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決算書に『有価証券』がある場合の銀行の見方とマイナス評価のポイント

決算書に『有価証券』がある場合の銀行の見方とマイナス評価のポイント

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決算書に載る有価証券について、銀行は「独特の見方」をしています。また場合によっては、融資の審査上マイナス評価にもなりうるのが有価証券です。

有価証券に対する銀行の見方と、マイナス評価になるポイントを押さえておきましょう。というお話をしていきます。

有価証券はお好きですか?

会社・事業における銀行融資について。

銀行が融資の可否を判断するにあたり、よく見られるものが「決算書」です。その決算書には、会社・事業に関する「いろいろな数字」が掲載されています。

では、「いろいろな数字」のなかに、「有価証券」が掲載されている場合はどうでしょう? 有価証券とは、その会社が持っている株式や債券、投資信託などです。

実は、それら有価証券について、銀行は「独特の見方」をしています。また場合によっては、融資の審査上マイナス評価にもなりうるのが有価証券です。

というわけで。有価証券に対する銀行の見方と、マイナス評価になるポイントについてお話をしていきます。自社の決算書に有価証券がある場合には要チェック ↓

決算書に「有価証券」がある場合の銀行の見方とマイナス評価のポイント
  • 損失発生の可能性がある
  • 運用は自己資金ですべき
  • 他社におカネが流れている

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

 

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決算書に「有価証券」がある場合の銀行の見方とマイナス評価のポイント

損失発生の可能性がある

冒頭、「有価証券とは、株式や債券、投資信託など」とのお話をしました。それら有価証券には「価値が変動する」という特徴があります。

たとえば、上場株式をイメージしてみましょう。その株価(価値)は上がるときもあれば、下がるときもありますよね。

これを会計的な面から捉えてみると。株を売るときに、買ったときよりも株価が上がっていれば利益は増える。株価が下がっていれば利益は減ります。

当然、利益は増えるほうがよいわけですが。必ずしも、株価が上がっているときに売れるわけでもありません。場合によっては(むしろ多くの場合は)、株価が下がって損をしてしまう…

その損失が大きければ、本業の足を引っ張ってしまうことも考えられる。有価証券には、そのような損失を被るリスクがあるため、銀行から見れば不安要素でもあるのです。

そこで銀行は、決算書に掲載されている有価証券について、「時価」で評価をしています。決算書に掲載されている数字が買ったときの価格(帳簿価額)だとしてもです。

たとえば、とある上場株式が 100万円で決算書に掲載されているとして。決算日の株価が 50万円であれば、銀行はその株式を 50万円だと見る。これにより銀行は、いわゆる「含み損(あるいは含み益)」を把握することになります。

含み損があれば、決算書に掲載された数字よりも、銀行は低く評価をしていることを理解しておきましょう(含み益があれば高く評価をする)。低く評価をされた分、もちろん、融資は受けにくくなります。

上場していない株式、たとえば、非上場の子会社株式や関係会社株式などについては、その子会社や関係会社の決算書から時価の検討がなされます。

その結果、子会社や関係会社が「債務超過(資産よりも負債が多い)」だったりすると、「価値はゼロ」との見方もされるところです。わりとよくあるケース、だとも言えるでしょう。

なんにせよ。有価証券は、「損失発生の可能性がある」ものとして銀行から見られています。値下がりしている、含み損があれば、融資審査上はマイナス評価になることを覚えておきましょう。

運用は自己資金ですべき

いましがた、有価証券には「損失発生の可能性がある」とのお話をしました。

有価証券は、その価値が変動するもの。価値の変動による利益を求めるのが「運用」ということになります。

この点で。銀行の考え方は、「運用は自己資金ですべき」です。言い換えると、「運用は借金でするな」です。だから銀行は、運用するためのおカネを融資しません。銀行が融資をするのは「事業」に対してです。

そんなこと言ったって、おカネに色は無いじゃないか? と思われるかもしれません。つまり、自己資金のおカネで運用をしたのか、それとも借金したおカネで運用をしたのかなど、わからないだろう? と。

たしかに、おカネに色はありません。けれども、銀行はおカネに色を付けて見ています。具体的な手順・方法はこんな感じです ↓

  1. 借入金残高を把握する
  2. 借入金をまず、経常運転資金(売上債権 + たな卸資産 − 仕入債務)に充てた、と見る
  3. 残りの借入金で、有形固定資産を買った、と見る
  4. さらに残りの借入金で、ムダ使いをした、と見る
  5. それでも残りの借入金は、現金預金として持っている、と見る

ここで言う「ムダ使い」のひとつが有価証券です(ほかには、仮払金、社長貸付金などもムダ使いです)。ムダ使いと言うと、ちょっと言い過ぎですけれど。価値が下がればムダ使いになりますし、借金をしてまでする運用はムダ使いとの考えでもあります。

銀行員もやっている「借りたおカネを何に使ったか?」のチェック方法・手順

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いずれにせよ、こうしておカネに色を付けてみると、「結果として借金で運用してるじゃん!」ということはあるわけで。その場合には、「借金してまで運用するような危ない会社だ」と銀行からは見られます。

おカネを余らせておくくらいなら運用をしたほうがいい、との考え方もありますが。それは、自己資金がある場合(=利益が出ている・出続けている場合)の話です。

運用には「損失の可能性」もあるのですから、損失を被れば「余っていたはずのおカネが失くなった…」ということだってありえます。

そう考えると。余ったおカネは「預金で持っておく」ことです。プロの手にも余るのが「株式投資」であり、会社が片手間に手を出すようなものではありません。

他社におカネが流れている

途中、有価証券の例として、子会社株式や関係会社株式について触れました。それらの株式の価値が下がっている場合には、含み損があるとして、融資の審査上はマイナスになる。とのお話です。

これに関連して。たとえ価値が下がっていなくても、それはそれで問題がある、というお話をしておきます。

どういう問題かと言うと。会社のおカネが、他社に流れているのではないか? との問題です。とくに、自社で借りたおカネが他社に流れているのは問題です。

たとえば、銀行がA社におカネを貸していたとして。A社の決算書には、A社の子会社であるB社の株式が掲載されているとします。このとき、銀行がA社に貸したおカネは、出資(株式購入)というカタチでB社に流れている可能性があります。

であるならば、結果として銀行は、A社に貸したつもりがB社に貸してしまった… となるわけです。本来はB社自身が銀行から借りるべき、なのにもかかわらず。

実際、B社では融資が受けられないので(赤字だからとか、信用がないからとか)、A社で融資を受けて、そのおカネをB社に流すということはあるわけで。銀行はそこを警戒しています。

また、銀行は「新規事業」への融資には慎重なので、別会社で新規事業をはじめる。別会社の代わりに融資を受けて、借りたおカネを別会社に流す…ということもあったりします。これも銀行は警戒するところです。

とはいえ、おカネに色はないのだから、借りたおカネを流したわけではない。じぶんのおカネを渡したんだ! との主張もあるでしょう。

けれども、そこはやはり、銀行はおカネに色を付けて見ている。というのはさきほどお話をしたとおりです。自覚がなくても、銀行からはおカネを流していると見られる可能性があることを覚えておきましょう。

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まとめ

決算書に載る有価証券について、銀行は「独特の見方」をしています。また場合によっては、融資の審査上マイナス評価にもなりうるのが有価証券です。

自社の決算書に有価証券があるようなら、有価証券に対する銀行の見方と、マイナス評価になるポイントを押さえておきましょう。

決算書に「有価証券」がある場合の銀行の見方とマイナス評価のポイント
  • 損失発生の可能性がある
  • 運用は自己資金ですべき
  • 他社におカネが流れている

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