『銀行からいくら借りられる?』を知るための3つの目安

銀行からいくら借りられる?

”ウチは銀行からあといくら借りられるんだ?”

そうそう、それ。気になりますよね。というわけで、「銀行からいくら借りられるか」を知るための3つの目安についてお話をします。

「銀行からいくら借りられる?」を知るための3つの目安

銀行から融資を受けることができるとして(大前提)。ウチはいったい、どのくらいの金額を借りることができるのか・・・?

というのは、銀行融資における関心事のひとつでしょう。

そんな関心事に対する回答として。借りることができる金額の「目安」になる3つの指標についてお話をしていきます。

念のためお断りをしておきますが、あくまで目安です。

実際におカネを貸す・貸さないを決めるのは銀行であり、いくら貸すかを決めるのもまた銀行。借りる側にできることは、万全を尽くして「想像」することだけです。

とはいえ。ただただ想像をするよりは、せめてもの「目安」でも無いよりあったほうがよいだろう。

ということで、このあとお話をする3つの目安は次のとおりです ↓

いくら借りられそうかの目安
  1. 債務償還年数(いまある借入を何年で返せるの?)
  2. 借入金月商倍率(借入残高は月商の何倍あるの?)
  3. 借入金依存度(全資産のどれどけを借入金に頼っているか?)

ではこのあと、それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

《目安①》債務償還年数

「銀行からいくら借りられる?」を知るための目安、1つめは「債務償還年数」です。

この「債務償還年数」が意味するところは、「いまある借入を何年で返せるの?」ということになります。

これについて、具体的な算式で表すと次のとおり ↓

債務償還年数(年)=銀行借入金の残高 ÷ (税引後利益 + 減価償却費)

上記の算式について、ひとまず「減価償却費」は無視して考えてみるとわかりやすいでしょう。

いまある銀行借入金の残高を、1年間の利益(=税引後利益)で割る。つまり、1年間の利益が「返済の元手(返済原資)」だと考えた場合、何年で借入金を完済できるかを計算しているわけです。

ちなみに、「返済の元手(返済原資)」に減価償却費を足し算しているのは、「減価償却費がおカネの支出を伴わない費用だから」です。

これについて「???」ということであれば、ひとまずは「そういうもんかな」と流しておきましょう(減価償却費を理解したい場合にはこちらの記事をどうぞ →カンタンに知りたい・説明したい人のための減価償却の考え方)。

とにかく、債務償還年数が意味するところは、「いまある借入を何年で返せるの?」です。これについて、目安としての見方はこうです ↓

債務償還年数の目安
  • 10年超 ・・・ これ以上の借入はきびしい

上記のとおり、10年超という場合には、これ以上の借入はきびしいとみるべきです。借りすぎ、ということですね。

いっぽうで10年未満であれば。それだけの余力がある、ということです。

つまり、「(税引後利益+減価償却費)× 10 − いまある借入金の残高」ぶんくらいまでは、借りられるかもしれないな。という見方になります。

これでもうおわかりだと思いますが、利益の大きな会社ほど、たくさんの借入をしやすくなる。利益を削る節税ばかりでは、思ったとおりにおカネを借りることはできません。

 

《目安②》借入金月商倍率

「銀行からいくら借りられる?」を知るための目安、2つめは「借入金月商倍率」です。

この「借入金月商倍率」が意味するところは、「借入残高は月商の何倍あるの?」ということになります。

これについて、具体的な算式で表すと次のとおり ↓

借入金月商倍率(倍)=銀行借入金の残高 ÷ 月商

とてもシンプルな算式ですね。いまある借入金の残高を、月商で割り算する。

月商は、「ひと月の収入」ですから、「年商 ÷ 12ヶ月」という感じで計算をしてみましょう。

で。借入残高は月商の何倍かをしめす「借入金月商倍率」について、目安としての見方はこうなります ↓

借入金月商倍率の目安
  • 6倍超 ・・・ これ以上の借入はきびしい

上記のとおり、6倍超という場合には、これ以上の借入はきびしいとみるべきです。借りすぎ、ということですね。

いっぽうで6倍未満であれば。それだけの余力がある、ということです。

つまり、「月商 ×6 − いまある借入金の残高」ぶんくらいまでは、借りられるかもしれないな。という見方になります。

ただし、6倍というのはギリギリという線であって、銀行から見るとかなりの危険水域です。銀行から見た場合の安全圏は月商の3倍くらいまでと覚えておくとよいでしょう。

 

《目安③》借入金依存度

「銀行からいくら借りられる?」を知るための目安、3つめは「借入金依存度」です。

この「借入金依存度」が意味するところは、「全資産のどれどけを借入金に頼っているか?」ということになります。

これについて、具体的な算式で表すと次のとおり ↓

借入金依存度(%)= 銀行借入金の残高 ÷ 総資産

上記のとおり、いまある借入金の残高を、総資産で割り算します。

「総資産」とは、貸借対照表の「資産の部」の合計です(あるいは「負債の部」と「純資産の部」の合計)。

これにより、会社・事業が持っているすべての資産について、銀行借入に頼っているのは何%かを知ることになります。

もう少し平たく言うと、全資産のうち銀行から借りたおカネで買ったのは何%あるのか、ということです。

この「借入金依存度」について、目安としての見方はこうなります ↓

借入金依存度の目安
  • 50%超 ・・・ これ以上の借入はきびしい

上記のとおり、50%超という場合には、これ以上の借入はきびしいとみるべきです。借りすぎ、ということですね。

いっぽうで50%未満であれば。それだけの余力がある、ということです。

つまり、「総資産 × 50% − いまある借入金の残高」ぶんくらいまでは、借りられるかもしれないな。という見方になります。

とはいえ、銀行から見れば、総資産の50%はギリギリの線です。「総資産 × 30%」くらいが望ましいラインであることもあわせて覚えておきましょう。

 

まとめ 「たかが目安、されど目安」

「銀行からいくら借りられる?」を知るための目安にとして、3つの指標のお話をしてきました。

再三のお断りにはなりますが、目安は目安でしかありません。いくら目安に沿ったところで、さいごに決めるのはあくまでそれぞれの銀行だからです。

それでも、目安がまったく役に立たないかといえばそんなことはなく。借りる側にとっては、ひとつの指針と捉えることはできるものです。

たかが目安、されど目安。銀行の基本的な考え方として押さえておきましょう。

 

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  きょうの執筆後記
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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!