キツい状況・ツラい状況になると、心が飲まれて「本来の実力」が出せないことはあるものです。そこで、まずはじぶんをラクにするために、置かれた状況を変換するチカラを持ちましょう。そのためにはどうしたらよいか? というお話です。
キツい・ツラいと実力を発揮できない。
じぶんが置かれている「状況」が、キツいなぁ・ツラいなぁと感じることもありますよね。そんなとき、わたしは、「状況を変換」して捉えるように、と考えています。
つまり、キツい状況やツラい状況があれば、キツくない・ツラくない状況に変換してみる。なぜなら、キツい状況やツラい状況に置かれたままでは「本来の実力」を発揮しづらくなるものだからです。
ミョーに縮こまってしまったり、ミョーに後ろ向きになってしまったり… という経験が、だれにもいちどくらいはあるのではないか? とおもうわけですが、いかがでしょうか。
「気は持ちよう」などとも言われます。楽しいことも苦しいことも、心の持ち方しだいなんじゃないの? ということです。とはいえ、いざキツい状況やツラい状況になると、心は状況に飲み込まれてしまうものでもあります。
では、どうしたらいいのか? あらかじめ「状況を変換するチカラ」を備えておくことです。といっても、それほどたいそうなハナシではありません。
わたしがしていることは、「〇〇という状況になったら、××と変換して捉える」といったリストを用意しておくことです。と言われても、「どういうこと?」とおもわれるでしょうから。このあと、ご参考までに、そのリストのなかからいくつかをご紹介してみます。
それではさっそく、いってみましょう。
置かれた状況を変換して捉えるリストの一例
なんでも経験 → なんでも実験
チャレンジが大切だ、というのはよく言われるハナシです。そんなことはわかっちゃいるけど、チャレンジには、リスクがともなうもの。端的に言えば、失敗のリスクです。
だれしも、できれば失敗は避けたいものですから、どうしてもチャレンジにはおっくうになってしまう… わかります。わたし自身が、まさにそういうタイプです。
そんな人にこそ、「なんでも経験 → なんでも実験」という変換をおすすめします。チャレンジを「経験」と捉えていると、「うまくやろう、うまくやらなきゃ」という思考が強くなるものです。
すると、緊張やら恐怖やらで、じぶんの実力を発揮できなくなってしまうでしょう。
だから、経験ではなく「実験にすぎない」と捉え直してみる。実験というのは、失敗がツキモノであり、むしろ失敗を繰り返すことで結論にたどりつくものでもあります。
実験であれば、失敗は「あたりまえ」なのです。失敗しても、「この方法はダメだとわかってよかった、また別の方法を試せばよいだけ」と考えることができれば、チャレンジがしやすくなります。
詭弁、そうおもわれるかもしれませんが。冒頭でも言ったとおり、ヒトは意外と「気の持ちよう」です。心の持ち方を変えるくらいなら、得はあっても損はありません。試してみる価値はある、というものです。
深刻になる → 真剣になる
キツい状況やツラい状況では、「深刻」になってしまうことがあります。代わりに、「真剣」になりましょう、という話です。
これを聞いて、「言葉遊びでは?」とおもわれるかもしれませんが。そもそも、深刻と真剣の違いをわかっているのかどうなのか。わからないというのであれば、それこそ言葉遊びでしょう。
まず、「深刻になる」とは、ひとことで言えば「悪い方向に考えること」です。言い換えると、「物ごとを、できない前提で考えること」だと言えます。
これに対して、「真剣になる」とは「良い方向に考えること」、つまり、「物ごとを、できる前提で考えること」です。
なので、キツい状況やツラい状況のときには、じぶんが「深刻」になっているのか、「真剣」になっているのか? まずは、確認をしてみるとよいでしょう。
繰り返しになりますが、深刻か真剣かを区別する目安は、「できない前提」でいるのか、それとも「できる前提」でいるのかです。そのうえでもし、じぶんが「できない前提(深刻)」で考えているのであれば、「できる前提(真剣)」に変換しましょう。
「はたしてできるだろうか…?(深刻)」と悩み続けるよりも、「どうしたらできるか?(真剣)」を思案するほうが、状況を打開できる可能性は高くなるものです。
やるかやらないかで迷う → 迷ったらやる
やるかやらないかで迷う… というのも、ある意味、キツい状況・ツラい状況です。優柔不断な人などはとくに、そういった状況が多くなります。はい、わたしです。
そこで、「やるかやらないかで迷う → 迷ったらやる」という変換をしています。つまり、迷った時点でやる、ということですね。
これを聞いて、「そんな乱暴な!」とおもわれるかもしれません。ですが、ヒトには「現状維持バイアス」があります。ヒトにはだれしも、「できればいまのままがいい」と考える傾向があるのです。
ちなみに、そのように考えること自体は、別に悪いことではありません。大昔、人間は多くの危険にさらされて生きていました。そんななかで、いつもと違うことをすれば、危険にまきこまれる可能性がたかまります。
知らない森に飛び込めば、猛獣に襲われるかもしれず。道に迷って、戻ってこれなくなるかもしれず。だったら、いま安全な場所にいたほうがいい。というわけで、現状維持バイアスは、遺伝子レベルでわたしたちの身にしみついているものです。
でも、いまは違います。大昔ほど、危険にさらされているわけではありません。命に関わるような危険は多くない、と言ってよいでしょう。
だったら、現状維持バイアスの存在を理解したうえで、「迷ったらやる」と決めてしまうことです。いやいや、それができれば苦労はしない。とも、おもわれるかもしれません。
そのときには、こう考えましょう。「ヒトは、大事なことほど、強い現状維持バイアスに陥る」、これです。「いまのままがいい・いまのままでいい」と強く感じるのは、それが大事なことだとわかっているからでもあります。
だとすれば、迷う理由はありません。迷った時点でやる。そう決めておけば、やるかやらないかで迷うというキツい状況・ツラい状況から抜け出すことができるはずです。
まとめ
置かれた状況を変換して捉えるリストの一例について、お話をしました。こんなことで、キツい・ツラい状況から抜け出せるのか? と、おもわれるかもしれません。
もちろん、リストをつくったからといって「本質的な解決」にはならないでしょう。とはいえ、まず大事なことは、いざキツい状況やツラい状況になったときに、心が飲み込まれないようにすることです。
心が飲まれてしまえば、出せるはずの実力も出せなくなってしまいます。それを避ける1つの方法として、置かれた状況を変換して捉えるリストを試してみるのはいかがでしょうか。