利益が出たら繰り上げ返済!ではなく、もっと借りる

利益が出たら繰り上げ返済!ではなく、もっと借りる

利益が出たら繰り上げ返済をする、という社長がいます。ですが、むしろもっと借りるのがおすすめです。そんなバカな、とおもわれるかもしれませんので、そのあたりを解説していきます。

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そんなバカなハナシがあるか

会社で利益が出たらどうするか?

そうだ、繰り上げ返済をしよう!と考える社長がいます。つまり、銀行からの借入を予定よりも早く返してしまおう、ということです。借金があるのは気持ちが悪いから、と。

ところが、これは悪手だといえます。結論から述べるのであれば、繰り上げ返済するよりもむしろ、もっと借りることです。借入を減らすのではなくて、もっと増やすことです。

いやいや、そんなバカなハナシがあるか!と、おもわれるかもしれませんが。けしてバカなハナシではないことを、このあとお伝えしていきます。

これを知らずに繰り上げ返済しているようだと、のちに困ったことになるかもしれません。

利益が出たらもっと借りよ

さて、利益が出たらもっと借りることだといいました。まずは、その理由からお話をしてみます。ずばり、利益が出ているときのほうが借りやすいからです。

ではなぜ、利益が出ていると借りやすいのか?銀行は、「利益=返済力」と見ているからです。よって、利益が多ければ多いほど借りやすい状況にあります。

だとすれば、利益が出ているときというのは、いままでよりも「さらに多く」借りることができるチャンスだとわかるでしょう。では、どのくらい多く借りられるのか?

かなり雑ではあるものの、ひとつの目安を示すのであれば「増加した税引後利益の10倍」です。たとえば、例年に比べて税引後利益が300万円増えたとしたら、その10倍、3,000万円をさらに借りられるチャンスだ、ということになります。

なので、その3,000万円を借りにいきましょう。そういう話です。

銀行借入は減らさず増やせ

いやいや、できることなら借金は減らしたいのに(借金があると気持ちが悪い)、3,000万円も借りてどうするのか?

いざというときに備えるのです。ここでいう「いざ」とは、大きく分けて2つ。会社のピンチ(赤字補てん)と会社のチャンス(設備投資)です。いずれでも、少なくはないおカネが必要です。

そのときになって、必要なおカネが借りられるかはわかりません。とくにピンチのときには、銀行が警戒をして、融資をしてくれないケースが多くなります。

にもかかわらず、黒字のときには繰り上げ返済をして、赤字になって資金繰りに窮しているようでは、なにをやっているかわからなくなってしまうでしょう。

なにより、これまでよりも多く借りることが重要です。さきほどの例でいえば、3,000万円。その金額は、これまでよりも利益が出たからこそ狙える金額であることを忘れてはいけません。

銀行は過去の実績がお好き

3,000万円はいつでも借りれるわけではありません。なぜなら、銀行は過去の実績を重視するからです。たとえば、これまで最大で5,000万円までしか貸したことがなければ、5,000万円を超えて貸すことには躊躇します。

逆に、5,000万円までであれば、これまでの返済実績があるので「貸してもだいじょうぶだろう」と考えるものです。なので、当初5,000万円の借入が、返済を続けて残高3,500万円となったときに、1,500万円を借りること(残高5,000万円まで借りること)は難しくありません。

問題はこの先です。前述したとおり、銀行は過去の実績を重視するため、残高5,000万円を超えて貸すことを躊躇します。融資審査が、より慎重になるということです。

それでもなお、5,000万円を超えて借りるためには、それだけの「材料」が必要になります。その材料のひとつが「利益」です。例年に比べて税引後利益が300万円増えたとしたら、さらに借りられる金額の目安が3,000万円であることは前述しました。

であれば、いざというときのために、利益が出たいまこそ、3,000万円を借りにいきましょう。そういう話をしています。

銀行は繰り上げ返済が嫌い

でもさぁ、繰り上げ返済をしたら銀行が喜ぶのでは?と、考えている社長がいます。真逆です。銀行から嫌われます。いうまでもなく、銀行はおカネを貸すのが商売だからです。

銀行にとって融資は商品。その融資が繰り上げ返済されるということは、商品が返品されるのと同じことを意味します。社長だって、自社の商品が返品されたらイヤですよね?

なお、銀行の決算間近の繰り上げ返済は、とくにイヤがられます。繰り上げ返済されれば、融資残高が減ってしまうので、決算(≒目標の達成)に影響が出るからです。

もし、自社が1,000万円の繰り上げ返済をしたら、その銀行は急いで別の会社に1,000万円を貸さねばならなくなります。こんなことになったのは、繰り上げ返済をするアノ社長のせいだ!

と、なってもしかたがありません。ひいては、その銀行との関係性が悪くなり、その後の融資まで受けにくくなるおそれがあります。いざというときに借りれなければ、困ってしまうでしょう。

会社は事業を続けている以上、常におカネが必要です。そのおカネはいつ足りなくなるかわかりません。そして、銀行はいつも貸してくれるわけではありません。なのに、繰り上げ返済をするというのであれば、その行為は「かなりの不合理」であるものと考えましょう。

まとめ

利益が出たら繰り上げ返済をする、という社長がいます。ですが、むしろもっと借りるのがおすすめです。そんなバカな、とおもわれるかもしれませんので、そのあたりを解説してきました。

本記事の話を知らずにいると、つまり、繰り上げ返済をしていると、いずれ困ったことになるかもしれません。繰り上げ返済はくれぐれも慎重に考えましょう。

利益が出たら繰り上げ返済!ではなく、もっと借りる

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