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資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴

資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴

世の中には、資金繰りが厳しい会社とそうでない会社とがあります。では、資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴とは何なのか?そのような会社にならないために、押さえておきましょう。

目次

ざっくりと2つに分けられる

世の中にはたくさんの会社がありますが、ざっくりと2つに分けることができます。資金繰りが厳しい会社と、そうではない会社の2つです。

もちろん、社長としては「前者(資金繰りが厳しい会社)」を避けたいところでしょう。ところが、けして少なくはない数の会社が、前者にあてはまっている現状があります。

では、資金繰りが厳しい会社に共通することとは何なのか?資金繰りを厳しくしないために、あるいは、すでに厳しい資金繰りから脱却するために、このあとのお話を確認しておきましょう。

ずばり、資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴がこちらです↓

資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴
  • 試算表がない
  • 資金繰り表がない
  • 経営計画書がない

これらについて、順番に解説をしていきます。

資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴

試算表がない

1年にいちど、業績を把握するのが決算書なら、1か月にいちど、業績を把握するのが試算表です。決算書はつくるけれど(つくらないと税務申告できないから)、試算表はつくらない会社があります。

そのような会社は、資金繰りが厳しくなる傾向にあることは覚えておきましょう。ややもすると、「別に、試算表がなくても業績などだいたいわかる」と、社長は考えるのかもしれませんが。

売上はともかく、利益まで正確に言い当てられる社長はいないと言ってよいでしょう。正確にはムリにしても、だいたいですら言い当てられない社長も珍しくはありません。

毎月の棚卸(在庫)や減価償却などによる影響を、具体的な数字で把握できていない社長もいるからです。ゆえに、社長がイメージする利益と、試算表の利益とはしばしばズレが生じます。

だから、そのズレを正すために試算表が必要なのです。

そもそも、キャッシュフローのおもな構成要素が利益であることは理解しておきましょう。キャッシュフローとは「増えるおカネ」のことであり、端的にいえば「税引後利益+減価償却費」で計算されます。

というように、減価償却費をさておけば、キャッシュフローの正体とは「利益」です。それも、税引後利益なのですから、税金(法人税や消費税など)も考慮する必要があります。

さて、社長は試算表なしに、税金まで考慮はできているのでしょうか(できるはずがない)。かくして、キャッシュフローを把握できていない社長は、キャッシュフローの不足に気づくのが遅れることになります。

おカネが足りなくなってから銀行に駆け込むことになるため、銀行からは警戒されて融資が受けにくくなる。そして、ますます資金繰りが悪くなる…

社長は、試算表を甘く見ないことですし、肌感覚(試算表なしに業績を把握しようとする)を過信しないことです。

資金繰り表がない

いましがた、キャッシュフローの話をしました。が、キャッシュフローがわかるだけでも、社長にとっては不足です。なぜなら、キャッシュフローでは「おカネの動き」まではわかりません。

たとえば、いまから6ヶ月後の預金残高はどれくらいになりそうか。キャッシュフローからはわからず、さらにいえば、試算表からはわからない…ということです。

とはいえ、社長にとって大事なことは「預金残高」であることはいうまでもないでしょう。預金が尽きれば会社はおしまいです。だとすれば、将来の預金残高を把握することが、大切だとわかります。

そこで、資金繰り表です。ここでいう資金繰り表とは、月ごとの入金額・出金額を把握し、毎月末の預金残高を予測するための帳票をいいます。

向こう6か月〜1年ていどの資金繰り表があれば、社長は資金不足を早めに察知することができるため、余裕をもって資金調達(≒ 銀行借入)に動くこともできるでしょう。

また、資金繰り表があると、銀行は融資の検討がしやすくなります。おカネを貸す側にとって、「将来、返済できるだけのおカネがあるのか」は関心事だからです。資金繰り表で、返済できることがわかれば、銀行は融資をしやすくなります。

つまり、資金繰り表があると、その会社は早く対応ができるので資金繰りが悪くなりにくい、融資も受けやすくなるので、さらに資金繰りが悪くなりにくい、ということになるわけです。

逆に、資金繰り表がない会社はどうでしょう。当然、資金繰り悪化への対応が遅れますし、銀行は融資の検討もしにくくなるので、融資が受けにくくなる。そして、なお資金繰りが悪化します。

だとすれば、資金繰り表をつくるのはあたりまえのことなのですが、そのあたりまえができていない会社は少なくありません。

経営計画書がない

前述した資金繰り表をつくっている会社は、どちらかといえば少数派です。では、経営計画書はどうかというと、さらに少数派となります。中小企業に関していえば、10社に1社もつくっていないでしょう。

なぜか?おもに、理由は2つあります。計画を軽視しているから、あるいは、メンドーだからです。

まず、前者。計画を軽視するのは、計画を「占い」と勘違いをしている社長です。計画なんて、つくってもどうせそのとおりにはならない。だから、つくっても意味がない。みたいな。

ところが、大事なことは、そのとおりになるかどうかではありません。「計画(方向性)と、現状のズレをはかるモノサシ」というのが、経営計画書の本質です。

まず、計画をつくることで、社長(自社)が目指す方向性をあきらかにする(明文化、言語化する)。これにより、社内外とも共有ができますし、現状との対比もできるようになります。

ところが、計画がなければ、方向性を共有できないことから、事業を進めるにあたってはデメリットがあり、あるべき方向性と現状とのズレに気づきにくくなるのもデメリットです。

それから、もうひとつ。経営計画書をつくらない理由として、メンドーだからが挙げられます。計画をつくるには時間と手間がかかるため、それがイヤだということです。

また、計画をつくろうにもつくりかたがわからない…というのも似たようなものでしょう。わからなければ、やはり時間と手間をかけてでも勉強をすればよいだけです。

ゆえに、経営計画書がない会社に対して、銀行は「経営管理能力・意欲がない会社(社長)」との見方をすることがあります。当然、融資が受けにくくなるので、資金繰りにはマイナスです。

まとめ

世の中には、資金繰りが厳しい会社とそうでない会社とがあります。というわけで、資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴とは何なのか?について、お話をしました。

自社の資金繰りを厳しくしないために、あるいは、すでに厳しい資金繰りから脱却するために、それらの特徴を押さえておきましょう。

資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴
  • 試算表がない
  • 資金繰り表がない
  • 経営計画書がない
資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴

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