会社が銀行融資を申し込むのに良いタイミングはいつなのか? についてお話をしていきます。タイミングを外すと、融資が受けにくくなるので気をつけましょう。
タイミングを外してしまわぬように。
会社が銀行から融資を受けようとするのなら、「良いタイミング」というものがあります。ここで言う「良いタイミング」とは、融資が受けやすいタイミングのことです。
同じ融資を申し込むにしても、タイミングを外していると、融資が受けにくくなってしまいます。では、銀行融資を申し込むのに良いタイミングとはいつなのか?
ずばり、次のとおりです↓
- 決算書ができたとき
- 試算表が黒字のうち
- 銀行から提案があったとき
言われてみればあたりまえなのですが、実践できていない会社は意外と少なくありません。というわけでこのあと、それぞれのタイミングについて確認していきましょう。
銀行融資を申し込むのに良いタイミングはいつなのか?
決算書ができたとき
まずは、「決算書ができたとき」です。会社は毎年、決算書をつくらなければいけません。決算書ができあがると、それをもとに税務署に確定申告をします。
その申告が済むと、銀行からは決算書の提出を求められるはずです。このタイミングで融資を申し込むようにしましょう。なぜなら、銀行の融資方針(次の決算書を提出するまでの)は、ここで決まるからです。
基本的に、その融資方針は「次の決算書ができるまで」の1年間は変わりません。だったら、融資方針が決まった一番早いタイミングで、融資を受けてしまうのがよいでしょう。
それも、「1年分をまとめて」というのが効果的です。向こう1年のあいだに、必要になる金額をこの時点でまとめて借りるようにします。すると、社長は1年間、銀行対応から解放されるのがメリットです。
逆に、1年のあいだに、なんどもなんどもちょこちょこと融資を受けていると、社長は時間と手間をとられることになります。また、決算日から時間がたつと、銀行は「最新の状況」を確認するために、あれやこれやと提出資料を求めてくるものです。
そうなると余計に、社長は時間と手間をとられることになります。結果として、経営に集中できなくなるのはよくありません。
ですから、決算書ができたら「向こう1年に必要な額の融資を受ける」ようにしましょう。具体的な方法や注意点などは、以下の動画も参考にどうぞ↓
試算表が黒字のうち
銀行融資を申し込むなら、「決算書ができたとき」だと前述しました。そうは言っても、1年の途中で融資を受けたくなるときもあるでしょう。
それなら、「試算表が黒字のうち」にです。逆に、試算表が赤字になってから、融資の申し込みをするのは悪手だと言えます。赤字となれば、銀行は融資をしたくなくなるものだからです。
決算以降、先月までは毎月黒字。今月は赤字… となると、銀行はその先の赤字を心配します。決算でも赤字になるのではないか? と、心配をするのが銀行です。
この点で、「予測」や「計画」がいかに大事なものであるかがわかるでしょう。来月の予測・計画ができていて、来月が赤字になることがわかっていれば、今月のうちに融資の申込みをすればいい。
ところが、多くの会社では「予測」や「計画」をしておらず、出たとこ勝負です。そして、赤字になってから、「資金繰りがマズい」と気づいて融資の申込みをします。だから、融資が受けにくくなるのです。
なお、赤字の試算表のなかには「これなら黒字にできるのに」というものもあります。たとえば、年払いの保険料を、支払った月に全額費用処理しているケースです。
その保険料を、毎月にあん分して費用処理すれば、黒字にできることがあります。同じように、経理処理を見直すことで、黒字にできることがないかを検討するようにしましょう。
このあたりくわしくは、こちらの記事も参考にどうぞ↓
銀行から提案があったとき
銀行から融資の提案があったときも、良いタイミングです。銀行は時期によって、融資をしたいと考えていることがあり、そのときには融資提案をしています。
では、どのようなときに融資提案があるのかといえば、基本、会社の状況が良いときです。会社の状況が良いということは、貸したおカネを安全に回収できるのであり、だから銀行は「貸したい」と考えます。
ところが、提案を受ける社長のほうは、会社の状況が良いだけに「いますぐおカネは要らない」と考えているものです。そして、せっかくの提案を断ってしまいます。
そのままずっと要らないのであればよいのですが、そういうわけでもないでしょう。事業は山あり谷ありです。いずれ、おカネが必要になることはあるでしょう。
そのときになって融資を受けようとするのでは遅すぎます。なぜなら、谷を迎えた危ない会社に、銀行は融資をしたくないからです。だったら、いま提案を受けて借りておくのは1つの方法だとわかります。
それに、銀行は「貸したい」のですから、融資条件を交渉するチャンスです。金利の引き下げや、担保・保証無しでの融資など、これまでは難しかった条件にもチャレンジしてみましょう。
銀行側のノルマ(営業目標)が未達であり、「なんとしても貸したい」というときなどは、さらにチャンスです。そういった好機を見逃しておきながら、「融資が受けられない…」「融資条件が悪い…」と嘆いている社長は、けして少なくありません。
まとめ
会社が銀行融資を申し込むのに良いタイミングはいつなのか? についてお話をしてきました。言われてみればあたりまえなのですが、実践できていない会社は意外と少なくありません。
タイミングを外すと、融資が受けにくくなるので気をつけましょう。
- 決算書ができたとき
- 試算表が黒字のうち
- 銀行から提案があったとき