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社長の連帯保証は『融資の常識』じゃない!【経営者保証ガイドラインとは?】

保証人

それでは、社長の連帯保証もお願いいたします。

と、銀行に言われる・・・会社が融資を受ける際、金融機関から求められる経営者の「連帯保証」。

避けては通れないようにも思えますが、絶対というワケでもない。その理由が「経営者保証ガイドライン」の存在です。

目次

ガイドラインが語る『イイ会社には経営者保証を求めるな』

そもそも、融資の現場における「連帯保証」について。予備知識としてのお話から始めることにします。

連帯保証人とは?

中小企業や個人事業者が、銀行からおカネを借りようというとき。多くの場合、経営者は「連帯保証人」を要求されます。

不動産などを「物的担保」と呼ぶのに対し、連帯保証人などは「人的担保」と呼ばれます。

人的担保である連帯保証人について、カンタンに言うのであれば。「自分が借金をしたのとほぼ同じ」ということになります。

これがどういうことかというと。もともとの借り手の返済が滞った場合、金融機関は連帯保証人に返済を求めてきます。このとき、

  • 「先に借り手から返済をしてもらうようにしてくれ」とは言えない
  • 「借り手には財産があるはずだから、それを先に差し押さえてくれ」とも言えない

というのが連帯保証人です。

つまり。返済が滞れば、借り手よりも先に支払を請求され、財産を差し押さえられる「可能性がある」のが連帯保証人のコワさなのです。

銀行はなぜ、経営者を連帯保証人にしたがるのか?

金融機関が、経営者や場合によってはその家族を「連帯保証人」にしたがるのには理由があります。大きく次の2つです。

  • 【経営者への規律付け】会社と経営者とは一心同体であれ、と考えている
  • 【信用補完】会社だけでは信用が足りない、と考えている

ひとつめは、経営者に対する「覚悟の要求」と言えます。会社がダメになったら、あなたも責任を負うのですよ。だからがんばってください、みたいな。

ふたつめは、中小企業特有ですが。会社自体の信用に欠ける、ということです。

結果、会社と経営者個人とは、一体であるかのように評価をする。というのが金融機関のスタンスです。

「経営者保証ガイドライン」が変えつつある融資の現場

「連帯保証人をとる」という慣行により、円滑な銀行融資が促されてきたわけですが。

その弊害もあるよね? という見方が出てきました。弊害とは、

  • 銀行の事業に対する目利きが弱る(担保があれば安心だよね、という思考)
  • 過大な保証になっているかもしれない
  • 起業しようとする人や事業承継等の阻害要因になりうる

などなど。そのような見方を受けて出来上がったのが、「経営者保証ガイドライン」です。

日本商工会議所と全国銀行協会の協力のもと、平成25年につくられた「経営者保証ガイドライン」。経済産業省や財務省の後押しもあり、融資の現場に浸透が進んでいます。

中小企業庁が公表する、最新の「政府系金融機関における「経営者保証に関するガイドライン」の活用実績」によれば。

平成28年4月から9月における新規融資件数に対して、経営者保証を求めなかった融資件数は、実に「33%」とされています(36,815件/112,838件)。

経営者は「連帯保証人」を要求されるという慣行は少しづつですが、減りつつあるのです。

とはいえ、なんでもかんでも「経営者の保証」を無くせばいいというモノでもありません。

経営者保証ガイドラインが言っているのは、「イイ会社であれば」、経営者保証は要らないよねということです。

「イイ会社」ってなに? ということについて、続いてお話をしていきます。

 

経営者保証ガイドラインが中小企業に求める3つのモノ

ガイドラインでは金融機関に対し、「イイ会社については、経営者保証を求めないことを検討せよ」と言っています。

経営者保証なしで融資を受けるには?

では、その「イイ会社」とはというと。ガイドラインには、次の3つが挙げられています。

  1. 法人と経営者との関係の明確な区分・分離
  2. 財務基盤の強化
  3. 財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保

こういう文章を見ると、もうちょっとカンタンに言って欲しいよねって思います・・・

上記の3つについて、それぞれ具体的にはどんなことかと言いますと。

ひとつめは、会社から経営者に対して私用目的の貸付けをしない、とか。プライベートな支払いが会社の経費に混じっていない、とか。社長やその家族の給与が高過ぎない、とかとか。

ふたつめは、要は借金を返済できるだけの利益をしっかり出すこと。そして、多少の業績悪化では傾かないように、ムダ使いをせずに利益を溜め込む(内部留保する)こと。

3つめは、粉飾などせずクリーンな決算書をつくろう、月次決算も毎月やろう、計画を立てて事業見通しも把握しよう、といったニュアンスです。

こういったことを、税理士などの外部専門家による検証も加えてアピールをして欲しいな。というのが、ガイドラインによる中小企業への要求です。

経営者保証なしの道、経営者保証ありの道

「イイ会社」の3つの要件には、どれも「そうだろうそうだろう」という、とても常識的なことが書いてあります。

その常識ができていない中小企業が多いから、銀行は経営者保証をとっていたんだ。ということです。

そこを、ガイドラインでは「切り分ける」ようにしようとしています。イイ会社には経営者保証なしの道を、そうでない会社はいままで通り経営者保証ありの道を。

従来通り、経営者やその家族が連帯保証人となれば。もし、会社や事業に万一のことがあった際、再起は難しくなるでしょう。

会社が返済しきれない場合には、その返済は個人にも及びますから。場合によっては、ほんとうに身ぐるみはがされるようなことになってしまうかもしれません。

そうなれば、再起することなど・・・ だから、日本は起業が少ない。ベンチャー企業が育たない。とも言われます。

そういう流れを変えようという「経営者保証ガイドライン」があることを、社長や個人事業者の方はぜひアタマに入れておきましょう。

第三者保証人などもってのほか

ところで。不動産などの物的担保が足りない。経営者保証などの人的担保でもまだ足りない、という場合には「第三者連帯保証人」があります。

これは文字通り、第三者に連帯保証を求めるものですが。経営にまったく関与していない第三者が、思わぬ負担により不幸に見舞われる。

そんな社会問題を受けて、国では金融機関に対し、第三者保証をやめるよう指導してきました。

「経営者保証ガイドライン」もこれを後押ししています。「経営者の健康上の理由」というような特別の事情を除き、経営者以外の第三者保証を原則求めないこと、という理解です。

さきほどまでの経営者保証の話に加えて、この第三者保証の流れについても覚えておきましょう。

 

まとめ

融資とは切っても切れない、連帯保証人についてお話をしてきました。

完全になくなったわけでも、なくなるわけでもありませんが。保証人に対する風向きは確実に変わっていることを押さえておきましょう。

また、自身がその「追い風」に乗れるよう算段し、対応することが大切です。

 

 

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