『ちょっと赤字→税金無し(嬉)』の決算書が銀行融資を遠ざける

ちょっと赤字の決算書と銀行融資

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「今回の決算書はちょっと赤字か… でも、税金が無くてよかった。」

って、それ。銀行融資を受けたい・受けるかもしれないのであれば、大きな間違いですよ。というお話をしていきます。

「ちょっと赤字→税金無し(嬉)」の決算書がいっぱい

税理士の業界で仕事をするようになって20年以上。仕事柄、たくさんの「決算書」を見てきました(いまも見続けていますが)。

振り返って、感じることのひとつに「ちょっとだけ赤字の決算書、ってけっこうあるよなぁ」が挙げられます。

ちょっとだけ赤字、つまり、損益計算書の「税引前利益がちょっとマイナス」という決算書です。

経営者の心理、銀行の評価

そんな「ちょっと赤字の決算書」ができあがる背景には、経営者の「税金嫌い」という心理があったりします。

赤字なら税金(法人税や所得税)を納めなくてもイイし、みたいな。

ですから、経費を使ったり、経理操作(操作のレベル感は大小さまざま)をしたりで、「ちょっと赤字」を狙うことがあるわけです。

もちろん。それとは別に、「純粋にちょっと赤字」というケースもあります。ほんとうに、ちょっとだけ赤字。

ただ、いずれせよ、「ちょっと赤字」の決算書がもたらす結果は同じです。

その結果とは、「向こう1年のあいだ、銀行から赤字の評価を受け続ける」ということ。

言うまでもなく、決算書は1年に1度つくられるものです。よって、次の決算書ができるまでずっと、銀行からは赤字の決算書で評価をされることになります。

銀行は赤字の相手を嫌いますから、1年ものあいだ嫌われ続ける。つまり、融資が受けられない・受けにくくなる。これが、「ちょっと赤字」の決算書がもたらす結果です。

ちょっと赤字を放置する・容認するのもまた愚行

銀行融資を受けたい・受けるかもしれない、と考えているのであれば。

ちょっと赤字で税金が無くてよかったね、などとは言っていられません。

たしかに、余計な税金を払う必要はありませんが、税金を払わなければ(=利益がなければ)銀行融資は難しくなることは理解しておきましょう。

であるならば。税金を払いたくないから経費を使うなど、とんでもない愚行だとわかります。

目先の税金を惜しむばかりに、その後の資金調達(銀行融資)ができず、資金繰りに窮してしまう… のでは元も子もありません。

いっぽうで、そこまで明らかな愚行をおかさずとも、「純粋にちょっと赤字」の場合にはどうしたらよいのか?

放置する・容認するわけにはいきません。赤字は赤字、やはり、銀行融資ではとても大きな「失点」になるからです。

そこで、「ちょっと赤字」への対応について、このあとお話をしていきます。

 

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ちょっと赤字の決算書をつくらないための対応

「(純粋に)ちょっと赤字」の決算書への対応は、次の3つです ↓

ちょっと赤字に決算書への対応
  1. 経営者が自腹を切る、という「発想」を持つ
  2. 試算表を毎月つくる
  3. 決算予測をする

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

《対応①》経営者が自腹を切る、という「発想」を持つ

数万円から数十万円赤字の決算書であれば。

たとえば、交際費などの一部について、「経営者が自腹を切る(経費から除外する)」ことで黒字に転換できるケースは多々あります。

ちょっと赤字の決算書を前にしたときに、果たしてそういうこと(自腹を切る)も検討したのですか?

というのは大事なポイントです。

誤解なきように申し添えますが、自腹を切ることが大事なのではなく、「あの手この手とできることを検討したのか?」という話をしています。

例を挙げれば、翌期に予定していた売上を前倒しする、あるいは、今期の費用計上を翌期に繰り延べる、資産の評価方法を変更するなど。

当然、税金・経理のルール(法律)に反することがない範囲内で、という前提はありますが。できることはゼロではないはずです。

この点で、税理士事務所からは「なんの提案もない」ということは少なくありません。

なぜなら、多くの税理士にとっていちばんの関心事は「税金計算」であって、「銀行融資」ではないからです。

また、「利益を増やして税金を払いましょう」などと言おうものなら、「あんたは税務署の回し者かっ!」と怒られるのもおもしろくありません(税理士はそういう経験をしているものです)。

したがって、税理士に対しては提案を待つのではなく、提案を促すことが必要です。あるいは、税理士を頼らず、みずから策を検討するかのどちらかです。

まずは経営者自身が、「ちょっと赤字」を放置しない・容認しないという姿勢を持ちましょう。

《対応②》試算表を毎月つくる

経営者が自腹を切る、というハナシをさきほどしました。

これについては、「そんなの粉飾じゃないか!」とわめき出すヒトもいることでしょう。まぁ、たしかに… という部分がないでもありません。

できあがった決算書を見て、「ちょっと赤字だから、いくらか自腹を切るか」では、粉飾(利益の水増し)と言えなくもない。

経理処理的にも、ビミョーなところがあります。仕訳としては、「現金 ×××/交際費 ×××」とか「立替金 ×××/交際費 ×××」とか、いいものだとは言えません。

これを避けるためには、決算書ができあがる前に動くことです。自腹を切るのであれば、少なくとも決算日以前に動く。

自腹分を「普通預金 ×××/交際費 ×××」として、決算書に織り込むことができれば、経理処理としても明瞭明白です(預金口座には「跡(証拠)」を残せる機能があります)。

決算日を過ぎて動くのは「粉飾」かもしれませんが、決算日以前であれば、それは「経営判断」である。というのが、わたしの考えです。

経営者が自腹を切ることを例に挙げていますが、他の対応についても同じこと。

決算日を過ぎてからの対応には、「粉飾」の疑いがツキモノです。あらぬ疑いをかけられぬよう、決算日以前に動くようにしましょう。

ここで必要になるのが、毎月の「試算表」です。毎月の数字がわからなければ、前述の「経営判断」もできません。

ですから、試算表を毎月つくる。それも、できるだけ遅れずにタイムリーにつくる。

その試算表の数字を見ながら、「ちょっと赤字」にならないような経営判断をしていきましょう。

《対応③》決算予測をする

決算日よりも前に動くことができるように試算表を毎月つくる、という話をしました。

これに加えて、「決算予測をする」のをおすすめします。

具体的には、毎月の試算表の数字をベースにして、決算書の数字を予測しておく、ということです。

これにより、試算表だけを見ているよりも、さらに早い経営判断が可能になります。

判断する時期が早ければ早いほど、できる打ち手は多くなる、打ち手の効果は大きくなるものです。

逆に、決算間際、あるいは決算を過ぎてからとなると、できることは限られてしまいます。

「ちょっと赤字」の決算書で慌てることがないように、「毎月の試算表+決算予測」にとりくんでいきましょう。

ちなみに。決算予測などと言うと、「どうせ当たりもしない予測を立ててもしかたない、先々のことはわからない」と非難をするヒトがいますが。

それは違います。決算予測は当たるか当たらないかといった「占い」のたぐいではないからです。当たるか当たらないかの「結果」が重要なのではありません。

先々のことがわからないからこそ、目指す場所(ここでは最終利益)を描いてみて、そこに向かうにあたってできることを考えて実行していく。その「過程」が重要なのです。

行き当たりばったりの結果と、しかるべき過程を踏んだ先にある結果とでは、のちに大きな差が生まれる。とは思いませんか?

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まとめ

「ちょっと赤字→税金無し(嬉)」の決算書が銀行融資を遠ざける、というお話をしてきました。

ちょっと赤字を放置・容認したばかりに、1年ものあいだ、銀行からの評価が悪くなってしまう… これは避けたいものです。

避けるための対応を心得ておきましょう。

ちょっと赤字に決算書への対応
  1. 経営者が自腹を切る、という「発想」を持つ
  2. 試算表を毎月つくる
  3. 決算予測をする

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