おカネが足りなくなったら、銀行から借りればいっか。
って、それ間違いです。おカネが足りなくなってから、無くなってから、おカネを借りようだなんてムシが良すぎます。
ではいったい、いつ借りればよいのか?ということについてをお話します。
あなたはなぜおカネを貸せるのか?
突然ですが。もしもあなたが、「おカネを貸す側」の立場であるならば。
どういう相手になら「おカネを貸してもイイかな」と考えますか?
ちなみに。血のつながった家族だから、唯一無二の大親友だから、というような理由は除外します。さぁ、どうでしょう?
- 借りたおカネを返せるだけの「稼ぐチカラ」がある
- 万一のときには「借金のカタ」にできそうなものがある
こんなところではないでしょうか。
おカネを借りようというのなら、この「おカネを貸す側」の視点がたいせつです。
つまり、「稼ぐチカラ」がある、「借金のカタ」があるとき。というのが、おカネの「借り時」です。
そんな「借り時」について、話を進めます。
利益が出ているときこそ借り時
銀行融資に必要な「稼ぐチカラ」と「借金のカタ」について。
稼ぐチカラ=利益
おカネの借り時は「稼ぐチカラ」があるときだ、という話をしました。そのロジックは次のとおりです。
- 稼ぐチカラがある ↓
- 貸したおカネを返せる
もう一段深堀します。稼ぐチカラとは何か?
- 利益が出ている ↓
- 稼ぐチカラがある ↓
- 貸したおカネを返せる
事業をする者にとっての「稼ぐチカラ」とは利益です。収入からコストを引いて残ったものが利益。利益は手元に残った自由に使えるおカネ、とも言えます。
手元に残るおカネがある、増えることを返済のアテにして、銀行はおカネを貸すのです。ですから、利益が出ているとき、調子が良いときほど借り時になります。
利益が出ない、赤字が続いて、おカネが足りなくなってから。「さぁ、借りよう」では遅すぎます。
稼ぐチカラ=利益=税金?
では、さらにもう一段の深堀です。利益が出ている、ということは?
- 税金を払っている ↓
- 利益が出ている ↓
- 稼ぐチカラがある ↓
- 貸したおカネを返せる
税金が先か、利益が先かのハナシは置いといて。利益が出れば、税金を払います。利益あるところに税金あり。
何が言いたいのか?
税金を嫌い過ぎると、おカネを借りることはできませんよ。と、言いたいのです。
税金を払わなければ借りられない
つまり、「稼ぐチカラ」を「借り時」とするには、利益を出すこと。結果的に税金を払うことです。
税金を嫌い、利益を嫌えば、銀行融資にも嫌われます。
節税は大事なことですが、行き過ぎた「過度な節税」は、銀行融資の選択肢を自ら失うことになる。
そういうことを理解したうえで、「稼ぐチカラ」をつけ、「稼ぐチカラ」があるときに、おカネを借りることが必要です。
「借金のカタ」とは何か?
ところで冒頭、おカネの借り時は「借金のカタ」があるときだ。とも言いました。
「借金のカタ」とは、いわゆる「担保」や「保証人」ということもありますが、もうひとつ。
それは、会社や事業の「財産の状況」です。具体的には、
資産-負債>ゼロ
もし、いまこの瞬間に会社をタタまなければいけないとして。持っている資産を全部売却して、負債を返したらおカネは残るのか?
おカネが残りそうであれば、それは「カタ」と言えそうだ。そういうことです。もちろん、残るおカネが多いほどイイ。
逆に。資産-負債<ゼロを銀行は嫌います。とても嫌います。この「資産-負債<ゼロ」状態を「債務超過」と言います。
おカネを借りるのに、債務超過になってからでは遅すぎる。債務超過になる前に算段する、という先見の明が必要です。
借り時の例外、創業時・開業時
「稼ぐチカラ」も「借金のカタ」も度外視される唯一の借り時。それが、創業時・開業時です。
実績が無くてもおカネを貸すのが創業融資
前述した「稼ぐチカラ」も「借金のカタ」も、言うなれば「過去の実績」にもとづくものでした。
ところが、創業時・開業時に実績はないわけで。創業計画書・開業計画書という「期待値」で貸そう、というのが創業融資です。
はっきり言って。
この創業融資を利用しない手はありません。理由はさきほどお話しした通りです。
おカネが足りなくなってから借りることはできないから。これです。
無借金経営サイコーという誤解
少なくない創業者が「とりあえず自己資金でなんとか」という考え方を持っています。無借金経営サイコー、そう思っています。
でもそれは、将来のハナシです。
事業が成長し、会社の財務が安定し、資金が潤沢になった暁には。無借金経営もいいでしょう。
しかし、創業時・開業時は違います。はじめての事業が計画通りに行くかはわからない、何が起こるかはわからないのです。そのうえ、少ない自己資金。
そんな状況下においては、できるだけのおカネを手元に置いておくことが「生き延びる」秘訣です。
創業・開業するなら、まずは「創業融資」。忘れないでください。日本政策金融公庫、信用保証協会の創業融資を必ず検討しましょう。
まとめ
銀行からおカネを借りるならば、いつ借りるのか、借りられるのかについてお話ししてきました。
ひとつは「利益」が出ているとき、「債務超過でない」とき。
もうひとつは、「創業・開業時」です。
時期を逸することがないよう、「借り時」を心得ておきましょう。
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きょうの執筆後記
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