”はじめての融資は、どこの銀行から借りればいいのだろう…?”
答えは、日本政策金融公庫です。「最初の融資は日本政策金融公庫から借りる」べき3つの理由について、お話をしていきます。
最初は日本政策金融公庫から借りるべき3つの理由
” 融資を受けるにあたって、いったいどこの銀行へ行けばよいのか…? ”
はじめての融資を考えている会社・個人事業者から、よく聞かれる質問のひとつです。
その答えはズバリ、「日本政策金融公庫(にほんせいさくきんゆうこうこ)」です。
「そんな銀行、聞いたことがない」と言われるかもしれませんが、それもそのはず。日本政策金融公庫は、ちょっと「特殊」です ↓
- 民間の銀行ではなく、政府が100%出資する公的な金融機関
- 預金業務、為替(送金)業務は行わず、融資業務のみ
そんな「特殊な金融機関」である日本政策金融公庫ですが。最初に融資を受けるのであれば、とにかくまずは日本政策金融公庫です。
その理由は3つ。次のとおりです ↓
- 借りやすい
- 審査が速い
- 実績ができる
それではこのあと、順番に見ていきましょう。
以下、日本政策金融公庫は、「日本公庫」の略称でお話をしていきます。
《理由①》借りやすい
「最初の融資は日本公庫から借りる」べき理由の1つめ、「借りやすい」について。
結論として。日本公庫は、民間の銀行と比較して「借りやすい」です。つまり、融資が受けやすい。
その根拠は、日本公庫が掲げる「基本理念」から読み取ることができます ↓
国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、社会のニーズに対応して、種々の手法により、政策金融を機動的に実施する。
【 日本政策金融公庫 WEBサイト 「基本理念」より抜粋 】下線は執筆者による強調
ポイントは、「民間金融機関の補完」という言葉です。
平たく言えば、民間の銀行が融資をするのが難しいところ、融資をしたがらないところを、日本公庫が引き受ける。そういうことです。
具体的には、「はじめて融資を受けるような会社・個人事業者」。民間の銀行は、融資を避けたがるところです。
どこの銀行も融資をしていないようなところに飛び込んでいって、「自分だけがババを引かされる(融資したおカネが回収不能になる)」ようなことは避けたいからです。
ですから、開業時を含めて、銀行から初めて融資を受けるのであれば、まずは「日本公庫」に行きましょう。
ハードルが高い民間の銀行よりも、まずは、比較的借りやすい日本公庫からです。
《理由②》審査が速い
「最初の融資は日本公庫から借りる」べき理由の2つめ、「審査が速い」について。
融資を受けるためには、銀行の審査が必要です。「借りやすい」と言える日本公庫も例外ではありません。審査はあります。
ただ、同じ審査であっても、日本公庫の審査は速い。民間の銀行融資に比べると、審査期間が短いのです。
ちなみに、ここで言う「民間の銀行融資」とは、おもに「信用保証協会付き融資」です。
信用保証協会付き融資とは、「信用保証協会」という公的機関が、信用力の乏しい小規模零細企業の保証人になることで、民間の銀行が行う融資を言います。
開業時や赤字の会社、銀行借入がはじめての会社などに対しては、銀行は「とりあえず保証協会付き」の姿勢です。
万が一(返済不能)のときには信用保証協会が肩代わりをするため、銀行単独の融資(プロパー融資、と言います)よりも、銀行は貸しやすくなります。
この点では、日本公庫からの融資と同じく、信用保証協会付き融資も「借りやすい」面はあるのですが、審査のスピードには大きな違いがあります。
信用保証協会付き融資は、信用保証協会と銀行、2者の審査が必要になる分だけ審査に時間がかかります(長いと2〜3ヶ月)。
いっぽうで、日本公庫は単独審査です。したがって、審査期間が短く、審査が速い(速ければ、2週間くらい)。急ぐなら、日本公庫です。
《理由③》実績ができる
「最初の融資は日本公庫から借りる」べき理由の3つめ、「実績ができる」について。
日本公庫から融資を受けることができれば、当然のことながら「融資を受けた」という実績ができます。これは今後、別の融資を受けるにあたっての「信用」になります。
不思議な話に聞こえるかもしれませんが、「借りた」という実績は「信用」になるのです。
ひとつには、審査をクリアして借りることができた、という「借りることができた」の実績。もうひとつは、借りたおカネをきちんと返済し続けている、という「返済できる」の実績。
この2つの実績が信用になって、銀行に「貸してもいいかな」と考えさせることができるのです。
裏返すと、はじめて銀行融資を受けようという会社・個人事業者への融資を、民間の銀行は躊躇します。実績が無いからです。
ゆえに、まずは「借りやすい」日本公庫から融資を受けて、実績をつくっておくということが重要になります。次の融資を受けるにあたって、必ず役立ちます。
少ない金額でもかまわないので、まずは日本公庫からの融資にチャレンジしてみましょう。
これについて、「いまは借りる必要がない」と言える会社・個人事業者はほとんどありません。預金残高が月商2ヶ月分以下であれば、すぐにでも借りるべきということを申し添えます。
まとめ
「最初の融資は日本政策金融公庫から借りる」べき3つの理由について、お話をしてきました。
ひとくちに「融資」と言ってもいろいろです。そのなかにあって、日本公庫からの融資が圧倒的に借りやすい、ということを覚えておきましょう。
- 借りやすい
- 審査が速い
- 実績ができる
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きょうの執筆後記
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