繰り上げ返済するorしない?会社を守る銀行融資の考え方

繰り上げ返済

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資金に余裕が出てきたことだし、繰り上げ返済するか!

なるほど、金利もバカになりませんしね。でも、ちょっと待った。目先の資金余剰、目先の金利節約と、「目先」ばかりにしばられてはいませんか?

いざという時に会社を守るための、「繰り上げ返済」の考え方についてお話しします。

繰り上げ返済するか、しないか? ズバリ、しない!

事業で必要な資金を確保するために受けた銀行融資。

順調な業績をあげ、資金にもだいぶ余裕が出てくると。「繰り上げ返済」の選択肢が浮かぶもの。

借入があれば利息も支払わなければいけないし、そもそも借入をしていること自体、気分がよろしくない。

わかります。わたしも自分の事業について銀行融資は受けているので気持ちはようくわかります。

借金なんて無いほうが気分が良いにちがいありませんものね。

けれども。だからと言って「繰り上げ返済をすべきか」ということについては別。まったくのベツモノです。

つまり、「繰り上げ返済をすべきか否か?」の問いに対する答えとしては、

『繰り上げ返済はすべきでない』

これが、繰り上げ返済に対する結論です。その理由について、このあとお話をしていきます。次の3つです。

  1. 違約金・手数料にも注意が必要
  2. 「次」があるかはわからない
  3. 取引銀行とのつきあいが薄くなる

 

なぜ、繰り上げ返済をしない方がよいのか?

繰り上げ返済をすべきではない、という結論に対して。その理由をお話ししていきます。

《理由①》違約金・手数料にも注意が必要

繰り上げ返済を考える理由の一つに「金利負担」が挙げられます。

銀行からおカネを借りていれば、そのあいだ利息の支払いを求められるわけですから。早く返してしまいたい、というのは当然です。

その点、繰り上げ返済をすれば将来の金利負担は消滅。よかった、よかった。といきたいところですが、喜んでばかりもいられません。

なぜなら。繰り上げ返済に伴う違約金・手数料という問題があるから。

固定金利の融資に関しては、期日前の繰り上げ返済に対して違約金や手数料の支払いを定めているケースがあります。繰り上げ返済の前には、必ず確認しましょう。

この違約金・手数料の額が意外と高かったりもするもので。将来の金利負担が消滅するというせっかくのメリットを減らしてしまうことに注意が必要です。

それでも、金利負担減少メリットの方が大きい。借入が無くなるという心理的効果が大きいんだ。

そう言われるかもしれませんが、繰り上げ返済を決めるにはまだ早い。ということで、続いて2つめの理由を見てみましょう。

固定金利の借入を繰り上げ返済すると違約金が生じるワケ
一般に、銀行は固定金利で貸出をする際、市場で変動金利を固定金利に交換する取引を行いリスク回避をはかっています。これを「スワップ取引」と呼びます。
繰り上げ返済に伴い、あわせて銀行はこのスワップ取引を解約することになりますが違約金を負わされます。この違約金負担を融資先に求めているワケです。

《理由②》「次」があるかはわからない

たしかに。繰り上げ返済により、利息の支払いが無くなるのはメリットです。借金が無くなるのもメリットでしょう。

しかしいっぽうで。返済する分のおカネもまた手元から無くなります。預金残高が減る、ということです。「これは問題だ」と捉えるのが、2つめの理由。

突然ですが、事業に関してはいつなにが起こるかはわかりません。ヒトの人生同様、明日、タイヘンなことが起きないとは誰にも断言できません。

そう考えるのであれば。金利負担は「安心料」「保険料」だという見方もできませんか?

手元の資金に余裕があるから繰り上げ返済するということでしたが、なにをもって余裕があると言えるのかです。

中小零細企業は、大企業ほどに資金調達の手段を持ちません。経営者個人の資産でカバーするといっても限度があります(とてつもなく裕福であれば別ですが)。

いざおカネが必要だという時に、また銀行が貸してくれるかどうかはわかりません。むしろ、会社が困っているときほど、銀行の眼は厳しくなるもの

今回は貸してもらえましたが、「次」は貸してもらえるかわからない。そう考えておくべきです。

先の読めない将来を思うと。いまは余裕があるように見えても、先々にまで余裕があるとは言い切れない。

であれば、借りておくべき。会社や事業を永く守るために借りておくべき。これが、繰り上げ返済すべきではない2つめの理由です。

《理由③》取引銀行とのつきあいが薄くなる

繰り上げ返済をすべきではない最後の理由。それは、取引銀行とのつきあいが薄くなること。これは「完済」した場合には、ということですが。

「融資」というのは、銀行と融資先との関係を濃いものにする効果があります。

融資をするにあたっての審査はもちろん、返済している期間中も、銀行は融資先の様子を絶えずチェックしています。

定期的な融資先訪問や、決算後の決算書提出など。銀行は、融資先の状態・状況をチェックしているのです。

これが「完済」となると、そのようなチェックはなくなり、顔を合わせる機会は当然少なくなります。

チェックなどと言うと監視をされているようで気分が悪いかもしれませんが。相手のことを知れば知るほど、つきあが深いほど、いざという時にむげにできないのは人間関係といっしょです。

つきあいだけでおカネを貸してはくれませんが、融資先をなんとか助けようという想いは湧くでしょう。前向きな行動も期待できるでしょう。

また、完済から時間が経つほど、銀行は融資先の状況がわからなくなり。次の融資を希望する際、審査に時間がかかることもありえます。

どうしても繰り上げ返済をするのであっても、一部返済にとどめるという選択肢も検討しましょう。

 

まとめ

いざという時に会社を守るための、「繰り上げ返済」の考え方についてお話ししてきました。

繰り上げ返済を決めるにあたっては、目先のことだけでなく、将来まで見据えた検討を行いましょう。

基本的には、繰り上げ返済はすべきではありません。その理由もあわせてご確認を。

  1. 違約金・手数料にも注意が必要
  2. 「次」があるかはわからない
  3. 取引銀行とのつきあいが薄くなる

 

 

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  きょうの執筆後記
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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!