1冊めに読んでほしい、と推せる本を書きました

1冊めに読んでほしい、と推せる本を書きました

2023年12月末に、本を出版しました。テーマは、中小企業の銀行融資・銀行対応について。類書はいろいろありますが、1冊めに読んでほしいと推せる本を書きました。というお話です。

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1冊めに読んでほしい、と推せる本を書きました

2023年12月末に、本を出版しました。銀行融資・銀行対応がテーマの本です↓

同テーマの本は、世の中にたくさんありますが。そのなかでも、「1冊めに読んでほしい」と推せる本を書きたい、その思いをカタチにしたのが本書です。

ちなみに、タイトルには「税理士必携」とあり、税理士向けの体裁をとってはいますが。内容としては、税理士だけではなく、「中小企業の銀行融資・銀行対応」を学びたい方にあまねく役立つものと考えています。中小企業の社長などは、その筆頭です。

話を戻して、「1冊めに読んでほしい」とはどういうことなのか?

たとえば、同テーマの本のなかには、はじめて読むには内容が難しすぎるものもあります。つまり、勉強をしようと手にとってはみたけれど、内容についていけずに挫折…みたいな。

それが勉強自体をやめてしまうきっかけになるのであれば、もったいないハナシです。なので、まずは、これから勉強を深めるにあたっての「素地」となる本があるといい。そう考えました。

また、難易度はともかく、ケーススタディ(事例学習)ばかりの本もあります。このとき、取り上げられているケースと、自社の状況に差を感じるほど、読者は当事者意識を持てなくなるものです。これでは、勉強に身が入りません。

と、そんなことにならないように、「1冊めに読んでほしい」と推せる本を書きました。わたしには、「世の中の裾野を広げる仕事をしたい(ゼロからイチに進もうとする人の後押しをしたい)」との思いがあり、本書はその一環です。

では、わたしが「1冊めに読んでほしい本」を書くにあたって、どのようなことを考え、どのようなことを実践してきたのか。ということについて、お話をしてみます。

僭越ながら、どのようなテーマであれ「1冊め」にふさわしい本が、世の中に増えるといいなと願いつつ。僭越ながら、「1冊め」にふさわしい本を書きたい、と考える人が増えることを願いつつ。

1冊めに読んでほしい、と推せる本を書くために

ノウハウではなく、ノウホワイ

さきほど、ケーススタディばかりの本では、当事者意識が持てないといいました。

そこに対して、本書では「汎用性」に重きを置いています。つまり、A社であってもB社であっても通じるであろう銀行融資・銀行対応の「考え方」を書き尽くしました。

ここでいう「考え方」とは、「ノウホワイ(なぜそうなるのか)」です。これがわかっていると、状況が変わっても、状況にあわせて柔軟に対応できるようになります。A社であってもB社であっても対応できる、ということでもあります。

いっぽうで、ノウホワイをなおざりにし、ケースごとの「ノウハウ(どうやるか)」しか知らずにいると、状況がちょっと変わっただけで対応できなくなるものです。見当違いのノウハウを実行するばかりで、さらなる状況の悪化を招きかねません。

たとえば、金利交渉のノウハウを知った社長が、銀行相手に交渉をしまくる。ところが、その会社は、金利以前にまず、いかに多く借りるか・長く借りるかが大事な状況にある…交渉を嫌った銀行に、融資自体を断られるのでは元も子もありません。

そのようなことになってしまうのは、なぜそのノウハウが必要なのかという「ノウホワイ」を理解していないからです。

なので、1冊めに読んでほしい本を書くのであれば、「ノウホワイ」の記述が必要だと考えています。この点、世の中(読者)は、お手軽なノウハウを求めがちです。そのギャップに気づきましょう。

同テーマの本を読み漁る

ギャップに気づけ、といわれても…と、おもわれるかもしれません。そこでおすすめなのが、同テーマの本を読み漁ることです。文字どおり、読んで読んで読みまくります。

すると、全体としての傾向も見えてくるでしょう。繰り返しになりますが、「ノウハウばかりの本が多いぞ」とか。あるいは、「〇〇の項目には触れていない本が多いぞ」とか。

だから、わたしは「ノウハウばかりにならないように」と考えられるようになりましたし、類書にはあまり書かれていない部分も、漏らさずに書くことができました。

その結果として、全500ページという大容量にはなりましたが、その大容量もまた、類書との「差別化」になっているものとおもいます(本を読むのが苦手な方には敬遠されるでしょうが)。

もちろん、容量が多ければいいというものでもありません。話をコンパクトにまとめることも大切です。ただし、コンパクトにまとめることと、端折ることとは違います。

容量が少ない本の場合には、コンパクトにまとめたのではなく、端折られた箇所が多いということはあるものです。では何が端折られるのか?お察しのとおり、「ノウホワイ」です。

ノウホワイは、ややもすると「なくても読める」との考えから、しばしば端折られます(世の中のありとあらゆる文書で散見される)。その弊害が読者に及ぶことは前述したとおりです。

また、同テーマの本を読み漁るときには、古い本(昔に発行された本)にもふれることをおすすめします。古い本の内容と、あたらしい本の内容とを比較することで、差異や変化を知ることができるからです。

要は、そのテーマにおける「歴史」を学べるということになります。歴史に学べとか、歴史は繰り返されるなどという助言もあるほどですから、古い本にも相応の価値はあるのです。

素人・他人の声を聴く

1冊めに読んでほしい本、という話をしています。1冊めということは、想定読者は「初心者・入門者」です。ゆえに、同じ項目を伝えるのでも、伝え方の難易度調整を要します。

わかりやすいところでいえば、「あたりまえのように専門用語を使わない」とか。といわれると、難易度調整など造作もありませんよ、そうおもわれるかもしれませんが。実は、難しいものです。

なぜなら、人は、じぶんが書いた文章は正しいと「おもいこんでいる」から。わたしが知る限り、古今東西の作家・著書がそろってクチにしていることです。

それでも、じぶん自身で「推敲(文章を見直す)」できればよいわけですが、カンタンにいくのであれば苦労はしません。有効な解決策は、素人・他人の声を聴くことだといってよいでしょう。

わたしも、こうしてブログを書いたり、書籍の執筆をしたときには、公にするまえにまず、妻に一読してもらっています。銀行融資・銀行対応について妻は素人なので、妻が理解できるかどうかは、ひとつの難易度調整になるものです。

この点、本書のように商業出版の場合には、出版社・編集者の「目」が入ります。つまり、他人の目です。すると、難易度調整ばかりではなく、さらに精緻な指摘によって、より伝達力を高められる可能性があります。

いずれにせよ、じぶんが書いた文章に「ケチをつけられる」のはツラいものです。ところが、「ケチをつけられる」などと受け止めている時点で、致命的なおもいこみが潜んでいるともいえるでしょう。

ゆえに、「じぶんの文章には間違いや、不十分があるかもしれない」と考え、素人・他人の声を聴くことは、1冊めに読んでほしい本を書くのに役立つはずです。

まとめ

2023年12月末に、本を出版しました。テーマは、中小企業の銀行融資・銀行対応について。類書はいろいろありますが、1冊めに読んでほしいと推せる本を書きました。

というわけで、実際に書くにあたって、どのようなことを考え、どのようなことを実践してきたのかについて、お話をしてみました。どのようなテーマであれ「1冊め」にふさわしい本が、世の中に増えるといいなと願っています。

1冊めに読んでほしい、と推せる本を書きました

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