あえて忘れることで上げられるパフォーマンスがあります。
「いまは必要のない余計なこと」を頭から追い出し、削がれた力を取り戻す。
そのための方法をお話しします。
書き出すだけでも安心できる
「あえて忘れる」ことの考え方として、GTDについてお話をしました。
GTDを私なりに解釈したうえで、毎日どのように実践しているかを今回はお話しします。
まずは頭の中を書き出してみる
GTDの実践について、ツールの指定はありません。
メモ用紙でも、システム手帳でも、PC内のデータでも、WEBサービスでも。
そのうえで、自分はEvernote(エバーノート)というWEBサービスを使っています。
紙を否定はしませんが、持ち運びの問題は小さくありません。
データが多くなればなるほど、「どれだけだよ!」となります。
PC内部の記憶装置はその欠点を補いますが、「そのPC」がなければいけません。
いつも身近なスマホ内部ならどうだ、とも思うでしょう。
しかし、その身近さもPCの作業効率性を凌ぐものではありません。
Evernoteを利用する最大の理由は、WEBサービスであること。
スマホ、タブレット、PCという機器の種類を選ばず、インターネット環境となにかしらの機器さえあれば、どこにいても同じデータを扱えることが強みです。
ではいよいよ、頭の中から「何」を追い出すか。
GTDの最終形としては、ありとあらゆるものすべてです。
頭に余計なものを残した分だけ、頭のパフォーマンスが落ちると考えれば、「あるゆるものすべて」というのは納得できるところではあります。
とはいえ、私なりの解釈をさせてもらえば、「まずはできるところから」でよいのではないかと思います。
0か100かではなく、1であっても踏み出してこそ、です。
そういった意味で、自分もGTDの100を実践しているわけではありませんが、十分に成果・価値を感じている部分としてお話ししていきます。
頭の中をどう区分するか
これからの手順としては、頭の中を吐き出して(準備)、整理、そのあと運用ということになります。
吐き出す前に、整理のイメージを示しておきたいと思います。
Evernoteには「ノートブック」と「ノート」いうアイテムがあります。
イメージでいうと「ノート」を集めたものが「ノートブック」。
「ノート」はメモ用紙の1枚1枚あるいは、そのつづりのようなものです。
「ノート」にも「ノートブック」にも好きなようにタイトルをつけ、好きなだけ作ることができます。
検索すれば他のWebサイトなどに十分記載されているのでそちらに譲ります。
ここでは「なんのためにどのように使っているか」の話にとどめておきます。
自分は次のようにノートブックを作成しています。
それぞれのノートブックの役割・内容もかんたんに併記します。
ノートブックの区分 | ノートブックの役割・内容 |
INBOX | 頭から追い出したことをいちばんはじめに置く場所 |
取るべき行動 | しなければいけない行動 |
ビジョン | いつかやりたいことや価値観・習慣についてなど |
資料 | ジャンルごとの資料置き場 |
プロジェクトリスト | 連続した行動が長期に及ぶもの |
プロジェクト情報 | プロジェクト実行に必要な資料など |
連絡待ち | 誰かにまかせていること |
処分 | 役目を終えたノート置き場(ごみ箱) |
「ノート」には頭の中にあることを文字として打ち込みます。
そのノートを、上記の「ノートブック」に区分して管理していくのです。
ちなみに、ノートは文字を打ち込んだテキストだけではなく、ネット閲覧中に気になったページを保存(いわゆるクリップ)したり、ほかにも写真や音声などもノートとして保存・管理できます。
どれだけ書き出せばよいのか
では、「さあ、はじめてみよう」となったなら、まずは書き出すだけ書き出して、ノートを作成していくことになります。
最初のこの準備作業、実はかなり時間がかかります。
たとえば、
・明日 ○○さんにTEL
・今月中に、古い本を処分する
・夏休みの旅行の計画
・買い物に行ったら、牛乳とたまごを買って帰る
・今朝みた新聞記事(仕事で役立ちそうなので保存しておきたい)
・いつか高級な腕時計が欲しい
・◇◇さんから面談日時の回答を待っている
これを最終的には先ほどのノートブックの区分に応じて仕分けしますが、今の段階では1枚のノートに列挙してみることで良いでしょう。
先ほどの区分は「大区分」であって、あとで必要に応じて細分化していきます。
今の段階ではどこまで細分化するかはわかりませんので、頭の中を吐き出すことに集中です。
原則的には、頭の中にある「ありとあらゆるものすべて」を吐き出します。
すこしやってみればわかりますが、大小さまざま「思いつくこと・気になること」はけっこうたくさんあるもの。
少なくても100程度はあるのではないでしょうか。
とにかく遠慮せず、書き出すことです。
ポイントはカッコよくなんて書かなくてよいこと。
誰に見せるわけでもありませんから、自分の気持ちありのままに書きましょう。
「△△さんとデートしたい」、いいじゃないですか、それもビジョンです(笑)
公私問わずに書き出しましょう。
十分に頭の中から吐き出すことができると、この段階ですごくすっきりした気持ちを実感できるはずです。
別にものごとが済んだわけでも解決したわけでもないのですが、不思議なもので気持ちがラクになります。
自分もおどろくほどすっきりした感覚を今でもよく覚えています。
これはやるべきことや悩み事など、自分がどういう状態にあるか、ひとまず「見える化」できたことによる安心でしょう。
「わからない」という状態は不安であり、ストレスでもありますよね。
自分のことでさえ、ほんとうはよくわかっていないもの。
頭から吐き出す作業で得られる安心感はその証拠です。
安心感は「あえて忘れる力」のひとつの効用といえます。
「まずはできるところから」とは言いましたが、十分な効用を得るためにも、このはじめの準備をがんばってみてください。
これで「あえて忘れる力」実践の準備部分は終わりです。
安心ばかりもしていられません。
ほんとうの効用に向けて、次は吐き出された「材料」をどう整理するか。
「あえて忘れる力」習得の道はまだまだ続きます!
↓↓ つづく ↓↓
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きょうの執筆後記
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きょうのブログ執筆には、めちゃくちゃに時間がかかってしまいました。
他のテーマで書きはじめてみたものの「なんか違う」みたいな。
内容もまだまだ、テーマ選びも含めて勉強が必要です・・・