自社と関わる「地域」や「業界」のことを銀行担当者に伝えよう

自社と関わる「地域」や「業界」のことを銀行担当者に伝えよう

融資を受けている会社が、銀行に伝えるとよいことはいろいろありますが。自社と関わる「地域」や「業界」のことも、銀行担当者に伝えましょう。という、お話です。

目次

銀行員は知りたがっている。

融資を受けている会社が、銀行に伝えるとよいことはいろいろありますが。意外と伝えられていないであろうと思われるのは、「地域」や「業界」のことです。

自社についての話をするのは当然にしても、自社と関わる「地域」のことや、自社と関わる「業界」のことまでは話をしていない。という会社は少なくありません。

そんなの話す必要ある? と、思われるかもしれませんが。地域や業界が、自社の現在や将来に影響を及ぼすことはあるわけで。そのあたりの「影響」を、銀行は注目しています。

また、銀行員は、「地域」や「業界」の情報も収集したい、と考えていることを覚えておきましょう。その情報が、ほかの融資先の評価や審査にも活かせるからですね。

というわけで、銀行担当者と話をする機会には、自社と関わる「地域」や「業界」の話もしてみましょう。でも、具体的になにを話せばいいのか? このあと確認をしていきます。こちらです↓

銀行担当者に伝えたい「地域」や「業界」のこと
  • 表彰された・紹介された
  • 大手企業の撤退・進出の影響
  • 業界のトレンド

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

銀行担当者に伝えたい「地域」や「業界」のこと

表彰された・紹介された

地域貢献や地域づくりの実績を評価する「賞」はいろいろあります(ネットで検索をすれば、すぐに見つかります)。そういった賞を受賞している、という会社はぜひ、銀行担当者に伝えてみましょう。

賞そのものから、直接的に融資を受けられたりするわけではありませんが。それでも、賞を受賞した「経緯」を考えれば、今後の売上や利益の増加に結びつくところはあるでしょう。

結果として、銀行から見た「自社の評価」が高まる可能性があります。また、地域金融機関(地方銀行や信用金庫)は、地域密着・地域貢献がミッションです。ゆえに、地域で表彰されるような会社に対しては、より支援をしたい・より支援がしやすい、という面があります。

この点で、「ウチは地域でこんなことをしてますよ、あんなことをしてますよ!」と自己アピールすることはできるわけですが。自己アピールのみとなると、どうしても信頼度は低くなります。

ですから、客観性がある「表彰」には、銀行に対して一定の信頼があることを理解しておきましょう。同じように、「メディアでの紹介(自主広告は除く)」にも、一定の信頼度があります。

地域の情報誌に取りあげられた、地域のテレビ局に取材をされた、など。それらもまた、自己アピールのみでは実現しないことですから、銀行も評価の対象にしているところだと言えます。

なお、表彰や紹介をされたときには、自社ホームページにも忘れずに掲載しましょう。銀行は、会社のホームページをよく見ているものです。場合によっては、新規営業のきっかけになることもあります。

ですから、ホームページは銀行に対するアピールにもなるもの、と考えておくのがよいでしょう。そのあたりもふまえて、過去の表彰歴や、メディアでの紹介歴などは、一覧にまとめて掲載をしておくのがおすすめです。

「たまたま」の表彰や紹介ではなく、表彰や紹介の「常連」だとなれば、銀行からの評価はいっそう高まるものと考えます。

大手企業の撤退・進出の影響

地域によっては、だれもが知るような大手企業が存在します。全国レベルではなくとも、その地域の住民であれば、だれもが知っているような地域一番企業もあるでしょう。

そういった企業は、地域にある中小企業と直接的・間接的にかかわりがあることも多く、もしも「撤退(廃業・倒産・他地域への移転など)」となると、打撃を受ける会社もあるはずです。

ゆえに銀行は、大手企業・地域一番企業の撤退による影響を気にしています。ですから、地域に影響を与えうる企業の撤退があったときには、自社への影響について、銀行担当者に伝えるようにしましょう。

ハタから見ると影響がありそうでも、実際のところは影響がない、ということはあるものです。自社が、同業他社とは違ったビジネスモデルを築いているような場合はとくに、でしょう。

そう考えると、銀行に対して、自社のビジネスモデルを理解してもらうチャンスでもあります。銀行は、融資先のビジネスモデルをわかっているようで、意外とわかっていない… というケースが散見されます。

すると、わかっている場合に比べて、融資は受けにくくなってしまうのがデメリットです。会社は、折を見て、銀行(担当者)にビジネスモデルを伝えるべきだと心得ておきましょう。

なお、撤退に対して、進出もあります。だれもが知るような大手企業が、自社がある地域に進出をしてきた! というようなケースです。この場合にも、銀行は影響を気にしています。

その影響は、大きく分ければ2つ。プラスの影響か、マイナスの影響か、です。

大手企業の進出によって、地域や業界が活性化するなどして、相乗効果を得られることもあれば(プラスの影響)、大手企業に客を奪われること(マイナスの影響)もあるでしょう。

これもまた、自社のビジネスモデルがかかわるところです。

たとえば、パン屋をいとなむA社とB社があったとして。その地域に、大手安売りスーパーが出店してきたとします。このとき、「ふつうのパン」を売っているA社は、価格勝負でスーパーの影響を受けることでしょう。

いっぽうで、高級食パンを売りにしていたB社であれば、もともとの顧客層が違います。むしろ、スーパーの出店によって人の流れが増えて、プラスの影響があるほどかもしれません。

というように。自社にとってはどのような影響があるのか、そして、自社のビジネスモデルとはどういったものなのか。これらを、銀行担当者に伝えておくことが大切です。

業界のトレンド

自社が属している「業界」のトレンドについても、銀行担当者に伝えるようにしましょう。ここで言う「トレンド」とは、業界の全体的な「業績動向」や、「話題・問題」になっていることなどです。

業績動向とは、端的に言えば、業界内の会社はもうかっているのか、いないのか。話題・問題とは、どんな製品や技術がはやっているのか、ネガティブなニュースにはどんなものがあるか。

銀行担当者は、自社を評価するためにも、また、自社と同じ業界にある他の融資先を評価するためにも、業界のトレンドに関する情報を集めたいと考えているものです。

なので、そういった情報を提供し続けることは、銀行担当者にとってありがたく、情報をえるためにも足繁く通うようになる、ということがあると聞きます。結果として、銀行と会社とのコミュニケーションが深まる、という効果はあるでしょう。

なお、業界の業績動向が良いから、ウチの会社も良いのであれば、それはそれで、自社の業績好調をアピールするチャンスです。では、業界の業績動向が悪い場合にはどうなのか?

自社の業績もまた、悪い方向に影響を受けることが多くなるものです。が、「ものは言いよう」でもあります。業界内の多くの会社の状況が悪いのであれば、「その分どこかに、伸びしろが残されている」とも言えるでしょう。

ですから、自社はその伸びしろに着目して、取り組み実績を伸ばしている。といった話ができれば、「この会社は、ほかの会社とは違うぞ」と銀行に思わせることもできます。

もちろん、口先ばかりというのでは困るわけですが。実際に、同業他社には見えていない「伸びしろ」を見つけるのは、会社にとって有効な戦略です。業界の状況が悪いときには、「ピンチはチャンス」と考えてみましょう。

また、チャンスをつかむためには「おカネがいる」というケースもあるはずです。設備投資が必要、人の採用・教育が必要。というのであれば、銀行に融資の相談をしてみましょう。

前向きな融資になりますから、銀行としても検討しやすい融資です。ただし、チャンスをものにできる(借りたおカネを返済できる)ことを、きちんと説明できる必要があります。

この点で、口頭での説明は不十分です。事業計画書を作成して、実現可能性の高さを「可視化」できるようにしましょう。

まとめ

融資を受けている会社が、銀行に伝えるとよいことはいろいろありますが。自社と関わる「地域」や「業界」のことも、銀行担当者に伝えましょう。という、お話でした。

具体的に、どのような話をするとよいのかもあわせて、押さえておきましょう。

銀行担当者に伝えたい「地域」や「業界」のこと
  • 表彰された・紹介された
  • 大手企業の撤退・進出の影響
  • 業界のトレンド
自社と関わる「地域」や「業界」のことを銀行担当者に伝えよう

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