財政事情研究会のFPに関するQ&A」をご覧ください。
さて、この資格では、貯蓄、投資、保険、税務、不動産、相続・事業承継などかなり幅広い分野にわたり、深くまで勉強をします。
級が上がるごとにその広さと深さが増していく、そういうイメージになります。
学習分野が税理士資格とも相性がよく、少なくない税理士の方が所持する資格でもあります。税理士事務所業務に就くにあたっては、勉強しておいてまったく損がない資格でしょう。
多分野で、日常の実生活にも役立つ学習内容が多いことから、学ぶ人を選ばない「万能型」のとてもよい資格試験です。3級を勉強しておくだけでも。
おすすめ本は、1級受験用のものの中から。1級では口頭試問と言われる「面接試験」がありまして、その対策用です。
面接試験というのは不慣れなものでなかなかたいへんなもの。
面接がはじまる少し前に、「設例」について紙を渡されます。面接では、その設例について質問され、FPとして回答することになります。
もしほんとうにわからず答えられないことがあれば、「のちほどすぐに調べてお答えします」などの回答もアリでした。
もちろん、「のちほど面接官にお知らせ」する必要はありません。
宅地建物取引士(旧・宅地建物取引主任者)
難易度 ★★★
勉強機関 3か月~6か月
いわずと知れた人気資格の「宅建」です。わたしはまだ、名称が「主任者」のときに受験しました。
宅建は、不動産取引に関するプロフェッショナルとしての位置づけがあります。
わたしが税理士業務に就いているなかで、「お客さまの不動産取引」というのはよくでてくる話です。
そのため、その分野の理解を深めておこうと取得した資格。
FP技能士でも深められる分野ですが、宅建をプラスするとより深く理解が進みます。
少々難易度はありますが、実生活で出てくる話も多く、難易度ほどのとっつきにくさはない資格だと感じます。
ちなみにわたしは、合格後の「資格登録」まではしていません。不動産業務に直接従事はしていないので。
こういうところが「資格マニア(嘲笑)」です。
おすすめ本はこちらの参考書。毎年新版が出ているようですが、わたしはこのシリーズで受験しました。
2016年版のamazonレビューは評価が悪いようですが、わたしの場合、参考書はこれ1冊で合格できました。
独学する際にわたしは参考書は1冊にしぼる主義です。それよりも問題集を解いて覚えます。
参考書をサラッと一読して、ひたすら問題集。わからないところをもう1度参考書。それが資格取得では、速学のコツになります。
メンタルヘルス・マネジメント検定(Ⅱ種、Ⅲ種)
難易度 ★★
勉強機関 1か月~3か月
メンタルヘルス対策に取り組む人のための資格試験。大阪商工会議所が主催していますが、全国に受験地があります。
うつ病の増加など世の中のニーズを受けて、受験者数が増加を続けている資格試験。Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種とわかれていて、それぞれにテーマがあります。
わたしはⅡ種とⅢ種を所持していますが、それぞれ「セルフケア」「ラインケア」がテーマです。
セルフケアとは、組織従事者自らのメンタルヘルスケア。まず自分自身が健康であるためには、を学ぶことは有用です。
そして「ラインケア」では組織の上司・部下間でのメンタルヘルスケアを学びます。組織の管理職などは一度は学んでおくべき分野といえるでしょう。
Ⅰ種では「マスターコース」として難易度が上がります。
参考書は、大阪商工会議所の「公式」モノを使っていました。市販のものもみましたが、内容的に網羅できているかが不安だったので。
ボリュームは決して多くない試験ですので、こういう場合には「網羅」しておくことがキモになります。
リテールマーケティング(販売士)検定(2級、3級)
難易度 3級…★、2級…★★
勉強機関 3級…1か月~2か月、2級…1か月~2か月
販売士の名のとおり、「デパート、専門店、スーパーなど小売店」の従事者が対象とされています。
そういうことなのかどうなのか、受験者に若い方・女性が多いです。
当時30代前半だったわたしでも、受験会場では「年上」感満載でした。たまたまかもしれませんが・・・
さて、試験範囲にも記載されていますが、流通・小売のしくみや販売促進の考え方など、「マーケティング」を学ぶことができます。
接客や陳列方法など売場づくりについても学びますが、普段の買い物でも「そういう目」でお店の中を見ることができて楽しく勉強できます。
わたしのように税理士業務に就いていても、小売業などのお客様とのお話に大いに役立つでしょう。
3級は「基礎」、2級はその「上級」で同時受験可能です。1級は「経営管理」までを学習の対象にしていて、難易度が一気に上がります。
2級、3級ともに「Part1」「Part2」の2冊構成の問題集。
解説がしっかりしていることもあり、実は参考書無しでこの問題集だけで合格できます。
問題集だけで合格なんて、なんか「資格マニア(嘲笑)」っぽいですね。資格試験に良書選びは重要です。
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きょうの執筆後記
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昨日は、午後からクラウド会計の導入説明。
当事務所ではMFクラウドを推奨していますが、みなさまわりとあっさりと使っていただけます。
同じデータを共有できるので、お互いに画面を見ながら電話で操作説明がしやすいのも好評です。
いちど説明してもわからなくなることはあります。そのときに税理士が来るまで放置となるといつまでたっても操作が身につきません。
税理士にとって、会計ソフトはフォローのしやすさも大切です。