わたしが執筆をした本が重版出来となりました。「初出版・500ページ・4,000円」という重い十字架を背負いながらも、重版にいたったのはなぜなのか?お話をしてみることにします。
重版出来!
きょうは、2024年3月16日。わたしが執筆をして、2023年12月末に発売された『税理士必携 顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック』の2刷が、先日、重版出来(じゅうはんしゅったい)となりました。
重版、つまりは、初版の発行部数を上回り、さらに追加での発行となったわけです。単著での初出版も嬉しいものでしたが、あこがれの重版にいたり感無量です。
それはさておき、本書『税理士必携 顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック』は、いくつかの「重い十字架」を背負っていました。具体的には、次のとおりです↓
- 著者にとって、初の単著
- なのに、500ページで分厚い
- しかも、価格は4,000円(税別)
狭い世界でいえば、わたしのことをご存知の方はいるにしても、一般的には「無名の著者」に違いありません。にもかかわらず、はじめっから500ページという大容量で、その結果として4,000円という、けして安くはない価格にもなりました。
だとすれば、それらは「重い十字架」なのであり、重版にいたったのはどれだけ凄いことか!
と、手放しで自画自賛するものでもないよね。というのが、このあとのお話です。ではなぜ、「初出版・500ページ・4,000円」でも、重版にいたることができたのか?おもに、3つあるものと考えています↓
- 凄まじい時間を投下してきたから
- 多くの人の助けを借りられたから
- 既存のニーズに応えただけだから
このあと、順番にお話をしていきます。
初出版・500ページ・4,000円でも重版にいたったワケ
凄まじい時間を投下してきたから
初出版という「経験不足」のなかでも、わたしが500ページを執筆できたのは、それ以前に「凄まじい時間」を投下してきたからです。
つまり、「書く(執筆)」ということに膨大な時間を費やしてきました。ちまたで目安にされる1万時間など優に超えています。そこまでしてやっと、初出版にいたったわけです。そういう意味では、全然凄くない。むしろ、凡人オブ凡人です。
とはいえ、わたしはけして「じぶんを卑下している」のではありません。卑下しているのではなく、わたしには「自負がある」ということです。休むことなく書き続けてきたという自負。
世の中が盆暮れ正月でお休みだろうが、少々、気持ちが滅入っているときであろうが(たまにはそういうこともあります)、わたしは休むことなく書き続けてきました。期間でいえば、およそ8年です。飽きっぽいわたしにしては、よく続いています。
とはいえ、自負などというのは自己満足でもあり、わたしが言いたいのは「才能があったわけではない」ということです。かつては、わたしも「出版には才能が必要」と考えていたこともありました。でも、いまは「才能が必須ではない」と考えています。
もちろん、才能はあるならあったほうがよいでしょう。ですが、ないからといってあきらめるものでもない。「初出版・500ページ・4,000円でも重版」という実体験をへて、わたしは断言できます。
時間を投下することで、才能に並ぶことも、才能を超えることも可能である。持論です。
多くの人の助けを借りられたから
それじゃあ、時間を投下すれば、必ずしも「初出版・500ページ・4,000円でも重版」できるのかといえば、そういうわけでもありません。わたしができたのは、多くの人の助けを借りられたからです。
具体的にいうと、まず、わたしのことを出版社に紹介してくださった方々がいました。執筆がはじまってからは、意見をくださり、細やかな編集を手伝ってくださった出版社の担当者さんがいました。
担当者さん以外にも、書籍タイトルを決めたり、デザインを決めたり、印刷・製本などに多くの方々が関わっています。さらには、できあがった本を、書店に並べてもらうよう営業してくださる方々もいるわけで。とても、わたしひとりでできることではありません。
そういう意味で、「初出版・500ページ・4,000円でも重版」できたことについて、わたし自身が凄いなどとはいえず、多くの人の助けがあってこそです。では、それらの助けを得るにはどうしたらよいか。
わたしにとっては、前述したとおり「凄まじい時間を投下する」ことでした。結果として、積み上がった文章(ブログやメルマガなど)が「信頼」となり、ひいては「つながり」になったのだと考えています。
だとすれば、信頼やつながりも、一朝一夕にできるものではありません。ツキナミな言葉にはなりますが、「コツコツが大事」であること身に沁みて感じています。
既存のニーズに応えただけだから
今回、わたしが執筆した本は「中小企業の銀行融資・銀行対応」がテーマであり、あたらしいテーマというわけではありません。むしろ、テーマ自体は昔からあるものだといえます。
また、内容としても斬新なところはなく、あらたなニーズを喚起するような類の本でもありません。ですから、競合する書籍は多く、いわゆるレッドオーシャンでの出版にあたるでしょう。
そういう点では、まったくもって凄くありません。どちらかといえば、あたらしいテーマや、斬新な内容で、あらたなニーズを掘り起こすような革新的な本がカッコいいし、あこがれます。
とはいえ、ないものねだりもできません。いっぽうで、既存のニーズに応えるだけでも「初出版・500ページ・4,000円でも重版」にいたることができたのは、なぜなのか。
まずは、真正面から既存のニーズに応えたことはあるでしょう。競合する書籍が多いのは、ニーズが「多い」ことの証ではあります。そのなかで差別化できれば、手にとってもらえる機会・役立ててもらえる機会も増えるわけで。
この点、500ページという大容量は、わたしにとって差別化のポイントでした。容量があれば、幅広く網羅できますし、丁寧な解説を添えることがかないます。わたしから見ると、競合する書籍の多くは内容に偏りがあり、解説が不足しているのです。
ところが、容量を増やせば印刷コストなどの兼ね合いから、価格を上げざるをえません。価格が上がれば手に取る人が減るというのが、一般的な見方であり、出版社としてはできるだけ量を減らしたいとの思いがあるでしょう。
なので、初出版にもかかわらず、500ページまで許容していただいた出版社さんには、とても感謝をしています。別の出版社であれば、「もっと減らして!」と言われたかも知れませんし。
ちなみに、たくさん書くのも容易ではないものです。文章が増えれば、前後のつながりなど構成力が問われるものですし、なにより「根気」を必要とします。そこはやはり、凄まじい時間を透過してきた過去がモノをいう、というものです。コツコツは裏切らない。
まとめ
わたしが執筆をした本が重版出来となりました。「初出版・500ページ・4,000円」という重い十字架を背負いながらも、重版にいたったのはなぜなのか?お話をしてみました。
初出版を目指している方の、ご参考になるようでしたら幸いです。
- 凄まじい時間を投下してきたから
- 多くの人の助けを借りられたから
- 既存のニーズに応えただけだから