『間違って入金された・誤って出金したとき』の仕訳を総まとめ

間違った入金・誤った出金の仕訳

” あれ?なんか間違って入金されてきてるけど。これ、仕訳どうするの? ”

ありますよね、そういうことも。そこで、「間違って入金された・誤って出金したとき」の仕訳を総まとめします。

間違って入金された・誤って出金したときの仕訳

会社・個人事業者が帳簿つけ(経理)をするときに、たびたびアタマを悩ませるのが「仕訳」です。

いつもの仕訳なら「OK、だいじょうぶ!」と言う人も。イレギュラーな事態の仕訳となれば、「はて、どうしたものか?」と悩むものです。

そんなイレギュラーな事態のひとつとして、「間違って入金された・誤って出金した」ときの仕訳について。次のような流れでまとめていきます ↓

  • 間違って入金された・返金したときの仕訳
  • 誤って出金した・返金されたときの仕訳
  • 間違って入金されたがそのままにするときの仕訳
  • 誤って出金したがそのままにするときの仕訳

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

間違って入金された・返金したときの仕訳

たとえば。あるお客さまから間違っておカネが入金された、という場合。入金されてから、返金するまでを、ケースごとに仕訳で見ていきます。

いずれのケースも、最終的には「仮受金」がゼロになることを確認しましょう。

【ケース1】誤入金を全額返金

間違って入金されたおカネ(以下、「誤入金」と呼びます)を、のちに全額返金する場合の仕訳は次のとおりです ↓

《誤入金があったとき》

例)A社から、普通預金に誤入金として 30,000円が振り込まれた

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 30,000 仮受金 30,000 A社からの誤入金

《誤入金を全額返金した》

例)誤入金された 30,000円を全額返金した(振込手数料 324円はお客さま負担のケース)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
仮受金 29,676 普通預金 29,676 A社からの誤入金を返金
仮受金 324 普通預金 324 上記分 振込手数料
【参考】返金時の振込手数料(324円)を当社・じぶんが負担をするケース

あまりないケースだとは思いますが… (相手が間違えたのだから、フツーは相手が振込手数料を負担すべき)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
仮受金 30,000 普通預金 30,000 A社からの誤入金を返金
支払手数料 324 普通預金 324 上記分 振込手数料

【ケース2】入金のうち一部誤入金を返金

売上代金を間違って多く振り込んできた場合など、入金のうち一部が誤入金で、のちに返金をする場合の仕訳は次のとおりです ↓

《誤入金があったとき》

例)B社から、普通預金に売上代金(売掛金)が 150,000円振り込まれたが、そのうち 45,000円は誤入金だった

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 105,000 売掛金 105,000 B社 売掛金入金
普通預金 45,000 仮受金 45,000 B社からの誤入金

《誤入金を全額返金した》

例)誤入金された 45,000円を返金した(振込手数料 324円はお客さま負担のケース)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
仮受金 44,676 普通預金 44,676 B社からの誤入金を返金
仮受金 324 普通預金 324 上記分 振込手数料
【参考】返金時の振込手数料(324円)を当社・じぶんが負担をするケース

あまりないケースだとは思いますが… (相手が間違えたのだから、フツーは相手が振込手数料を負担すべき)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
仮受金 45,000 普通預金 45,000 B社からの誤入金を返金
支払手数料 324 普通預金 324 上記分 振込手数料

【ケース3】誤入金を次の支払分に充当する

誤入金された金額をプール(保留)しておき、次の支払時に充当する場合の仕訳は次のとおりです ↓

《誤入金があったとき》

例)B社から、普通預金に売上代金(売掛金)が 150,000円振り込まれたが、そのうち 45,000円は誤入金だった

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 105,000 売掛金 105,000 B社 売掛金入金
普通預金 45,000 仮受金 45,000 B社からの誤入金

《誤入金を次の支払分に充当したとき》

例)売上代金(売掛金) 200,000円について、以前の誤入金 45,000円を充当して、差額の 155,000円が振り込まれた

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 155,000 売掛金 155,000 B社 売掛金入金
仮受金 45,000 売掛金 45,000 B社 売掛金に誤入金充当

 

誤って出金した・返金されたときの仕訳

たとえば。あるお客さまに対して誤っておカネを出金した、という場合。出金してから、返金されるまでを、ケースごとに仕訳で見ていきます。

いずれのケースも、最終的には「仮払金」がゼロになることを確認しましょう。

【ケース1】誤出金が全額返金

間違って出金したおカネ(以下、「誤出金」と呼びます)を、のちに全額返金される場合の仕訳は次のとおりです ↓

《誤出金があったとき》

例)C社に、普通預金から 30,000円を誤出金してしまった

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
仮払金 30,000 普通預金 30,000 C社への誤出金

《誤出金が全額返金された》

例)誤出金した 30,000円が全額返金された(振込手数料 324円は当社・じぶん負担のケース)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 29,676 仮払金 29,676 C社への誤出金の返金
支払手数料 324 仮払金 324 上記分 振込手数料
【参考】返金時の振込手数料(324円)を相手(C社)が負担をするケース

あまりないケースだとは思いますが… (こちらが間違えたのだから、フツーはこちらが振込手数料を負担すべき)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 30,000 仮払金 30,000 C社への誤出金の返金

【ケース2】出金のうち一部誤出金が返金

売上代金を間違って多く振り込んでしまった場合など、出金のうち一部が誤出金で、のちに返金される場合の仕訳は次のとおりです ↓

《誤出金したとき》

例)D社に、普通預金から仕入代金(買掛金)150,000円を振り込んだが、そのうち 45,000円は誤出金だった

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
買掛金 105,000 普通預金 105,000 D社 買掛金支払
仮払金 45,000 普通預金 45,000 D社への誤出金
支払手数料 324 普通預金 324 上記分 振込手数料

《誤出金が全額返金された》

例)誤出金した 45,000円が返金された(振込手数料 324円は当社・じぶん負担のケース)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 44,676 仮払金 44,676 D社への誤出金の返金
支払手数料 324 仮払金 324 上記分 振込手数料
【参考】返金時の振込手数料(324円)を相手(D社)が負担をするケース

あまりないケースだとは思いますが… (こちらが間違えたのだから、フツーはこちらが振込手数料を負担すべき)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 45,000 仮払金 45,000 D社への誤出金の返金

【ケース3】誤出金を次の支払分に充当する

誤出金した金額をプール(保留)しておき、次の支払時に充当する場合の仕訳は次のとおりです ↓

《誤出金したとき》

例)D社に、普通預金から仕入代金(買掛金)150,000円を振り込んだが、そのうち 45,000円は誤出金だった

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
買掛金 105,000 普通預金 105,000 D社 買掛金支払
仮払金 45,000 普通預金 45,000 D社への誤出金
支払手数料 324 普通預金 324 上記分 振込手数料

《誤出金を次の支払分に充当したとき》

例)仕入代金(買掛金) 200,000円について、以前の誤出金 45,000円を充当して、差額の 155,000円を振り込んだ

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
買掛金 155,000 普通預金 155,000 D社 買掛金支払
買掛金 45,000 仮払金 45,000 D社 買掛金支払に誤出金充当
支払手数料 324 普通預金 324 上記分 振込手数料

 

間違って入金されたがそのままにするときの仕訳

間違って入金されたものの、結果としてそのままにする(いただいてしまう)という場合の仕訳を、ケースごとに見ていきます。

いずれのケースも、最終的には「仮受金」がゼロになることを確認しましょう。

【ケース1】誤入金(おつりミス)をそのままにする

たとえば。現金商売の飲食店で、おつりを 100円少なく渡してしまったようだ、という場合。これは、間違って 100円入金されたのと同じ状況になります。

結局、おつりを渡し間違えた相手もわからず、そのままにしよう(いただいてしまおう)というときの仕訳について見ていきます。

《誤入金が発覚したとき》

例)手元の現金を数えたところ、おつりを 100円少なく渡してしまったようだ(実際の現金残高が、現金出納帳の残高よりも多い)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
現金 100 仮受金 100 おつりの渡し漏れ

《誤入金をそのままにすることにしたとき》

例)しばらくようすを見ていたが、「おつりが少なかった」と言うお客さまも現れないため、そのままにすることにした(いただいてしまう)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
仮受金 100 雑収入 100 おつりの渡し漏れ 収入処理

【ケース2】誤入金(口座違い)をそのままにする

たとえば。法人の預金口座に入金してもらうはずのおカネが、間違って社長個人の預金口座に入金されてしまった場合(法人化した直後など)。

それはそれとして入金をそのままにして、社長個人の口座から法人の口座におカネを移すことで対応するときの仕訳を見ていきます。

《誤入金があったとき》

例)E社から、社長個人の預金口座に売上代金(売掛金)が 100,000円振り込まれたが、正しくは法人の口座に振り込まれるべきものだった

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
貸付金 100,000 売掛金 100,000 E社 売掛金入金(口座違い)

《誤入金をそのままにし、口座間でおカネを移したとき》

例)ご入金された社長個人の預金口座から、ほんとうは振り込まれるはずだった法人の口座におカネを振り込んだ(振込手数料 324円は法人負担のケース)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 99,676 貸付金 99,676 口座違い分(E社 売掛金入金)
支払手数料 324 貸付金 324 上記分 振込手数料
【参考(個人事業者のみ)】

事業用の口座に入金してもらうはずが、プライベートの口座に入金されてしまった場合の仕訳は次のとおりです ↓

《誤入金があったとき》

例)E社から、プライベート用の預金口座に売上代金(売掛金)が 100,000円振り込まれたが、正しくは事業用の口座に振り込まれるべきものだった

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
事業主貸 100,000 売掛金 100,000 E社 売掛金入金(口座違い)

《誤入金をそのままにし、口座間でおカネを移したとき》

例)誤入金されたプライベート用の預金口座から、ほんとうは振り込まれるはずだった事業用の口座におカネを振り込んだ(振込手数料 324円は事業で負担するケース)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
普通預金 99,676 事業主貸 99,676 口座違い分(E社 売掛金入金)
支払手数料 324 事業主貸 324 上記分 振込手数料

※ 必ずしもプライベート用口座から事業用口座に、おカネを移す必要はありませんが、「誤入金の事実を明瞭にするために」という意味ではアリです

 

間違って出金したがそのままにするときの仕訳

間違って出金したものの、結果としてそのままにする(あきらめる)という場合の仕訳を、ケースごとに見ていきます。

いずれのケースも、最終的には「仮払金」がゼロになることを確認しましょう。

【ケース1】誤出金(おつりミス)をそのままにする

たとえば。現金商売の飲食店で、おつりを 100円多く渡してしまったようだ、という場合。これは、間違って 100円出金したのと同じ状況になります。

結局、おつりを渡し間違えた相手もわからず、そのままにしよう(あきらめよう)というときの仕訳について見ていきます。

《誤出金が発覚したとき》

例)手元の現金を数えたところ、おつりを 100円多く渡してしまったようだ(実際の現金残高が、現金出納帳の残高よりも少ない)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
仮払金 100 現金 100 おつりの渡し違い

《誤出金をそのままにすることにしたとき》

例)しばらくようすを見ていたが、「おつりが多かった」と言うお客さまも現れないため、そのままにすることにした(あきらめる)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
雑損失(または雑費) 100 仮払金 100 おつりの渡し違い 損失処理

【ケース2】誤出金(口座違い)をそのままにする

たとえば。法人の預金口座から出金するはずのおカネを、間違って社長個人の預金口座から出金してしまった場合(法人化した直後など)。

それはそれとして出金をそのままにして、法人の口座から社長個人の口座におカネを移すことで対応するときの仕訳を見ていきます。

《誤出金があったとき》

例)F社に、社長個人の預金口座から仕入代金(買掛金) 50,000円を振り込んだが、正しくは法人の口座から振り込むべきものだった

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
買掛金 50,000 借入金 50,000 F社 買掛金支払(口座違い)

《誤出金をそのままにし、口座間でおカネを移したとき》

例)誤出金した社長個人の預金口座に、ほんとうは振り込むはずだった法人の口座からおカネを振り込んだ(振込手数料 324円は法人負担のケース)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
借入金 50,000 普通預金 50,000 口座違い分(F社 買掛金支払)
支払手数料 324 普通預金 324 上記分 振込手数料
【参考(個人事業者のみ)】

事業用の口座で出金するはずが、プライベートの口座で出金してしまった場合の仕訳は次のとおりです ↓

《誤入金があったとき》

例)F社に、プライベート用の預金口座から仕入代金(買掛金) 50,000円を振り込んだが、正しくは事業用の口座から振り込むべきものだった

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
買掛金 100,000 事業主借 100,000 F社 買掛金支払(口座違い)

《誤出金をそのままにし、口座間でおカネを移したとき》

例)誤出金したプライベート用の預金口座に、ほんとうは振り込むはずだった事業用の口座からおカネを振り込んだ(振込手数料 324円は事業で負担するケース)

借方・勘定科目 借方・金額 貸方・勘定科目 貸方・金額 摘要
事業主借 100,000 普通預金 100,000 口座違い分(F社 買掛金支払)
支払手数料 324 普通預金 324 上記分 振込手数料

※ 必ずしも事業用口座からプライベート用口座に、おカネを移す必要はありませんが、「誤出金の事実を明瞭にするために」という意味ではアリです

まとめ

「間違って入金された・誤って出金したとき」の仕訳について見てきました。

ケースはいろいろ、仕訳もいろいろです。本文中のケースに状況を当てはめながら、仕訳をするようにしましょう。

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  きょうの執筆後記
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