コーヒースケール「HARIO POLARIS」を買いましたので、レビューです。同じくHARIOの「V60ドリップスケール」もこれまで使ってきましたから、それとの違いも含めてお話をしていきます。
V60ドリップスケールだって持っているけど
自家焙煎するくらいにはコーヒー好きな税理士、モロトメジョーです。きょうも、コーヒーしてますか?
さて、今回は「コーヒースケール」のレビューです。コーヒースケールとは、コーヒー豆とお湯の量をはかりつつ、抽出時間も同時に計測できる、というコーヒーアイテムになります。
で、コーヒーアイテムといえばの「HARIO」から、あたらしいコーヒースケール「POLARIS(ポラリス)」が発売されたので、おもわず買ってしまいましたよ、ということでのレビュー記事です↓
「買ってしまいました」などというのも、いま現在、すでにコーヒースケールは持っているからですね。同じくHARIOの製品で「V60ドリップスケール」がウチにはありますし、これまでも使っていました↓
ですが、このたびの「POLARIS」はちょっと違うぞ…ということで。「V60ドリップスケール」との違いなんかにもふれながら、レビューをしてみます。それでは、はじめていきましょう。
HARIO POLARISをレビュー
ポラリスモードが売り
製品名でもある「POLARIS(ポラリス)」って何?と、おもわれるかもですが。ポラリスとは、北極星のこと。この点、HARIOによれば…
パーセント表示が北極星となり、あなたを美味しいコーヒーへと導きます。
なるほど、なるほど。では、ここでいう「パーセント表示」とはなんなのか?
注ぐべきお湯の量に対して、いまじぶんがどれくらいのお湯を注いでいるのかを、リアルタイムでパーセント表示してくれる。この機能を、「ポラリスモード」として搭載しています。
実際の表示は、こんな感じです↓
表示部の上部・中心に、「22%」という表示があります。なので、注ぐべきお湯の量のうち、22%までお湯が投入されていることがわかるのですね。
22%とは、「すでに注がれたお湯の量 78.8g ÷ 注ぐべきお湯の量 351g」で計算されています。と聞いて、「注ぐべきお湯の量 351g」はどこから出てきた?と、おもわれるかもしれませんが。
そこも、ポラリスモードです。HARIO POLARISに、コーヒーサーバーとドリッパー、ペーパーフィルターをセットし、そこにコーヒー粉を投入すると、自動的に注ぐべきお湯の量が計算されます。スゴイぞ、ポラリスモード!
ちなみに、表示部の上部・左端にある「1:15」が、いわゆる「ブリューレシオ(抽出比率)」です。コーヒー粉の量が1に対して、お湯の量が15、と設定されていることをあらわします。
もちろん、ブリューレシオは変更することが可能です(0.5単位で)。このあたり、「V60ドリップスケール」だと、じぶんのアタマのなかで計算をしなければいけません。これがね、意外とメンドーなのさ…というハナシです。
ところが「POLARIS」であれば、ブリューレシオにアタマを悩ませる必要もなく、お湯の投入量も「パーセント」で目に見えてわかる。コーヒーを淹れるのに、より集中できるというわけです。これぞPOLARIS(=北極星)。
パーセント表示が再現性のキモ
お湯の投入量も「パーセント」で目に見えてわかる、といいました。でも、おもわれるかもしれません。「いやいや、パーセントの表示に何の意味があるの?いま注がれているお湯の量(g)がわかればいいでしょう?」と。
違うんだな、これが。ここで、世界のバリスタ・粕谷哲氏の「4:6メソッド」にふれねばなりません。コーヒー好きであれば、説明不要といったところでしょうが。
そもそも「4:6メソッド」とは、注ぐお湯の量を40%と60%にわけて、味と濃度の調整をするなハンドドリップの手法です。これさえ守れば、誰でもおいしいコーヒーをいつでも淹れることができるんだ!と、粕谷哲さんはいいます。
つまり、「4:6メソッド」は、再現性を高めるハンドドリップ手法なのです。いっぽうで、そのあたりを、そのときの気分であったり、雑に扱ったりしていると、淹れるたびに味はバラツキます。コーヒーは繊細なのです。
じゃあ、4:6メソッドでコーヒーを淹れようか。となったときに、意外とメンドーなのは、「いま、何%のお湯を注いだんだっけ?」です。注ぐべきお湯の量が「きれいな数字(300gとか)」だったらいいでしょう。
ですが、1g単位の数字だってありえます。となると、アタマのなかでパーセントを計算しながら、お湯を注ぐのはなかなかに難儀です。おかげで手元が危うくなる…ことだってあるでしょう。
ここで、ポラリスモードです。「HARIO POLARIS」なら、表示部のパーセントだけを見ていれば、あとはお湯を注ぐことに集中できます。結果、美味しいコーヒーを淹れる再現性が高まるのです。ありがとう、ポラリス。
なお、「HARIO POLARIS」の説明書によれば、粕谷哲氏の「4:6メソッド」にもとづき、次のような抽出が推奨されています↓
- スタート → 20%注ぐ
- 45秒経過 → 20%注ぐ
- 1分30秒経過 → 20%注ぐ
- 2分15秒経過 → 20%注ぐ
- 2分45秒経過 → 20%注ぐ
- 3分30秒経過 → ドリッパーを外す
というわけで、5回に分けてお湯を注ぐことになります。このうち、前半の40%についてが「味わい」を決め、後半の60%が「濃度」を決めるという考え方が、4:6メソッドです。
なので、上記の抽出を標準として、アレンジを加えることで、味わい・濃度を調整できて、その再現性も高められることになります。
より甘い味わいを目指すのであれば、前半の40%は「15%と25%」に分ける。より明るい味わいを目指すのであれば、前半の40%は「25%と15%」に分ける。ということが、推奨されています。
また、薄めのコーヒーを目指すのであれば、後半の60%は「30%と30%」の2回で注ぐ。さらに、より薄いコーヒーを目指すのであれば、後半の60%は1回で注ぎ切ることが推奨されています。
いずれにせよ、そういった調整をするときに、ポラリスモードが頼りになるわけです。
V60ドリップスケールとの外観比較
では、V60ドリップスケールと外観を比較してみます。まずは上部から。左側が「V60ドリップスケール」で、右側が「POLARIS」です↓
黒なので、ホコリが目立ちますね。写真だととくに。「HARIO POLARIS」は、ホワイト(真っ白!)もあってカッコよかったのですが、コーヒー液で汚れるであろう未来が見えてしまい、勇気が出ませんでした…
続いて、背面。電池入れのフタをとったところで↓
というように、「V60ドリップスケール」は単4電池が2本、「POLARIS」は単3電池が3本です。
電池も含めた重量は、「V60ドリップスケール」が275gくらい。いっぽの「POLARIS」は430gくらい。なので、POLARISのほうはズシッときますが、そうそう持ち歩くものでもないでしょうから問題はありません。
で、さきほど、「POLARIS」の液晶部は確認しましたが、「V60ドリップスケール」の液晶部はこんな感じです↓
「POLARIS」に比べると、だいぶクラシカル。計測できるのは、重さと時間のみ。ブリューレシオの計算や、パーセント表示はできません。まぁ、これでもじゅうぶんといえば、じゅうぶんなのですが。
なお、「POLARIS」にも、重さと時間のみを計測する(その他は非表示)ための「クラシックモード」があります。なので、「たまには、クラシカルに淹れたいのだ」という希望もかなえてくれます(そんな希望ある?)。
さいごに、気になるお値段を
では、さいごに気になるお値段のお話です。まずは、「HARIO POLARIS」から。
ずばり、8,800円です!うーん、けっこう高い…でも、ポラリスモードはかなりよい。そして、外観としての見た目にも、「V60ドリップスケール」に比べて、あきらかに高級感があるし、所有欲を満たしてくれます。
これに対して、「V60ドリップスケール」のお値段は…7,700円。うぉ、こっちも同じくらいに高いじゃない。とおもいきや、それは定価であって、Amazonなどでは4,000円くらいで買えそうです。
はい、この価格差をどう見るか。「HARIO POLARIS」は「V60ドリップスケール」のほぼ倍… あとは、あなたしだい。両製品を使ってみた僕の意見は、さいごの「まとめ」に書きます。
まとめ
コーヒースケール「HARIO POLARIS」を買いましたので、レビューしました。同じくHARIOの「V60ドリップスケール」との違いは、なんといっても、抽出により集中できるところでしょう。実際、集中できます。
予算の問題をクリアできるのであれば、「V60ドリップスケール」よりも「HARIO POLARIS」が断然おすすめです。