電動スタンディングデスクの「FlexiSpot E9」についてのレビューです。使いはじめてみての、メリットやデメリットをまとめます。
はじまりは突然に、尻。
きょうは、2022年1月8日。おおみそかに突然はじまった、お尻の痛み。いったいなんのハナシをはじめるんだ? と、思われるかもしれませんが。
このたび、電動スタンディングデスク「FlexiSpot E9」のレビューをするにあたり、購入の「きっかけ」をお話ししております。そんなんはいらん! というのであれば、どうぞすっ飛ばして先にお進みください。
とにもかくにも、長くはイスに座ることができないほどの尻痛。ちなみに、「尻痛(しりつう)」なんて言葉はないようです。とにかく、お尻が痛い。
といっても、いわゆる「痔」ではなくて、お尻と脚の付け根あたりが痛いんですね。その痛みをどう表現すれば伝わるのかはわかりませんが。座り過ぎたぁ、みたいな感覚です。
いまにはじまったことではなく、たびたび起きる症状ではありました。なので、軽減・解消を試みるために買ったクッションは数しれず。残念ながら、どのクッションもわたしの尻の下では無力でした。
ここでようやく、スタンディングデスクの登場です。新年が明けたそのとき、わたしが考えたこと。それが、「そうだ、立っていればいいんだ!」ということになります。
世の中は初売り、もしかしてスタンディングデスクもお買いお得なんじゃね? という「買う口実」をもとに、ネットめぐりをスタート。ありました、期間限定お買い得が。
で、購入したのが、さきほどもチラッとふれた「FlexiSpot E9」です↓
スタンディングデスクといえば「FlexiSpot」と言っても過言ではないくらい、スタンディングデスク界(?)では有名ブランド。種類もいろいろ、カスタマイズもいろいろです。
以前から、尻痛とは別の意味でスタンディングデスクには興味がありました(後述)。なので、ちょっとは「知識」はあるなかでの選択・購入になります。
では、そんな「FlexiSpot E9」について、このあとメリット・デメリットに分けてレビューをしていきましょう。ちなみに、今回はあえて、使用頻度が浅い段階でのレビューです。
使い続けてみて… というのは、なにかあれば別途、記事にしてみたいと思います。
FlexiSpot E9のメリット
電動はラクちん
スタンディングデスクと言ってもいろいろで。電動のものもあれば手動(ガス圧式)のものもあります。手動のほうが安価ではありますが、机上に重いものを載せると上げにくい・上がらなくなるというのが問題です。
この点、FlexiSpot E9は、耐荷重 50kg。電動ですから、ボタンひとつでラクラク上げ下げをしてくれます。上げ下げがタイヘンなので、いつも座りっぱなしでは、スタンディングデスクとは呼べず。逆に、いつも立ちっぱなしでは、こんどは疲労してしまうでしょう。
スタンディングデスクを買うのであれば、ぜったいに電動にすべき! というのは、わたし個人の意見です。
それはそれとして、上げ下げのスピードは、おおむね「1秒あたり 2.5cm」。わたしの場合、着席時の机の高さが 73cm、スタンディング時の高さが 103cmです。このあいだを、約 11秒で上げ下げしてくれます。
11秒と聞くと「長くない?」と、思われるかもですが。体感では「けっこう速いんだなぁ」と、感じました。それに、ボタンをひとつ押せば、あとは放置ですから。トイレや飲み物を取りに行っているあいだには上げ下げ完了です。
メモリー機能がある
FlexiSpot E9のおすすめポイントとして、「メモリー機能」が挙げられます。じぶんの好みの高さを4つまでメモリーできるのですね。電動スタンディングデスクを買うなら、あるべき機能でしょう↓
メモリー機能がないと、上げ下げしているあいだじゅうずっと、じぶんでボタンを押しっぱなしにていなければいけません。メモリー機能がある前提でいうと、押しっぱなしはメンドーです。
前述したように、トイレや飲み物を取りに行っている隙に上げ下げしておこう、というわけにもいきません。電動の良さを最大限活かすためにも、メモリー機能は「必須」ではないでしょうか。
ちなみに、電動ってうるさくないの? ということに関しては。わたし個人の感覚では「思ったよりもずっと静か」です。電動モーターですから、「ウィーン…」という音はします。
でも、FlexiSpot E9は「静音」をうたっていることもあり、少なくとも近所迷惑になるようなことはありません。電動ゆえに「故障」は心配ですが。いちおう、モーターは5年保証になります。
組み立てがカンタン
FlexiSpot E9は、「簡易組立」を売りにしている製品です。スタンディングデスクを含めて、組み立て式の家具には「よい思い出がない」という人もいるでしょう。
届いた箱を開封した瞬間に、パーツの多さに腰が引ける。説明書の難解さに気がついて愕然とする… みたいな。では、FlexiSpot E9はどうなのか?
30分あれば、じゅうぶんに「組み立て」は可能です。公式では「約15分」ということになってはいますが。初見で、かつ、段取りを考えると、15分は言いすぎだぜ。と、個人的には思います。
でも、まぁカンタンなのは間違いありません。
付属の「六角レンチ」で締めるネジが 12本、「プラスドライバー」で締めるネジが3本。以上です。言っても机ですからね、パーツの数も知れていますし(6点)、取り付け方を間違えようもありません。
モノによってはもっとタイヘンなスタンディングデスクがあるらしいので。FlexiSpot E9は、組み立てカンタンなのは、メリットだと言ってよいでしょう。
ガタつきが少ない
スタンディングデスクについて、ちょっと心配だったのが、スタンディング時の「デスクのガタつき」です。高さがあると、それだけ安定感を欠いて、ガタつきも起きるのではないか? と。
この点、FlexiSpot E9のガタつきはほとんどない、というのがわたしの感覚です。キーボードでふつうにタイピングをしている限りは、グラグラする感じはありません。
カタカタカタ、return(Enter)キーをパシーンっ! みたいなタイピングの方だと、たぶんちょっと揺れます。それでも、ちょっとだと思う。
というわけで、故意に揺らさない限り、ガタつきは問題ないレベルなのではないでしょうか。
ところで、スタンディングデスクには、「床置き」と「既存の机置き」とがありますよね。FlexiSpot E9は「床置き」、製品単体がスタンディングデスクです。
いっぽう、「既存の机置き」の場合には、いまある机の上にスタンディングデスクを重ねます。わたしは以前から、「MOFT Z」という折りたたみ式のPCスタンドを使っていました↓
これはこれで、折りたたみできる手軽さがあるのですが、いかんせんガタつくんですよね。タイピングをするときには、手首の重さをガッツリ載せるわけにもいかず、ちょっと腕が疲れます。
FlexiSpot E9はもちろんそんなこともなく、キーボードの手前にパームレストも置いて、スタンディング時でもゆったりとタイピングできるのは、とても快適です。
机の広さはじゅうぶん
FlexiSpot E9の「天面」の広さは、120cm × 60cm。一般的な机の広さを満たすものであり、広さとしてじゅうぶんだと言えます。
わたしは、27インチのディスプレイ、MacBook Pro13インチ、iPad Pro11インチ、HHKBのキーボード、Magic TrackPad、パームレストなどを置いている環境です↓
これでとくに問題はありませんので、やっぱりじゅうぶんな広さかなぁ、という感じです。ただ、これよりも狭くなると「ちょっと厳しいかも」とは思います。
なので、せっかく机を買うなら(スタンディングデスクに限らず)、最低でも 120cm × 60cmの広さはあったほうがよいのではないでしょうか。
集中力が持続しそう
冒頭をお読みいただいた方にはお伝えしましたが、わたしは以前から、スタンディングデスク自体には興味がありました。それは、「集中力の持続」という観点からです。
ずっと座ったままというのは、集中できていそうでできていない可能性があります。眠くなったらウトウトできちゃいますし、座っているから眠くなりやすいとも言えるでしょう。
また、血流が悪くなったり、姿勢が悪かったり、呼吸が浅くなったりもしやすいので、そのあたりからくる集中力の欠如もありえます。なので、スタンディングと着席を併用するのは、実際にやってみて、よさそうだと感じているところです。
また、スタンディングデスクとは言っても、ずっと立っているわけではありませんから、時間を決めて、「立っているあいだに〇〇をおわらせるぞ!」といった集中のしかたもあるでしょう。
このあたりは、もうすこし長く使ってみて「要検証」ではありますが。
お尻が痛くない(わたし固有)
これは、わたし固有のメリットかもしれませんが。スタンディング時は、お尻が痛くなりません。スタンディングと着席を併用することで、尻痛が治るかもしれないのはメリットです。
まぁ、それはそれとして。スタンディングデスクが話題になった背景には、「座りっぱなしだと寿命が縮むよ」みたいなハナシがありました。
でも、そんなこと言ったら、実は「立ちっぱなしでも寿命が縮むよ」というハナシもありますので。要は、座りっぱなしも、立ちっぱなしもよくないよ、ということなんですね。
だからこその電動スタンディングデスクでしょう。ずっと座りっぱなしでもなく、立ちっぱなしでもなく、スタンディングと着席を併用する。FlexiSpot E9なら電動ですから、その切り替えもラクラクです。
コスパがよい
FlexiSpot E9の定価は、35,200円です(税込・送料込み)。もっと安価なものもありますが、前述した「メモリー機能」がなかったり、他メーカーだと保証期間が短かったり。
そういったことを含めて、FlexiSpot E9のコスパは悪くないだろうと考えています。
ちなみに、わたしは新春セールやポイントバックなどもあって、実質3万円弱で買うことができました。とても満足。
FlexiSpot E9のデメリット
組み立てまでがタイヘン
さきほど、FlexiSpot E9は「組み立て」がカンタンだと言いました。ところが、組み立てまではちょっとタイヘンです。なにがタイヘンかっって、モノがデカい・重い…
配達されるときのサイズは、131cm × 71.3cm × 17cm になります。このまま置いておくには、まぁ、場所をとります。すぐに組み立ててしまわないと、ジャマでしかたありません。
また、重量は 35.9kgもあります。配達業者さんにも申し訳ないくらいの重さです。これくらいの重量があるから、じゅうぶんな耐荷重と、ガタつきの少ない安定感を出せるのでしょうけど。
もし買われる方は、「そのくらいデカくて重いものが届くんんだな」というイメージトレーニングをされておくのをおすすめします。初見だと、びっくりしそうなので。
組み立てたあともタイヘン
実は、FlexiSpot E9は、組み立てたあともタイヘンです。廃棄物が「異様」に発生します。梱包用のダンボール箱はもちろん、なかにはたくさんの発泡スチロール的なものが詰まっています。
ダンボール箱はデカいし、がんじょうだしで、解体に手間と腕力が必要でしょう。また、発泡スチロール的なものも、ゴミ出しできるように解体すると、45リットルのゴミ袋でちょうど2つ分。
ゴミが多くなることについては、なんだかエコじゃない気がしてきます。いちおう、再利用はされるのでしょうけど。
というわけで、組み立て自体の時間は 30分くらいでも、そのあとの片付けにもまた、数十分かかるものと考えておきましょう。なかなかタイヘンです。
最低の高さが73cm
FlexiSpot E9の「床面から机の天面までの高さ」は、最低が 73cmで、最高が 123cmです。最高のほうはともかく(ふつうに考えると高すぎる)、最低のほうは注意したほうがよいかもしれません。
一般的な机の高さは、70cmが平均的とされています。これに比べると3cmほど高いことになるので、いま使っている机があれば、その差を考慮したほうがよいでしょう。
なお、スタンディング時の適切な高さは、手を置いたときに、ヒジが直角に曲がるくらいがよいとされています。わたし(身長 176cm)の場合には、それが 103cmくらいだということです。
なんにせよ、ミリ単位で調節もできますし、最高 123cmまでは上げられますから、高さが足りなくて困ることはないでしょう。
あとはとくにない
FlexiSpot E9については、メリットの数に比べると、デメリットがほとんどないんですよね。組み立て前後のデメリットを除けば、最低の高さが気になるくらいしかありません(わたし個人は気になりませんが)。
今後、使い続けてみて、なにか出てきたら追記することとします。
まとめ
電動スタンディングデスク「FlexiSpot E9」のレビューとして、使いはじめてみてのメリットやデメリットをまとめてみました。
スタンディングデスクの使い勝手はどうなんだろう? 買うときのポイントはどのあたりだろう? と考える方のご参考になったようでしたら幸いです。
FlexiSpot E9自体は、個人的に「おすすめできる電動スタンディングデスク」になります。