黒字なのに資金繰りが厳しい3大要因はズバリこれ

黒字なのに資金繰りが厳しい3大要因

黒字なのに資金繰りが厳しい。一見すると、おかしなハナシに聞こえるかもしれませんが、実際には散見される状況でもあります。というわけで、その3大要因についてのお話です。

目次

基本的にはそのとおりだ

黒字の会社であれば、つまり、利益が出ている会社であれば、資金繰りはよいはずだ。というのは、ふつうの考え方でしょう。また、基本的には、そのとおりだといえます。

利益が出ていればおカネは増えますし、だとすれば、資金繰りがよくなるのは当然です。

ところが、実際には「黒字なのに資金繰りが厳しい…」という会社は少なくありません。なぜなのか?その要因について、おもなものを3つ挙げてみることにしましょう。ズバリこちらです↓

黒字なのに資金繰りが厳しい3大要因
  • 売上増加している
  • 借入の返済が多い
  • ムダな支出が多い

これらを見て、「えっ、そうなの?」というものがあったり、「ウチももしかしたら…」と心当たりがあるようならば、このあとの話を確認しておくのがよいでしょう。

3大要因について、順番に解説していきます。

黒字なのに資金繰りが厳しい3大要因

売上増加している

売上が増えて利益も増えて黒字。ところが、資金繰りは厳しくなるばかり…というのは、意外と「あるある」です。なぜなら、売上が増えると、売掛金や在庫が増えるからです。

売掛金は入金を待っている状態であり、在庫もまた販売されておカネになるのを待っている状態となります。だとすれば、売掛金や在庫が増えれば、資金繰りが悪くなることはわかるでしょう。

ところが、「売上が増えているのだから、おカネは増えるはずだ」とのイメージから、それに気づかずにいる社長がいます。結果として、黒字なのに資金繰りが厳しい…となるのです。

売上が増え続けている会社、売上が急激に増えている会社ではとくに、資金繰りが厳しくなります。長期的に見れば、売上が増えるとおカネも増えますが、短期的には資金繰りが厳しくなることは覚えておきましょう。

では、どうするか?売上が増えるのにあわせて、銀行から「経常運転資金(売掛金+棚卸資産ー買掛金)」分の融資を受けることです。売上が増えると経常運転資金も増えるのであり、これを「増加運転資金」と呼びます。

銀行は、基本、増加運転資金の融資にはポジティブです。いうまでもなく、「売上増加・利益増加」というポジティブな裏付けがあるからであって、借りやすい融資にあたります。

増加運転資金の融資を、積極的に利用していきましょう。

借入の返済が多い

借入金の返済原資は、利益。だとすれば、「税引後利益<借入返済額」のときに、資金繰りが厳しくなることはわかるでしょう。黒字だとしても、借入返済額よりも少なければ、手元のおカネはなくなっていくということです。

仮に、税引後利益が300万円で、年間返済額(利息を除く)が500万円の会社であれば、年間200万円のおカネが減っていくことになります。300万円の黒字でも、です。

したがって、減っていく200万円によって、社長は「資金繰りが厳しい」と感じることになります。では、どうるすか?

足りない200万円について、あらたに借入をするのも1つの方法であり、実際にそうしている社長も少なくないでしょう。ところが、それでは根本的な解決にはなりません。

まずは、「借入の返済が多すぎないか」を確認してみましょう。具体的には、「借入金残高÷年間返済額」を計算します。これが、5年を下回るような場合は、返済のスピードが速すぎることで、返済額が大きくなっているのかもしれません。

対応としては、あらたな借入によって、既存の借入を借り直し(=借り換え)、このとき返済期間を5年にできれば、年間返済額を減らすことができます。

資金繰りの改善ということで、融資を受けている銀行に相談してみるとよいでしょう。

ムダな支出が多い

ここでいう、ムダな支出とは。最たるものは、社長個人への貸し付けです。会社のおカネを、社長個人が使った場合には、決算書に「貸付金」が掲載されます。これは、銀行が嫌うものの1つでもあるので気をつけましょう。

会社に貸したはずのおカネが、社長個人に流れれば、会社の資金繰りが厳しくなるのはあたりまえです。次も同じようなことになるかも…とおもえば、銀行は以後の融資を控えもします。

また、利益を生み出さない資産の購入なども、ムダな支出の典型です。たとえば、豪華すぎる社長車とか。社長車自体が悪いわけではないものの、社長車が利益を生み出さず、一方的な支出であれば、資金繰りは悪くなります。

ほかにも、稼働率が低い製造機械や、空きスペースが多い倉庫、分不相応な本社社屋なども同様です。さらには、投資対象としての不動産や株式・投資信託の購入なども、同じ結果を招きます。

不動産や株式・投資信託などに関しては、損失が発生することもあり、その場合に資金繰りに与える悪影響は大きなものです。それを見た銀行は、「投資をするような会社に、おカネは貸せないぞ」とも考えますから、会社にとっては二重苦だといえます。

銀行は、ムダな支出をする会社を嫌い、融資を控えることは忘れないようにしましょう。銀行から借りたおカネは、使わなければ、そのおカネでいつでも完済できます。が、ムダな支出におカネが使われれば、借入だけが残ってしまう…その違いを、理解することが大切です。

まとめ

黒字なのに資金繰りが厳しい。一見すると、おかしなハナシに聞こえるかもしれませんが、実際には散見される状況でもあります。というわけで、その3大要因についてのお話をしました。

それを聞いて、「えっ、そうなの?」というものがあったり、「ウチももしかしたら…」と心当たりがあったようならば、同じ轍を踏まないように気をつけていきましょう。

黒字なのに資金繰りが厳しい3大要因
  • 売上増加している
  • 借入の返済が多い
  • ムダな支出が多い
黒字なのに資金繰りが厳しい3大要因

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