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銀行が『決算書を3期分並べて』考えている5つのこと

銀行が決算書を3期分並べて考えていること

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銀行が、「決算書を3期分見せてください」と言っている。

いったい銀行は、決算書を3期分並べて、なにを見ているのか? なにを考えているのか? お話をしていきます。

決算書3期分を欲しがる銀行、3期分も見せたくない会社

会社・事業における銀行融資について。融資を受けようとする銀行から、次のように言われることがあります。

「決算書を3期分見せてください」

なんで、3期分? 1期あればじゅうぶんじゃないか! と言いたくなるヒトもいることでしょう。

それはそれとして。いったい銀行は、決算書を3期分並べて、なにを見ているのか? なにを考えているのか? お話をしていきます。

決算書を見られる側として、銀行の見方・考え方を押さえておきましょう。次の5点です ↓

銀行が決算書を3期分並べて考えていること
  1. まずは当期、3期平均でも見る
  2. 傾向を知る
  3. 異常値を探す
  4. 波の大きさを測る
  5. 利益に対する姿勢を視る

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

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銀行が決算書を3期分並べて考えている5つのこと

《考えていること①》まずは直前期、3期平均でも見る

決算書が3期分あるとしたら、まずはじめに見るのは「直前期」です。言うまでもありませんが、それが「もっともあたらしい情報」だから。

たとえば、損益計算書に記載されている「利益」について言うと。直前期の利益が、その会社の現状にいちばん近いはずだ、ということです。

この点で、直前期の1つ前の期が黒字であったとしても、直前期が赤字になっていれば、赤字の情報を優先することになります。逆もまたしかり。

では、次のようなケースはどうでしょうか ↓

決算書3期分の事例 その1
  • 直前期(2019年)・・・ 利益 200万円(黒字)
  • 直前期の1つ前の期(2018年) ・・・ 利益 ▲300万円(赤字)
  • 直前期の2つ前の期(2017年) ・・・ 利益 100万円(黒字)

年によって黒字と赤字が混在していますが、200万円の黒字という「直前期(2019年)の情報が優先される」のは前述したとおりです。

次いで、「3期平均」という見方があります。

上記の事例で言えば、「(200万円 + ▲300万円 + 100万円)÷ 3= 0万円」。これが3期平均です。

直前期が黒字ではあるけれど、3期ならしてみればトントン。直前期の黒字を手放しで評価するには早いかなぁ。と、そんな見方もあるわけです。

「利益」を例に挙げましたが、決算書に掲載される「他の数字」についても同じこと。まずは直前期、3期平均でも見る、と覚えておきましょう。

《考えていること②》傾向を知る

決算書が3期分あるとしたら、時系列に沿って眺めることで「傾向」を知ることができます。「売上」の数字を例にして見てみましょう ↓

決算書3期分の事例 その2
  • 直前期(2019年)・・・ 売上 7,500万円
  • 直前期の1つ前の期(2018年) ・・・ 売上 7,000万円
  • 直前期の2つ前の期(2017年) ・・・ 売上 5,000万円

2017年から2019年に向かって見れば、売上が増加の「傾向」にあることがわかります。

また、増加は増加でも、2018年から2019年の増加は、その前年よりは鈍化の傾向にあるのかな? と、うかがうことができます。

このように「傾向」を知ることで、その会社の将来の「方向性(増加?減少?)」や、その方向に向かう「勢い(急増?微増?)」を推し測ることが可能です。

将来の返済を見込んで融資をする銀行にとって、融資先の将来の「方向性」や「勢い」は重要な情報になります。

そのために、決算書3期分から「傾向」をつかもうとしているのです。

《考えていること③》異常値を探す

ある年の決算書だけを見ているのでは気づかないことも、3期の決算書を並べてみればわかる。というケースがあります。

たとえば、貸借対照表に掲載されている「たな卸資産(在庫)」について。次の例ではどうでしょうか ↓

決算書3期分の事例 その3
  • 直前期(2019年)・・・ たな卸資産 1,000万円
  • 直前期の1つ前の期(2018年) ・・・たな卸資産 600万円
  • 直前期の2つ前の期(2017年) ・・・たな卸資産 500万円

※ ただし、売上高は3期にわたり、ほぼ同額で推移しているものとします

上記の決算書のうち、直前期だけを見ているのであれば、「たな卸資産 1,000万円」を読み流してしまうことがありえます。

あるいは、ちょっと在庫が多いなぁ、くらいは考えるのかもしれません。でも、「そのていど」です。

ところが、3期分の決算書を並べたときにはどうでしょう? 直前期のたな卸資産 1,000万円が「異常値」だと気づきます。

ニーズを見誤って過剰在庫になったのか、はたまた粉飾決算(架空在庫の計上)に手を染めてしまったのか・・・  なんにせよ、その前の2年に比べて明らかに多い、と気づきます。

このように、決算書を3期分並べてみることで、ある年の決算書だけでは見逃してしまうかもしれない情報(異常値)をあぶりだそうとしているわけです。

言い換えると、会社としてはうまくごまかせたように思えても、銀行のほうではお見通し。実はごまかせていない可能性が高い、そういうことです。

《考えていること④》波の大きさを測る

会社・事業を続けていれば、良いときもあれば悪いときもあります。多かれ少なかれ、「波がある」ということです。

その波が大きいようであれば、いわば「ハイリスク・ハイリターン」だと言えるでしょう。逆に、波が小さいようであれば、「ローリスク・ローリターン」だと言えます。

どちらの波がいいか? はさておき。銀行にとって、融資先が「どちらの波か?」を理解することは欠かせません。貸したおカネを確実に回収するのが銀行のビジネスだから、ですね。

その波の大きさを測るのに、決算書を3期分並べてみることが役立ちます。A社とB社の「利益」を比較して考えてみましょう ↓

決算書3期分の事例 その4

【A社】

  • 直前期(2019年)・・・ 利益 200万円(黒字)
  • 直前期の1つ前の期(2018年) ・・・ 利益 ▲300万円(赤字)
  • 直前期の2つ前の期(2017年) ・・・ 利益 100万円(黒字)

【B社】

  • 直前期(2019年)・・・ 利益 1,000万円(黒字)
  • 直前期の1つ前の期(2018年) ・・・ 利益 ▲1,100万円(赤字)
  • 直前期の2つ前の期(2017年) ・・・ 利益 100万円(黒字)

A社とB社は、ともに「3期平均」の利益はトントンで共通しています(3期の利益をすべて合算するとゼロになります)。

けれども、両社の「波」の大きさはまったく異なることに注目です。

つまり。A社は「黒字 200万円 〜 赤字 ▲300万円」の波のなかに利益がおさまります。B社はそれではおさまらず、「黒字 1,000万円 〜 赤字 ▲1,100万円」と波が大きくなる。

また、波には大きさだけではなく、カタチがあることも見逃せません。

「黒字の波は大きいが、赤字の波は小さい」という会社もあれば、逆に「黒字の波は小さいのに、赤字の波は大きい」という会社もあります。もちろん、どちらかと言えば前者がよいわけで。

いずれにせよ、決算書を3期分並べてみることは、会社の「波」を測るのに役立ちます。

《考えていること⑤》利益に対する姿勢を視る

利益を出すか出さないか、ということを考えたときに。利益を積極的に出そうとする会社と、利益に消極的な会社とがあります。

ほんとうは誰しも利益を出したいものですが、利益には「税金」がかかるために、利益に消極的になる会社もあるのです。

具体的には、「税金を納めるくらいなら経費を使う!」というような会社です。

ところが、そのような会社は、税金を減らした以上におカネを減らしていることになります。ゆえに、銀行は利益に消極的な会社を好みません。

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というわけで。利益に対する「姿勢(積極的か?消極的か?)」を知りたいと、銀行は3期分の決算書を眺めます。たとえば、次のC社とD社ならどうでしょうか ↓

決算書3期分の事例 その5

【C社】

  • 直前期(2019年)・・・ 利益 700万円(黒字)
  • 直前期の1つ前の期(2018年) ・・・ 利益 400万円(黒字)
  • 直前期の2つ前の期(2017年) ・・・ 利益 600万円(黒字)

【D社】

  • 直前期(2019年)・・・ 利益 50万円(黒字)
  • 直前期の1つ前の期(2018年) ・・・ 利益 ▲50万円(赤字)
  • 直前期の2つ前の期(2017年) ・・・ 利益 30万円(黒字)

両社を比べてみたときに、D社のほうは「利益に消極的な会社なのかなぁ」と感じるものです。

数十万円というゼロに近いところの黒字・赤字には、どこか 「作為的なもの」を感じずにはいられません。

また、それが1期だけではなく、2期、3期と続けばなおさらです(もちろん、それが誤解だというケースもありえますが)。

いっぽうで、C社のほうは「利益を出す」ことに積極性を感じます。このように、3期の決算書には「利益に対する姿勢」の違いがあらわれることも押さえておきましょう。

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まとめ

銀行が決算書を3期分並べて考えている5つのことについてお話をしてきました。

融資を受けようとすると銀行から言われる「決算書を3期分見せてください」。決算書を3期分並べて、なにを見ているのか? なにを考えているのか? 

決算書を見られる側として、銀行の見方・考え方を押さえておきましょう。

銀行が決算書を3期分並べて考えていること
  1. まずは当期、3期平均でも見る
  2. 傾向を知る
  3. 異常値を探す
  4. 波の大きさを測る
  5. 利益に対する姿勢を視る

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