気がついたら、銀行から縁を切られていた。その銀行から融資を受けられなくなっていた… その原因をまとめてみます。うっかり縁を切られることがないように、確認をしておきましょう。
気がついたら出禁、みたいな。
気がついたら、銀行から縁を切られていた…! という会社があります。つまり、その銀行からは融資が受けられなくなっている。いうなれば、「出禁」の状態になっている、みたいな。
でも、なぜそんなことになってしまったのか? 社長が理解をしていないケースもあるようです。そこで、本記事では「会社が銀行から縁を切られてしまう原因」をまとめてみます。
おもなところでは3つ、次のとおりです↓
- 約束を破ったから
- ルールを守れないから
- 道義に反することをするから
それではこのあと、順番に見ていきましょう。うっかりやってしまうことがないように、じゅうぶん注意が必要です。
会社が銀行から縁を切られてしまう原因3選
約束を破ったから
銀行員は、約束に厳しい人たちです。銀行員という仕事柄、イメージでもわかることとはおもいますが、それでも銀行員を相手に約束を破る社長もいます。
すると、どうなるか? もはや言うまでもなく、嫌われます。いちどや二度であれば許されるとしても、三度めはないものと考えておきましょう。仏の顔も三度まで、です。
実際、銀行との約束に遅刻をしまくる社長がいます。銀行とのアポイントを何度も変更する社長がいます。これらは「約束を破る」に相当するものです。繰り返してはいけません。
約束を破るのもよくないですし、遅刻やアポ変更は、される側(銀行)が「軽んじられた」とも感じる行為です。銀行員でなくとも、相手のことを嫌いになるでしょう。
また、融資を受ける前提として、「口約束」をするケースがあります。たとえば、「当行での預金取引(売上入金や給与振込など)を増やしてほしい」という銀行の要望に対して、社長が口約束をしたようなケースです。
銀行は、その約束を前提として今回の融資を実行することがあります。預金取引を増やしてもらえれば、自行の預金残高も増えて安心・安全ですし、振込手数料収入を得ることもできるからです。
にもかかわらず、融資を受けてあとは知らんぷり… という社長がいます。知らんぷりとまではいかなくても、すっかり忘れてしまっていたり。もちろん、銀行は約束を忘れてなどいません。
約束の実行を促されても、言い訳ばかりの社長がいます(「そんなにすぐにはできない」とか)。あろうことか、逆ギレをする社長までいます(「そんな約束はおかしい」とか)。
こうなると銀行は、「この社長とはお付き合いできない」と考えて、以後は融資の申し込みがあってもお断りです。当の社長は「なんて冷たい銀行なんだ」などとおもっていたりもするので、気をつけましょう。
約束はカンタンにしない。約束をしたらきちんと守る。そういうことです。
ルールを守れないから
銀行は、ルールも大事にしています。ルールも守れないような会社におカネを貸せば、社会からは怒られてしまうからです。銀行は、社会の公器でもあります。社会のルールに厳しいのです。
なので、ルール違反をおいそれと見逃すわけにはいきません。では、どのようなルール違反があるかというと。最たる例は「粉飾決算」です。つまり、事実とは異なる決算書をつくる会社があります。
事実のままでは「赤字」であり、そのままでは融資が受けられない。そこで、事実とは異なる経理処理をほどこすことによって「黒字」の決算書をこしらえる。
これに気づいた銀行は、融資の申し込みがあっても断ります。会社にとって恐ろしいのは、今回断られるだけではなく、以降も断られ続ける… という点です。
銀行は、たったいちどの粉飾であっても、厳しい目を向けます。いちど粉飾をするような会社は、また粉飾をするに違いない、という見方です。銀行という商売を考えれば当然でしょう。
銀行が嫌うルール違反は、ほかにもあります。よく見られるところでいえば、「資金使途違反」です。
当初の「資金使途(借りたおカネの使いみち)」とは異なることにおカネを使ってしまう社長がいます。設備資金として借りたおカネを運転資金に使うとか、運転資金として借りたおカネでクルマを買ったり、株を買ったり…
銀行からすれば、「そんなことのためにおカネを貸したんじゃない!」ということであり、「もう次からは貸せない」ということにもなるわけです。
ついつい粉飾をしてしまう、あまり深く考えずに資金使途違反をしてしまう社長がいます。ところが、そういうことをしていると、銀行に縁を切られてしまうものと心得ておきましょう。
道義に反することをするから
抽象的なことを言うようですが、道義に反することをする会社を銀行は嫌います。もっとも、銀行員でなくとも、道義に反するような相手のことは嫌うわけですが。
では、銀行にとっての「道義に反する」とは? もう少し具体的にハナシをするのであれば、たとえば、「相見積もり」が挙げられます。よくあるのは「融資金利」の相見積もりです。
A銀行から、金利 1.5%で融資提案がありました。それをB銀行に伝えたところ、B銀行からは 1.4%で提案がありました。それをA銀行に伝えたら、1.3%で提案がありました。
それなら、B銀行は 1.2%だというのでB銀行に決定! 金利が下がってよかった、よかった。では済まないことがあります。A銀行から縁を切られるケースもあるからです。
A銀行にしてみれば、「はじめに提案したのはウチだし、そのあと金利を下げもしたのに」というハナシであり、金利の高低だけで銀行選びをする相手を嫌うのも当然でしょう。
じゃあ、B銀行からは好かれるか? というと、それも違います。B銀行にしてみれば「あすはわが身」です。「こういう会社には気をつけなければ」と、警戒されているものです。
似たようなことでいえば、「借り換えしすぎる」ような会社もよくありません。ちょっとでも融資条件がいいと、すぐに他行で借り換えをする。それをなんども繰り返すような会社です。
借り換えられる側の銀行としてはおもしろいものではなく、縁を切られる原因になりえます。
さらには、銀行員に対して「高圧的・威圧的」な社長も注意が必要です。ちょっとしたことで、すぐに銀行員を怒鳴りつける、その上司にクレームの電話をする、など。
もちろん、銀行からヒドいことをされたのならしかたありませんが、少々のことで声を荒げたりするのは得策ではありません。銀行からは「危険な会社・危険な社長」として敬遠されます。
また、そのようなハナシ(銀行員を怒鳴りつけたとか)は、他行にもしてはいけません。まるで武勇伝かのごとく話をする社長がいますが、それを聞いた銀行員は、「ウチも融資をするのはやめておこう」と考えるはずです。
まとめ
気がついたら、銀行から縁を切られていた。その銀行から融資を受けられなくなっていた… その原因をまとめてみました。うっかり縁を切られることがないように、確認をしておきましょう。
- 約束を破ったから
- ルールを守れないから
- 道義に反することをするから