融資の銀行交渉を顧問税理士に任せるときの注意点

融資の銀行交渉を税理士に任せる




” 融資の銀行交渉は… そうだウチの税理士に任せよう!”

なるほど、それもいいですね。でもちょっと待って。融資の銀行交渉を顧問税理士に任せるときの注意点、ありますよ。ということについてお話をします。

銀行交渉を顧問税理士に任せるその前に

事業を続けていれば、必要になることが少なくないのが「銀行融資」です。

とはいえ。銀行との交渉は不慣れで苦手だ、という会社・経営者も少なくないでしょう。そんなとき、

どうしよう… ? そうだ、ウチの顧問税理士に任せよう!

という選択肢もひとつです。不慣れなこと・苦手なことを外部に任せるのは、ひとつの有効な手段です。

でも、ちょっと待った。

融資の銀行交渉を税理士に任せるならば、気をつけるべき注意点があることをお忘れなく。次の3つです。

  1. 税理士を「中途半端」に巻き込まない
  2. 税理士に「任せっきり」にしない
  3. そもそも銀行融資が得意な税理士なのか?

それではこのあと、上記3つの注意点について順番に見ていきましょう。

 

融資の銀行交渉を顧問税理士に任せるときの3つの注意点

不慣れで苦手な「融資の銀行交渉」を税理士に任せるときには、3つの注意点に気をつけるようにしましょう。

せっかくの顧問税理士の起用がアダになりかねませんので。

《注意①》税理士を「中途半端」に巻き込まない

ひとつめの注意点は、税理士を「中途半端」に巻き込まないことです。たとえば、

  • 融資の銀行交渉の場(面談)に、顧問税理士を急に呼びつけて同席させる
  • 銀行に提出するための試算表や資金繰り表の作成を急に頼む など

上記の2例ともに含まれるキーワード、「急に」という言葉に注目です。

■ 融資の銀行交渉の場(面談)に、顧問税理士を急に呼びつけて同席させる

「急に同席」を求められた税理士は、銀行交渉に主体的に関わることが難しくなります。

「明日の面談に同席して!」と急に呼びつけられたのでは、税理士は「いまなにが起きているか」を理解できません。

その辺は、会社・経営者から面談前に説明をすると言うかもしれませんが。そもそも銀行融資が不慣れで苦手な会社・経営者が、面談までの経緯や状況、銀行の意図を正確に伝えることは困難です。

これでは税理士もロクな準備ができません。結果として、税理士が交渉の場でできることはなにもない… というのでは、顧問税理士を同席させる意味がないでしょう。

したがって、銀行交渉で顧問税理士のチカラを借りるのであれば、早い段階からチカラを借りるべきです。「急に同席」を求めるという中途半端はいけません。

■ 銀行に提出するための試算表や資金繰り表の作成を急に頼む

銀行融資の緊急度が高くなると、顧問税理士に試算表や資金繰り表の作成を「急に頼む」ケースがあります。

この点で、ふだんから税理士への資料提出が遅く、試算表の作成も遅れがちという場合には、税理士もアタマを抱えるばかりです。

また、「資金繰り表の作成」という業務は、税理士に委託する業務の範囲に入っていない、ということも少なくありません。

とはいえ。税理士の側も顧問先の状況を理解して、「無償」で対応していることが多いでしょう。

急ぎで無償… 税理士にとってはきびしい状況です。わたし自身が税理士であるがために「ひいき目」に見てしまうというところを差し引いても、税理士には酷な状況です。

したがって、銀行交渉で税理士のチカラを借りる予定があるならば。日頃から試算表の早期作成に努める、銀行交渉の対価(業務範囲か、報酬はいくらか)を確認しておくようにしましょう。

《注意②》税理士に「任せっきり」にしない

さきほど、税理士を中途半端に巻き込まないこと、というお話をしました。

これとは逆になりますが、税理士に「任せっきり」にしない、という注意点が挙げられます。たとえば、

  • 銀行からなにかを尋ねられても、いちど税理士に聞かなければ答えることができない
  • 予測資金繰り表や事業計画書など、「将来の予定」についても税理士が考える など

いくら税理士を中途半端に巻き込まないほうが良いとはいっても、上記の2例は、「巻き込みすぎ」です。

■ 銀行からなにかを尋ねられても、いちど税理士に聞かなければ答えることができない

銀行は、「第三者が交渉の場に入ることを嫌う」というハナシがあります。第三者とは、税理士やコンサルタントなど。

このハナシは、半分は合っていますが、半分は間違っています。

銀行が第三者の介入を嫌うのは、当事者であるはずの会社・経営者が「なにもわかっていない」というケースです。

銀行が書類の提出を求めてもすべて「それは顧問税理士から」、なにかを尋ねてもすべて「それはコンサルタントから」。

これではいったい誰がおカネを借りようとしているのかわかりません。銀行が嫌がるのも無理はないでしょう。

ですから、銀行交渉の主導を税理士に任せるにしても。銀行から求められたこと・尋ねられたことには、会社・経営者も必要最低限は応えられなければいけません。

必要最低限のやりとりは会社・経営者自身ができるよう、必要な情報は税理士と相談・共有しておくようにしましょう。

そこまでできていれば、銀行も税理士の介入を嫌がることはないはずです(少なくともわたしは嫌がられたという経験がありません)。

■ 予測資金繰り表や事業計画書など、「将来の予定」についても税理士が考える

融資交渉の場面ではしばしば、予測資金繰り表や事業計画書といった書類の提出が求められます。会社・経営者の「将来・予定」を記した書類です。

言うまでもないことですが、銀行が知りたいのは、税理士が考える「将来・予定」ではありません。知りたいのは、会社・経営者自身が考える「将来・予定」です。

ですから、予測資金繰り表や事業計画書の作成を税理士に任せきりにすることは間違いです。「融資審査がうまくいくように作っておいて」などという任せ方は間違いです。

「対銀行」という視点で間違いであることに加えて、本質的にも間違っているという点を理解しておかなければいけません。

融資が必要だという窮状にあってなお、「将来・予定」を考える機会を放棄する、他人任せというのでは… 言わずもがなです。

「将来・予定」は会社・経営者自身が考えましょう。その考えを、どう書類に表現するか。そこが税理士への任せどころです。

《注意③》そもそも銀行融資が得意な税理士なのか?

さいごの注意点は、そもそも銀行融資が得意な税理士なのか? ということです。

税理士と言えど、みんながみんな銀行融資に精通しているわけではない。これは、顧問税理士に銀行交渉を任せる際に押さえておくべきポイントです。

誤解なきように申し添えますが、税理士を非難しているわけではありません。むしろ、しかたのないことです。

なぜなら、税理士という資格を取得するにあたっては、「銀行融資」という勉強はないからです。よって、銀行融資がわかるか否かは、その税理士自身の勉強や経験にかかっています。

もちろん、銀行融資のことがわからない税理士が悪いわけでもありません。得意・不得意があるだけです。わたしもそう。

銀行融資は得意ですが、相続税や国際税務は不得意です。不得意なところは、必要に応じて信頼できる税理士に任せることにしています。

とはいえ。顧問税理士に向かって「銀行融資は得意ですか?」と聞くのもどうだか、ですし。顧問税理士も「不得意です」とは答えづらいものでしょう。

そこで、税理士が銀行融資をわかっているかを見極めるポイントを2つほど ↓

  • 「融資を受けることができそうか・いくらくらい融資を受けられそうか、どうしたらよいか」について尋ねても具体的・明確な回答を得られない
  • 「税理士が懇意にしている銀行」を紹介して済まそうとする

銀行が融資の可否を決める際の、もっとも大きな要素は「数字」です。具体的には、決算書や資金繰り表などの数字です。

ですから、数字についての「銀行の見方」がわからなければ、融資可否の可能性について具体的なアドバイスをすることはできません。

「ちょっときびしいでしょうね」というのはアドバイスとは言えません。「どこが・どのように・どのくらい、きびしいのか」を具体的に示すことができてはじめてアドバイスです。

また、銀行との「お付き合い(いわゆる、コネ)」にモノを言わせようとする税理士もいますが。お付き合いは無いよりはあったほうが良い、という程度でしかありません。

実際、お付き合いが無くても数字の良さで融資実行にいたることはいくらでもあります。しかし、その逆はまずありません(あったらあったで、その銀行の姿勢・考え方が問題です)。

結局は、具体的・客観的である「数字」が頼りです。銀行交渉を任せるのであれば、数字で語ることができる税理士のチカラを借りましょう。

 

まとめ

融資の銀行交渉を顧問税理士に任せるときの注意点についてお話をしてきました。

不慣れで苦手な銀行交渉を税理士に任せようというときには、じゅうぶんに注意をしましょう。注意を怠れば逆効果にもなりかねません。

  1. 税理士を「中途半端」に巻き込まない
  2. 税理士に「任せっきり」にしない
  3. そもそも銀行融資が得意な税理士なのか?

 

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  きょうの執筆後記
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