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自分ではじめる!エクセルでカンタン資金繰り表のつくり方

カンタン資金繰り表

資金繰り表が大切だって聞くけど、つくり方がわからない?

たしかに、資金繰り表づくりには独特の考え方が必要になります。独特の書式にたじろぎます。ですが資金繰り表のいちばんの目的は「お金の見込み」がわかること。少し未来の「お金の残高」がわかること。

独特な書式にこだわる必要はありません。まずは、エクセルでカンタン資金繰り表にチャレンジしてみましょう。

目次

カンタン資金繰り表の起点は「利益=増えたお金」

はじめに、あらためて前提をはっきりさせておきます。

これからつくるカンタン資金繰り表は、自分の少し未来の「お金の残高」がどう推移するのかを知るためにつくるものです。銀行に提出するためにつくる資金繰り表とは異なります。あくまで自分のためにつくる資金繰り表ですので注意してください。

では早速。半年先までの資金繰り表ということではじめていきましょう。いつまで先の資金繰り表をつくるかは自分しだいですが、半年先くらいまでは見ておきたいところです。

半年先のピンチであれば十分な準備ができても、ひと月先のピンチとなるとできることは限られてしまいますから。

「売上ー経費=利益」の見込みを準備

まずは、半年先までの「利益見込み」を入力するための部分をエクセルでつくります。こんな感じです。

カンタン資金繰り表①

これはいわゆる「損益計算書」です。説明を簡略化するため、科目はかなり端折って少なくなっていますが、必要に応じて細かく科目設定していただいてもかまいません。

「税引前利益」については、算式を組んでおきましょう。今後、データ入力を要するセル(算式がないセル)は、わかりやすいように「薄いブルー」に色付けします。

会計ソフトを自分で扱えるのであれば
直近の「損益計算書の月次推移実績」をエクセルに取り込むのが便利です。各科目について、月平均額を計算すれば「見込み」の算出に役立ちます。

「利益=増えたお金」にならないズレを明らかにしよう

続いて、さきほど準備したエクセルに、次のように項目を追加します。

カンタン資金繰り表②

カンタン資金繰り表のいちばんのポイントは「利益=増えたお金」という考え方にあります。利益の分だけお金が増えている「はず」、ということです。

そして問題は、その「はず」というところ。基本的には、利益が出た分だけお金は増えます。ところが必ずしもそうではありません。

例外的に「利益とお金のズレ」が生じます。これが資金繰りのムズカシさです。その「利益とお金のズレ」を調整するために、「加算」「減算」という項目を追加しました。あとはカンタンな算式を組んでいくだけです。

  1. キャッシュ増減=利益+加算計-減算計
    (D17であれば、”=D8+D12-D16”。E17からI17まで算式コピー)
  2. 月末キャッシュ残高=月初キャッシュ残高+キャッシュ増減
    (D19であれば、”=D18+D17”。E19からI19までは算式コピー)
  3. 月初キャッシュ残高=「前月の」月末キャッシュ残高
    (E18であれば、”=D19”。F18からI18までは算式コピー)

さいごに。ひと月目の「月初キャッシュ残高(D18)」には、実際の「現金・預金残高」を入力しておきます。本例では2016年8月1日時点の「現金・預金残高 10,000」ということになります。

「キャッシュ」などという気取った表現をしていますが、要は「お金(現金・預金)」のことです。そこはお好きな表現でかまいません。

まとめ お楽しみはこれから

これで、カンタン資金繰り表の「枠組み」ができました。「枠組み」を通して、まずはカンタン資金繰り表の考え方を知っていただきました。いかがでしたでしょうか。

このあと、「利益とお金のズレ」について見ていきます。カンタン資金繰り表と銘打ってはみたものの、「利益とお金のズレ」は資金繰りの難所です。ここはひとまず、場をあらためて仕切り直すことにしてみます。その前に少しだけ補足をしておきます。

なぜ、「利益=増えたお金」を起点にするのか?

カンタン資金繰り表とは違って、巷にある資金繰り表の多くは「利益を起点」にはしていません。入金、出金項目についてをひとつずつ積み上げてキャッシュ残高を計算するという枠組みになっています。こんな感じです。

一般的な資金繰り表

カンタン資金繰り表では、このような「積み上げ式」にしない理由が2つあります。

  1. ひとひとつ拾い上げるには手間がかかる
  2. 「利益=増えたお金」というイメージを大事にする

ということで、ひとつひとつ入金・出金を拾い上げることが「正確」であることはまちがいありません。それが正しい方法です。ですが、「はじめからそこまでする必要があるのか?」ということです。

厳密性は後回しにして、まずは「大きな流れ」をつかむことにカンタン資金繰り表の役割があります。厳密性を求めるあまり、資金繰り表を挫折したのでは意味がありません。

それから、もうひとつ。

わたしたちは「利益=増えたお金」というイメージを持っているものです。実際のお金の動きとは別に、「利益」という言葉に「増えるお金」を連想しています。間違ってはいません。ただし、「利益とお金のズレ」さえなければ。

イメージとは裏腹に、実際には「利益とお金のズレ」があるのです。ところが「積み上げ式」の資金繰り表は、そのイメージと実際のズレとを明らかにはしてくれません。かなりモヤモヤします。

多くの人が「なんで利益は出ているのにお金がないんだ」と言っているのはそういうことです。

そこでカンタン資金繰り表では、「利益=増えたお金」というイメージを起点にすることで、そのズレを明らかにすることを目指しています。

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お楽しみをイメージして、次回に続く

次回、「利益とお金のズレ」を明らかにしていきましょう。最終的にはこんな感じの資金繰り表を作成します。お楽しみに!

↓↓ 次回記事はコチラ ↓↓

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カンタン資金繰り表完成イメージ

カンタン資金繰り表

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