毎月の返済が難しいので、返済額を減らしてもらう… もともとの返済条件を変更する「リスケジュール」です。
銀行融資をリスケジュールするメリットとデメリットについてお話をしていきます。
いざというときのためにリスケジュールを知る
会社・事業における銀行融資について。
リスケジュール、略して「リスケ」と呼ばれるものがあります。
そのリスケジュールとは。かんたんに言えば、「もともとの返済条件を変更する」ことです。
たとえば、これまでは毎月 100万円の返済をしていたけれど、業績の悪化によって返済が難しくなってしまった。
そこで、銀行にお願いをして毎月の返済額を減らしてもらう。というのは、リスケジュールの一例です。
したがって、リスケジュールは資金繰りが厳しい、返済が難しい会社が、やむをえずするものと言えます。
できればやりたくないリスケジュールではありますが。
いざというときの手段のひとつとして、銀行融資をリスケジュールするメリットとデメリットを押さえておきましょう。次のとおりです ↓
- 返済額が減る
- 再起へのきっかけになる
- 延滞にならない
- 新規借入ができない
- 計画が必要、達成が必要
- 経営者の負担が増す
それでは、このあと順番にお話をしていきます。
銀行融資をリスケジュールする3つのメリット
《メリット1》返済額が減る
冒頭でもお話をしましたが。これまでは毎月 100万円の返済をしていたけれど、業績の悪化によって返済が難しくなってしまった。
そこで、銀行にお願いをして毎月の返済額をゼロにしてもらったとします。
すると、毎月 100万円の返済をしなくて済む、返済額が減る。これがリスケジュールによる最大のメリットです。
言い換えると、毎月 100万円の資金調達をしているのと同じ効果があります。
これに対して、リスケジュールをせずに、高利貸しからおカネを借りる。なんとかして銀行に返済を続けるも、高利がたたって火の車… というパターンを回避することができます。
返済額を減らすことは、おカネを借りることとイコールである。意外と抜け落ちてしまう考え方なので、忘れずに覚えておきましょう。
リスケジュールによって返済額を減らせると言っても。ずっと減らしたまま、というわけではありません。銀行と相談をして、ひとまずは「半年〜1年のあいだ」です。
その後については、そのときの状況で、また銀行と相談をして決めることになります。
《メリット2》再起へのきっかけになる
さきほど《メリット1》で、リスケジュールによって返済額を減らすことができる、と言いました。
結果として、資金繰りがラクになり、時間的余裕ができます。そのあいだに、経営改善を進めて会社を立て直すことができる。これもリスケジュールのメリットです。
また、リスケジュールを銀行に認めてもらうには「経営改善計画書」が必要になります。銀行がリスケジュールを認めるのは、いずれ返済をしてくれる会社に対してだけです。
したがって会社は、ほんとうに改善するためになにをすべきか、なにができるかを真剣に考えなければいけません。
この経営改善計画書の作成・検討が、厳しい状況にある会社を再起に導くきっかけになる。再起の可能性が高まると考えれば、これもまたリスケジュールのメリットだと言えます。
《メリット3》延滞にならない
リスケジュールとは似て非なるものに「延滞」があります。毎月 100万円の返済が難しいので返済をやめてしまう、返済をしない、というのが延滞です。
返済額が減るという点では、リスケジュールも延滞も同じこと。ところが、リスケジュールは銀行の了承があるのに対して、延滞にはそれがありません。
つまり、延滞は借り手が「勝手」に返済額を減らしているにすぎません。
ですから、延滞が続けば、銀行から一括返済を要求されたり、財産を差し押さえられたりの恐ろしい結果が待っています。大きなデメリットです。
銀行の了承を得て行うリスケジュールには、そのようなデメリットはありません。延滞扱いにならないのは、リスケジュールのメリットです。
銀行融資をリスケジュールする3つのデメリット
《デメリット1》新規借入ができない
リスケジュールをすると、原則、リスケジュールをしているあいだの新規借入はできません(リスケジュール終了後はできます)。
返済ができないからリスケをしているわけで、あらたに借りることができないのは当然と言えば当然ですが。
それはそれとして、新規借入ができないとはどういうことかと言うと。リスケジュール中におカネが足りなくなったら、もうどうしようもないということです。
ちなみに、再度のリスケジュールも困難を極めます。もともとの毎月の返済額 100万円を 50万円に減額をしてもらっていた。
けれども、やっぱり厳しいから もっと減らして。これは難しい、ということです。そういう意味では、後が無いのがリスケジュールです。
したがってリスケジュールをするのであれば、はじめから「返済額ゼロ円」でお願いをする。これが重要なポイントになります。
新規借入ができないというデメリットのほんとうの意味(後が無い)を理解しておきましょう。
《デメリット2》計画が必要、達成が必要
《メリット2》で、経営改善計画書の作成・検討が再起のきっかけになる、と前述しました。これはメリットであると同時に、デメリットでもあります。
具体的に言うと、リスケジュールをするには経営改善計画書を作成しなければならない。リスケジュールを続けるには、その計画を達成しなければならない。その重さ・大変さがデメリットです。
そもそも「絵に描いた餅」的な計画書では、銀行がリスケジュールを認めません。経営改善の実現可能性が高く、かつ抜本的な計画が要求されます。
また、いちど「半年〜1年」のリスケジュールが認められたとしても。その後もしばらくは、再び「半年〜1年」のリスケジュールをお願いするケースがほとんどです。
そのときに、当初計画がちっとも達成できていない、ということになれば。その時点で銀行から見限られてしまう、リスケジュール終了ということになってしまいます。
この点で。リスケジュールには計画が必要であり、達成が必要。かんたんにリスケジュールできるわけではない、というのはデメリットのひとつだと言えます。
《デメリット3》経営者の負担が増す
《デメリット2》では、計画が必要・達成が必要であり、その重さ・大変さがデメリットだと言いました。
これは同時に、経営者の負担として、もうひとつのデメリットになります。
計画を作るのも、それを持って取引銀行すべてに説明をするのも。また、リスケジュール開始後に、計画の達成に努めるのも、達成状況を定期的に銀行に報告するのも。負担を抱えるのは経営者です。
また、リスケジュールをしている・会社がマズい状況にあるということが周囲に漏れないように、独り気配りをしなければいけないのも経営者です。
従業員に知られてしまえば、不安が広がり退職者が増えてしまうかもしれません。取引先に知られてしまえば、取引条件悪化・取引停止になってしまうかもしれません。
リスケジュールができた、返済額が減ったと言っても、他の部分では経営者の負担が増すことになる。この現実は、リスケジュールのデメリットとして見逃すことができません。
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まとめ
銀行融資をリスケジュールするメリットとデメリットについてお話をしてきました。
返済が難しいので、返済額を減らしてもらう… できればやりたくないリスケジュールではありますが。
いざというときの手段のひとつとして、銀行融資をリスケジュールするメリットとデメリットを押さえておきましょう。
- 返済額が減る
- 再起へのきっかけになる
- 延滞にならない
- 新規借入ができない
- 計画が必要、達成が必要
- 経営者の負担が増す