ChatGPTとPICTORYを使って、10分で動画作成ができる! という凄いハナシがあるいっぽうで。ただただ凄いわけではないかもしれない、というお話をしていきます。要は、進化するAIのお話です。
AIによって動画が瞬速で作成できる時代
2022年末から2023年始にかけて、ジェネレーティブAI(生成系AI)のハナシをよく見聞きするようになった、と感じています。
具体的なツールで言えば、テキストから画像を自動生成できる「Midjourney(ミッドジャーニー)」や、対話型チャットができる「ChatGPT(チャットジーピーティー)」とか。使ったことがあるよ! という人も少なくないことでしょう。
わたしもまた、いろいろとお試しをしているなかで、つい先日試してみたのが「動画作成」です。もう少し具体的に言うと、前述した「ChatGPT」と、AIによる動画自動作成サービス「PICTORY」を使っての動画作成。
待ち時間を含めると、10分くらいかかりますが、やるべきことはほとんどなく。「瞬速で動画作成ができる」と言っても、けして言い過ぎということはないでしょう。手作業に比べれば、それくらに速い。
まずは、そのようすについて紹介をしてみようかとおもいます。
ChatGPT+PICTORY=10分で動画作成のイメージ
ChatGPTで台本づくり
まずは、対話型チャットAIの「ChatGPT」を使って、台本づくりをします。ちなみに、ChatGPTの使い方については、難しいことはありませんし、ググればいくらでも出てきますから省略です。
で、わたしはコーヒーが好きなので、「美味しいドリップコーヒーをつくるコツ」という動画を作成することにしました。そこで、「美味しいドリップコーヒーをつくるコツを教えて」と ChatGPTに尋ねた結果が、こちらです↓
まぁ、若干はおかしな日本語もありますが。すぐにこれだけの回答を返してくれるのは驚きでしかありません。ググって調べる方法もありますが、検索結果を見ながらじぶんでまとめるとなると、そこそこの時間がかかるでしょうから。
本来であれば、おかしな日本語は人間が修正すべきところですが。今回は「瞬速」の体験が目的ですから、ひとまずこのまま進めます。では、続いて、PICTORYでの作業に移りましょう。
PICTORYで動画づくり
AIによる動画作成サービス PICTORYは、無料でもあるていど使えます。たくさん使おうとするなら有料ですが、今回はとにかく「体験」が目的ですから無料でじゅうぶん。ぜひ、みなさんも体験してみましょう。
で、まずはアカウントの作成を済ませたら、「Script to Video」を選択します(画像の赤矢印のところ)↓
続いて、PICTORYに、さきほど ChatGPTがくれた回答をコピペします↓
動画のテンプレートを選択します↓
続いて、作成したい動画のサイズを選択します↓
続いて、「それっぽい」映像を選びます。検索ワードを入力すると(赤矢印のところ)候補の映像が出てくるので、好みのものを選んでみましょう。
たとえば、「coffee beans」で検索したときのようすが、こんな感じです↓
映像選びがおわったら、音楽(BGM)も選びましょう↓
映像・音楽選びがおわったら、「Generate」のボタンを押して、あとはもう PICTORYにお任せです。しばらく待ちましょう↓
今回は1分ちょいの長さの動画でしたが、待ち時間を含めても、台本づくりから動画づくりまで 10分くらいでできてしまいました。作成した動画は、こちらのリンクから閲覧可能です(リンク先はYouTube)↓
「10分で動画作成」が凄くて凄くないハナシ
というわけで、AIのおかげで「10分で動画作成」ができてしまいました。これは凄いことでもあり、凄くないことでもある。というのが、今回の記事を書いた目的です。
つまり、「AI凄いぜ!」という部分もあるけれど、それだけでもない、ということでもあります。
まずは、AIの凄さを体感せよ
日々進化するAIの凄さにはふれておくのがよいでしょう。実際、動画作成が 10分でできました。とくに、動画作成の「スキル」がなくてもできてしまうのは凄いところです。
わたし自身、動画編集アプリを使って、YouTube動画の作成もしていますが、アプリを使うには「スキル」を身につけなければなりません。実際に、当初はそれなりに苦労もしたし、時間もだいぶ使いました。
それが、10分そこそこでできてしまうとは… という感じです。
ChatGPTにしても、PICTORYにしても、ほかのAIにしても、無料で体験できるものはたくさんあります。おカネもかからずに試せるのですから、試さない手はありません。では、試したうえで何に注目をするのか?
人間でなくても、できるようになっている部分はどこなのか? ということです。
今回の「動画作成」であれば、「台本づくり」は人間が考えなくてもできてしまいました。「動画の作成・編集」も人間が一生懸命に手を動かさずともできてしまいました。
そういった部分を、もし、じぶんが時間や手間をかけてやっているのだとしたら… もったいないですよね。なので、AIの進化を知り、まかせられるところはAIにまかせていきましょう。
AIよりも人間のほうがよいこともある
AI凄いぜ! というハナシをしてきましたが。じゃあ、ぜんぶAIでいいか、というと。もちろん、そんなことはありません。現状、AIにできることもあれば、できないこともあるからですね。
今回の例で言えば、動画とはいえ「日本語で台本を読み上げる」ことまではできませんでした。字幕どまりです。まぁ、いずれできるでしょうし、PICTORY以外のサービスや、有料であればできることもあるでしょう。
それはそれとして、いまは日本語で読み上げることはできないとすれば。人間が読み上げている動画をつくるほうがいい、という選択もあるわけです。
また、編集の「質」についても、人間が編集したほうがいい、ということもあるでしょう。PICTORYでつくった動画を見ればわかるとおり、現状では「まだまだ粗い」とも言えるからです。
さらに言えば、台本についても「粗々」です。感情や実体験といった「人間らしさ」は含まれていませんから、そのあたりは人間がつくったほうが、より視聴者にうったえかけるチカラが増すものとおもいます。
だとすれば、AIよりも人間がすぐれていることはあるわけで。すぐれている部分にこそ、限られたじぶんの時間やチカラを投下していくのがよいでしょう。
今後は、AIの凄さを利用した「大量投下」という戦略もありえます。ブログであれば、AIで記事を大量に生成して、大量に投稿していくとか。動画もまた、AIで大量に生成して、大量に投稿していくとか。
それが良いか悪いかは、それぞれの考え方としても、そういった戦略が出てくる(というか出てきている)ことは知っておかねばなりません。そのうえで、「じぶんはどう戦うのか?」を考えることが大切になります。
考えるにあたっての「材料」として、日ごろからAIにふれておくのがよさそうです。
まとめ
ChatGPTとPICTORYを使って、10分で動画作成ができる! という凄いハナシがあるいっぽうで。ただただ凄いわけではないかもしれない、というお話をしてきました。
要は、進化するAIのお話であり、そのなかで人間は何をすればいいのか、AIをどのように利用してばいいのか? というお話でもあります。現状、AI一辺倒というわけにもいきません、AIを毛嫌いするのももったいないハナシです。
よく言われることではありますが、AIと上手に付き合えるのがよいでしょう。