【超基本】融資を受けるときに社長が銀行に伝えるべき7項目

【超基本】融資を受けるときに社長が銀行に伝えるべき7項目

会社が融資を受ける際、社長が銀行に伝えるべきことがあります。いうなれば、銀行融資の超基本です。これが伝えられないと、おもいどおりに融資が受けられなくなるので気をつけましょう。

目次

超基本、にもかかわらず。

会社が融資を受ける際、社長は、取引銀行の担当者に融資の依頼をするはずです。このとき、社長が銀行に伝えるべきことがあります。

逆に、伝えることができないと、おもったとおりの融資が受けられなかったり、融資が受けにくくなってしまったり、といった問題が起きやすくなるものです。

というわけで、なにを伝えればよいのかを押さえておきましょう。具体的には、次のとおりです↓

融資を受けるときに社長が銀行に伝えるべき7項目
  1. 融資希望時期
  2. 融資希望額
  3. 資金使途
  4. 返済期間
  5. 返済原資
  6. 担保・保証の有無
  7. 金利

これらを銀行に伝えることは、融資を受けるうえでの「超基本」でもあります。にもかかわらず、意外と伝えられていない社長がいるので、注意が必要です。

融資を受けるときに社長が銀行に伝えるべき7項目

融資希望時期

いつ融資が受けたいのか、いつまでに融資を受けたいのかを伝えましょう。

これを伝えておかないと、「銀行側の都合だけ」で融資時期を決められてしまうことがあります。つまり、後回しにされてしまうこともある、ということです。

おすすめは、文書にして渡すこと。このあとの6項目についてもあわせて文書にしておけば、融資時期をあやふやにされてしまうのを避けられますし、言った言わないになるのも避けられます。

なお、融資希望時期は、どんなに急ぎでも2週間以上は先にしましょう。銀行にも「審査」をする時間は必要です。それに、あまりに急ぎだと「資金繰りが逼迫している会社」と見られて、融資が受けにくくなることもあります。

ですから、融資の必要性については早めに検討をおこない、余裕をもって、1ヶ月前には融資の依頼ができるとよいでしょう。

融資希望額

銀行に対して「いくら借りられますか?」と聞いてしまう社長がいます。が、それはもっとも聞いてはいけないことです。なぜなら、銀行は「必要なおカネしか貸せない」からです。

言い換えると、「何に使うかわからないおカネを貸すことはできない」ということでもあります。融資の原資は、預金者からあずかった大事なおカネなのですから当然でしょう。

とはいえ、「いくらくらい借りられるかがわからなければ、いくら借りたいかも言いづらい…」ということもあるはずです。そこで、いくらくらい借りられるかの目安は、次の算式で計算できます↓

(税引後利益 + 減価償却費)×10 − 現在の借入金残高

あくまで目安ではありますが、上記の算式で計算した金額が「あといくらいくらい借りられるか」になります。この金額を大きく超えるような融資は難しいものと考えておきましょう。

資金使途

さきほど、銀行は「必要なおカネしか貸せない」と言いました。なので、融資希望額を伝えることが大事になるわけですが、その融資希望額とヒモづくのが「資金使途」です。

資金使途とは「借りたおカネの使いみち」であり、資金使途が決まらなければ、融資希望額も決まるものではありません。ゆえに、銀行からは必ず「資金使途」を確認されます。

ですから、社長は「融資希望額と資金使途はセット」で、銀行に伝えられるようにしましょう。

資金使途は大きく分けて2つ、設備資金と運転資金です。設備資金とは「設備投資に使うおカネ」であり、運転資金は「設備資金以外に使うおカネ」になります。

運転資金は、さらに細かく、「経常運転資金」「増加運転資金」「つなぎ資金」「季節資金」「納税資金」「賞与資金」などに分かれます。くわしくはこちらの記事も参考にどうぞ↓

返済期間

借りたおカネを何年で返すのか? これは、資金使途によって、自動的に決まる部分でもあります。

たとえば、設備資金であれば、原則「返済期間=耐用年数」です。つなぎ資金や季節資金であれば「売上入金時に一括返済」、納税資金や賞与資金なら「6ヶ月」など。

なお、経常運転資金や増加運転資金については、3〜5年くらいが一般的であり、やや幅があります。よって、長めの返済期間を希望するのであれば、その希望を伝えるようにしましょう。

返済期間を長くするのは、毎月の返済額を少なくできるため、資金繰りが安定するというメリットがあるからです。いっぽうで、返済期間が長くなるほど、金利は上がることは理解しておきましょう。

返済期間をとるか、金利をとるか。わたし個人としては、返済期間を長くすることをおすすめしています。わずかな金利を優先して、資金繰りが厳しくなるのでは融資を受ける意味が半減するからです。

返済原資

銀行にとって、大きな関心事が「貸したおカネを回収できるのか?」です。なので、社長は「借りたおカネは何をもって返済するのか?(=返済原資)」を伝えられるようにしましょう。

もっとも、資金使途によって返済原資は決まっています。設備資金であれば、対象設備によって得られる利益です。運転資金であれば、その後の売上入金が原資になります。

だとすれば、社長が伝えるべきは「利益」なり「売上入金」なりの確実性です。ほんとうに利益が出るのか? ほんとうに売上入金があるのか? を伝える、ということになります。

具体的には、設備資金であれば、「設備投資計画書」をつくって、「利益」の見込みを説明するのがよいでしょう。運転資金であれば、「資金繰り予定表」をつくって、「売上入金」の見込みを説明するのがよいでしょう。

このあたりを「口頭」で済ませようとすると、説得力に欠けるため、融資が受けにくくなります。

担保・保証の有無

返済原資に不安があれば、銀行は「担保・保証が必要だ」と考えます。たとえば、不動産や定期預金などを担保にとる。経営者保証をつけたり、信用保証協会の保証をつけたり。

これらは、最終的には銀行が決めることではありますが、社長の希望は伝えるようにしましょう。あまりに何も言わずにいると、銀行の言いなりになってしまうこともありえます。

担保については、設備資金でない限り、また、よほど財務状況が悪くない限りは、安易に提供するものではありません。担保価値がある資産があることを示す(一覧にして渡す)のでじゅうぶんだと考えます。

また、業績が良い会社は、経営者保証無し、信用保証協会の保証無しの融資をお願いするようにしましょう。つまり、無担保・無保証のプロパー融資です。

ただし、業績が良いことが前提ですから、そうでもないのにお願いをするのでは「ただの無理強い」になってしまいます。

金利

金利もまた、最終的には銀行が決めることです。ただそれでも、社長が何も言わずにいると、やっぱり銀行の言いなりになってしまうこともあります。ムダに金利が高くなるのは問題です。

なので、他行の金利を参考に提示するなどして、金利を高くされないように「牽制」できるとよいでしょう。

それから、もうひとつ。金利は下げることばかりを考えない、というのも大事なポイントです。むしろ、「金利が多少高くなってもかまわない」と伝えるのも1つの方法になります。

たとえば、前述した保証について、「金利が高くてもいいから経営者保証無しにしてほしい」とか、「金利が高くてもいいからプロパー融資にしてほしい」といった具合です。

経営者保証無しの融資、プロパー融資は、会社にとってメリットがあるものですから、金利を利用して交渉することも検討してみましょう。

まとめ

会社が融資を受ける際、社長が銀行に伝えるべきことがあります。いうなれば、銀行融資の超基本です。これが伝えられないと、おもいどおりに融資が受けられなくなるので気をつけましょう。

    融資を受けるときに社長が銀行に伝えるべき7項目
    1. 融資希望時期
    2. 融資希望額
    3. 資金使途
    4. 返済期間
    5. 返済原資
    6. 担保・保証の有無
    7. 金利
【超基本】融資を受けるときに社長が銀行に伝えるべき7項目

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