スタバは店舗ごとに各種のコーヒーセミナーを行っています。
今回は「おいしい入れ方・アイスコーヒー編」の参加レポート。アイスコーヒーが美味しくつくれないというあなた、必見です。
「旨いアイスコーヒーを自分で淹れるのはムリ」という悩み
わが家の「夏場のコーヒー」はボトルコーヒーです。ボトルコーヒーは「手軽」で悪くありませんが、「旨い」を犠牲にしたところがあります。
暑い夏に、スタバで飲むアイスコーヒーは最高に旨いんだな、コレが。おウチでもこの味が出せればねぇ・・・
でも、「旨いアイスコーヒーを自分では淹れられない」というのはよく聞く話です。
ならば、スタバのコーヒーセミナーはどうなのさ。
実際、わが家のホットコーヒー事情は、スタバのコーヒーセミナーにより変わりましたし。
そうだ、アイスコーヒーだってきっと・・・
セミナーのはじまり
今回参加した「おいしい入れ方・アイスコーヒー編」は季節限定セミナーです。
セミナー案内によれば、「ご家庭で香り高いアイスコーヒーの抽出の仕方と豆による味わいの違いを学ぶセミナー」とのこと。旨いおウチアイスコーヒーへの期待が膨らみます。
店舗ごとに、実施日時や定員などが違います。各コース 2時間 3,000円(税抜)。
訪れたのは前回と同じ店舗です。決して自宅から近くはないのですが、セミナー実施スケジュールとの都合上。
前回は妻との参加でしたが、他に参加者はなくプライベートセミナーに。今回は・・・もうひとり女性の方がいらっしゃいました。ふぅ~。
お聞きすると、片道1時間半くらいかかりそうな場所からのご参加。わたしたちとは比較にならない「遠さ」です。
食事をしながらガブガブ飲むほどアイスコーヒーが好き。でも、「おウチではおいしいコーヒーが淹れられないから」というのが参加動機のご様子。
それにしたって遠すぎるだろう、それは。アイスコーヒーの悩み「あるある」、おそるべしです。
セミナーを担当するブラックエプロンの女性バリスタ2名が登場。セミナーが始まります。
はじめは「講義」で学びましょう
セミナーは大きくみると2部構成になっています。前半の講義と、後半のグループワーク(実技)です。
まずは講義から。
講義といっても、バリスタさんはお話上手。うまく参加者を巻き込んでくれるので飽きさせません。
また、いろいろなコーヒー豆の実物を見て触って、そのコーヒーを飲み比べてみたり。ただの「座学」というのでもありません。
講義で学ぶのはこんなことです。
・コーヒーの3大生産地と風味の特徴
・焙煎方法の違い
・アイスコーヒーの比較テイスティング
・おいしいコーヒーをいれるための4つの基本
生産地や焙煎方法などによって、コーヒーはその味がちがう。それはわかりますが、実際にテイスティングをして体感できるのは、このセミナーのおもしろさのひとつ。
テイスティングのあと、バリスタさんは参加者ひとりひとりに強制的にコメントを求めてきます。間違えた。参加者ひとりひとりに、コメントの機会をくださいます。
「深いコク」「柑橘系の酸味」「ワイルドな香り」など、はじめのうちは「もっともらしい表現」を口にするのが恥ずかしいものです。
ですがそこは2度目の参加。純粋に楽しんできました。
テイスティングしたコーヒーは、「コロンビア」「ケニア」「フェアトレードイタリアンロースト」の3種。
わたしのような「にわかコーヒー通」にも違いがわかりやすいものが選ばれているようです。
バリスタの方はもちろんですが、参加者それぞれに感じ方も多様で、コメントでの表現の仕方も異なります。
「あぁ、言われてみればなるほどね」とか、「それはわからん」みたいなところはいっしょに話していておもしろいところです。
「旨いコーヒー」というのも人それぞれなんだ、ということがよくわかります。だからこそ自分に合ったコーヒーを探す楽しさがあるわけですが。
続いて「実技」の時間です
休憩を挟んで、いよいよ実技です。
休憩中にバリスタさんはその準備。アイスコーヒーを淹れるらしいガラス器具といっしょに、大きくて深い入れ物に入った「大量の氷」。
もしかして、この大量の氷の中に、コーヒーを入れたガラス器具を突っ込んで冷やすのか?
ウチの製氷機にそんな大量供給能力はありませんから~~残念っ!古いですか、そうですか。忘れてください。
「大量の氷」を前に、もうひとりの参加者の方といっしょにザワつくなかでセミナー再開です。はじめに、バリスタさんがお手本を実演してくださいます。
バリスタさんは「グラスドリップコーヒーメーカー(以下、メーカー)」という器具を手に取ると、入れ物から氷をすくって入れ始めました。
あ~、そっちね。よかった、周りを冷す用の氷じゃなくて。参加者皆に安どの表情が浮かびます。
メーカーには、つくるコーヒーの分量に対して「ここまで氷を入れてね」という印がついています。まずは、その印のところまで氷を投入するのです。
そのあと、ドリッパーにペーパーフィルターをセット。分量分のコーヒーをフィルターに入れます。
ドリッパーをメーカーに乗せ、そこへお湯を注いでいきます。ドリッパーを通じてコーヒーが氷の上に落ち、アイスコーヒーが出来上がる。
これが「急冷」という、アイスコーヒーの作り方。急冷こそが「旨いアイスコーヒー」の秘訣なのです。
ここで比較のために、ホットでコーヒーを淹れて冷蔵庫でゆっくり冷やしたアイスコーヒーを飲ませてくれます。
下世話な表現ですが、ビビリます。急冷式アイスコーヒーと比べると、ゆっくり冷式アイスコーヒーはビビるほどにマズいです。
そして急冷式はほんとうに旨い。
味にまったく締まりがなく、ベタッとした酸味が広がっています。にわかコーヒー通ですが、なかなかの表現です。表現はともかく、これが「酸化した」ということですね。
ついでに液体が濁っています。これもアイスコーヒーの悩み「あるある」のひとつ。「クリア」なアイスコーヒーがつくれない。
ネットで調べた急冷と、セミナーで学んだ急冷とはちがう
「急冷」ということは、ちょっと調べればたどり着く「こたえ」です。
ネットで「アイスコーヒー 作り方」と検索すればいくらでも急冷について出てきます。
けれど。
セミナーに参加しているからこそ、学べたということがありました。
それは「差」です。
セミナーでは、バリスタさんのお手本のあとに、参加者が順番に「自分好み」のアイスコーヒーを淹れさせてもらえます。
余談ですが、スタバ好きみんなの憧れ「グリーンエプロン」を身に着けての実技です。
「自分好み」といっても、使うコーヒー豆、水、器具は皆いっしょ。違うのはただひとつ「淹れ方」だけ。
「さっぱり」や「しっかり」など自分の好みのコーヒーをどう淹れるかをバリスタさんは「ほんとうに細かく」教えてくれます。
そして、参加者みんなで、それぞれが淹れたコーヒーを味わいます。
セミナーに参加して、それぞれが学ぶことが楽しみだということで。
それぞれのコーヒーにみな、おどろくほどきちんと違いを感じることができます。これはネットや書籍、テレビなどでは学べないこと。
道具とコーヒー豆を準備して、お湯を注げばイイというものではないことを実体験として知ることができます。
実体験しなければ体感できない「差」を学ぶことができるのです。
すると。
コーヒーが持っているストーリーを受け入れることで、いまままでよりもコーヒーに対する愛着やこだわりが生まれます。
そういう愛着やこだわりを伝えようとしているスターバックスにも愛着が生まれます。
そして、コーヒーやスターバックスがもっと好きになる。
セミナーの直接的な内容からはズレてきていますが。
自分たちの商品やサービスについて「ストーリー」を添えることは、ビジネスには有効なことだと身をもって体感するセミナーです。
さいごに、スタバの商品広告をしましょうか
急冷アイスコーヒーを皆がつくったところでセミナーは終了です。
ちなみに、アイスコーヒーといっしょにおいしいケーキをワンカット用意していただけるのはお楽しみです。
お楽しみといえば、セミナーには「サプライズ」とスタバが公表するお楽しみも待っています。
そんなことも含めて、ひとり2時間3,000円のこのセミナーはかなりよいものです。わたし的には、スタバの企業哲学も学んでやろうという心構えですので、たいへんおトクです。
テイスティングではアイスコーヒーを相当飲みます。空きっ腹に大量のコーヒーは胃を痛めるようなので、胃が弱い方は気を付けて。
わたしはセミナー後にちょっと胃にきました・・・
さいごのさいごに。
セミナーで使われた「グラスドリップコーヒーメーカー」、税抜 2,900円。わが家も、もうひとりの参加者の方もその場で即購入です。
スタバのこだわりが詰まっています。たとえば、金具のドリッパー。
一般にドリッパーは全面が樹脂や陶器などで覆われるような形状です。ですがそれだと、コーヒーが膨らむ幅をなくし、コーヒーが呼吸できません。
金具の場合には、必要最低限の抑えだけなので、コーヒーに自由な空間ができるとのこと。
スタイリッシュでありながら機能美にもこだわるなんて。単純なのでスグ買います。
でもこれで、たしかにおウチでスタバ的アイスコーヒーが淹れられます。
アイスコーヒーに悩める方は、ぜひ参加をおすすめできるセミナーです。
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きょうの執筆後記
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昨日は、とある会社の経営会議に参加。
外を歩くとうだるような暑さに、かなり参りました。
寒い冬が好きで、暑い夏は苦手です。