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ちゃんと見た?融資のルール『銀行取引約定書』のポイント3選

ちゃんと見た?融資のルール『銀行取引約定書』のポイント3選

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銀行から融資を受けていると言うのであれば、いちどは目にしているであろう「銀行取引約定書」について。

押さえておくべき3つのポイントをお話していきます。

見たことがない、なんて言わないで。

会社・事業における銀行融資について。「銀行取引約定書(通称、ぎんとり)」はご存知、ですよね?

いや、見たことがないなぁ… とか。記憶にないなぁ… と言うのであれば要注意。会社や個人事業者が、各銀行からはじめて融資を受けるときには必ず、両者のあいだで銀行取引約定書が交わされます。

そんな「銀行取引約定書」は、会社・個人事業者が融資を受けるにあたってのいろいろな「ルール」が書かれている書類です。いろいろなルールが書かれているのですから、「見たことがない、記憶にない」では困ります。

銀行から融資を受けていると言うのであれば、いちどは目にしているであろう「銀行取引約定書」について。ボリュームのある書類ではありますので、そのなかから押さえておくべき3つのポイントをお話していきます。こちらです ↓

融資のルール「銀行取引約定書」のポイント3選
  1. 「期限の利益の喪失」の条項
  2. 「銀行による相殺、払い戻し」の条項
  3. 「報告及び調査」の条項

どこかにしまってあるはずの「銀行取引約定書」を引っ張りだしてきて、確認をしてみましょう。

なお、銀行取引約定書の記載内容は、すべての銀行がまったく同じではありませんが。それでも、ほぼほぼ同じことが書いてありますことを申し添えます。

 

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融資のルール「銀行取引約定書」のポイント3選

《ポイント1》「期限の利益の喪失」の条項

銀行取引約定書のポイント1つめ。それは、「期限の利益の喪失」の条項です。具体的には、次のように記載されています ↓

「期限の利益の喪失」の条項

第〇条(期限の利益の喪失)

… 略 …

② 甲について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、乙からの請求によって、甲は乙に対するいっさいの債務について期限の利益を失い、直ちに債務を弁済するものとします。

1.乙に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき

…略…

上記の文章について、「甲」は会社や個人事業者。「乙」は銀行です。そのうえで、キーワードは「期限の利益を失い」になります。

そもそも「期限の利益」とは?

たとえば。Aさん(甲)が、Bさん(乙)から 100万円のおカネを借りたとします。毎年12月31日までに 20万円ずつ返済する、という約束で。

この約束について。Aさんが約束どおりに返済をしているあいだ、Bさんは「早く返して」と言うことはできません。

Bさんが諸事情により、「どうしてもいますぐ耳をそろえて返してほしい!」といっても、Aさんが応じる必要はありません(情に流されて応じることはあるかも、ですが)。

というわけで。Aさんは約束の返済期限が来るまでは返済をしなくてもいい、これが「期限の利益」です。

ところが。ひとたび、Aさんが約束を破った場合(毎年の返済に遅れてしまった、とか)には、その「期限の利益」を失いますよ。というのが、「期限の利益の喪失」になります。

ひるがえって、会社や個人事業者(甲)が、どういうことをした場合に期限の利益を喪失してしまうのか? は、銀行取引約定書に書かれている。それが前述した「条項」です。

期限の利益を喪失するケースとして「乙に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき」と書かれていました。ここがポイント。

つまり、会社や個人事業者が、毎月の返済に遅れてしまうと「期限の利益を喪失する」ということです。1回でも遅れたら、というのが銀行取引約定書の言い分です。

返済が遅れて「残りの全額返せ!」と言われるのはキツイですよね。だから、会社や個人事業者は、くれぐれも気をつけましょう、という話です。

とはいえ。実際に、1回遅れただけで「返せ!」と言われるケースはほとんどありません。通常は3回くらい遅れてしまったところで、銀行は「強い態度」に変わります。

それはそれとして。1回でも遅れたら期限の利益を喪失する。全額返済を要求されうる。これをよく理解しておきましょう。

《ポイント2》「銀行による相殺、払い戻し」の条項

銀行取引約定書のポイント2つめ。それは、「銀行による相殺、払い戻し」の条項です。具体的には、次のように記載されています ↓

「銀行による相殺、払い戻し」の条項

第〇条(乙による相殺、払い戻し)

① 期限の到来、期限の利益の喪失、買い戻し債務の発生、求償債務の発生その他の事由によって甲が乙に対する債務を履行しなければならない場合には、乙は、その債務と甲の預金その他の乙に対する債権とを、その債権の期限のいかんにかかわらず、いつでも相殺することができるものとします。

…略…

さきほどと同じく、「甲」は会社や個人事業者。「乙」は銀行です。

上の条項を言い換えてみると。会社や個人事業者(甲)が期限の利益を喪失したときなどには、銀行(乙)は、甲の預金を融資の残高に充当することができる、ということになります。

甲が「イヤだ!」と言っても、乙には強制的にできる。というのが、銀行取引約定書の言い分です。

ちなみに。「相殺」と「払い戻し」はおおむね似たようなものだと考えて問題ありません。

とにもかくにも。期限の利益を喪失すると、担保にされている定期預金などはもちろんのこと、担保にされていない預金も相殺されることとなります。

そんなこともあってか、「融資を受けている銀行に預金は置くな」と言われることはありますが。期限の利益を喪失することを「前提」に預金をどうするか? を考えるのも少々おかしなハナシでしょう。

前提はあくまで、「期限の利益を喪失させない」であるべきです。

その前提においては、融資を受ける銀行に預金をするほど、融資を受ける銀行の預金口座で取引をするほど、融資は受けやすくなります。金利の引き下げなど融資条件の交渉もしやすくなります。

ということは。平時は、融資を受けやすくすることを考えて、預金をどこに置くかを考える。そのうえで「期限の利益を喪失しそうだ」という事態になってしまったら…どうすればいいか? わかりますよね。

《ポイント3》「報告及び調査」の条項

銀行取引約定書のポイント3つめ。それは、「報告及び調査」の条項です。具体的には、次のように記載されています ↓

「報告及び調査」の条項

第〇条(報告及び調査)

① 甲は、貸借対照表、損益計算書等の甲の財務状況を示す書類の写しを、定期的に乙に提出するものとします。

② 甲は乙から請求があったときは、財産、経営、業況等について直ちに乙に対して報告し、また調査に必要な便益を提供するものとします。

…略…

さきほどまでと同じく、「甲」は会社や個人事業者。「乙」は銀行です。

上記の条項を読めばわかるとおり、要は、会社や個人事業者は、銀行に対して書類を提出したり、報告をしなければいけない。ということです。

ときどき、「決算書を見せたくない!」と言われる社長さんがいます。銀行融資を受けたければ、それはムリだ。というのが銀行取引約定書の言い分です。

決算書に付随する書類も同じこと。銀行が「勘定科目内訳明細書も見せてください」と言っているのに、「そこまで見せる必要があるのか?」と言われる社長がいます(実際に見せない社長も…)。

これもダメですよね。銀行から請求があったときには、「調査に必要な便益を提供します」と言っているのですから。それができないと言うのであれば、銀行としては「融資をしない」ということになってしまうでしょう。

ほかにも、試算表や資金繰り表など、「対象物」は多岐にわたります。銀行に対する「報告」や「調査」を断れば、ルールに違反することになる。結果として、融資を受けることが難しくなることを覚えておきましょう。

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まとめ

銀行から融資を受けていると言うのであれば、いちどは目にしているであろう「銀行取引約定書」ではありますが。

意外と、「見たことがない、記憶にない」という会社・個人事業者は少なくありません。銀行取引約定書には、融資のルールが書かれていますから、ポイントは押さえておくようにしましょう。

融資のルール「銀行取引約定書」のポイント3選
  1. 「期限の利益の喪失」の条項
  2. 「銀行による相殺、払い戻し」の条項
  3. 「報告及び調査」の条項

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