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コロナの教訓『借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない』3つの理由

コロナの教訓『借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない』3つの理由

コロナのさなかにあっても、資金繰り破綻を起こさずにいる会社もあります。その特徴のひとつに挙げられるのが「借金をし続けていること」です。

そこで。借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない理由についてお話していきます。

目次

コロナが教える「借金が無いほうが危ない」

本投稿日現在(2020年6月3日)、世の中は「まだまだコロナのさなか」にあります。多くの会社・個人事業者が、資金繰りに苦しんでいる状況です。

これを受けて、国・地方自治体が主導のもと、緊急かつ大規模な融資が進められてはいるものの。必ずしも、資金繰りが厳しい会社・個人事業者のすべてが融資を受けられているわけではありません。

必要なだけの融資が受けられなければ、当然、資金繰り破綻を起こして会社・事業はつぶれてしまいます。

いっぽうで。コロナのさなかにあっても、資金繰り破綻を起こさずにいる会社もあります。その特徴のひとつに挙げられるのが「借金をし続けていること」です。

コロナ以前から、借金をし続けている。言い換えると、コロナ以前から銀行融資を受け続けている。コロナ以降も融資を受けられ、資金繰り破綻をすることのない会社があります。

そこで。借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない理由についてお話をしてみましょう。こちらの3つです ↓

借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない理由
  1. すでにおカネを持っている
  2. 銀行との付き合いがある
  3. 融資を受けるノウハウを知っている

借金をし続けている、などと言うと。そんな会社こそ「危ない」のではないか? と思われるかもですが。実はそうでもない。むしろ、借金が無い会社のほうが危ないケースもある。いわば、コロナの教訓。

それではこのあと、3つの理由についてくわしく見ていきましょう。

 

借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない3つの理由

《理由1》すでにおカネを持っている

借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない理由の1つめ。それは、「すでにおカネを持っている」です。

借金をし続けている会社が、借金をしていない会社に比べておカネを持っている。というケースは少なくありません。ここで言う「おカネ」とは、会社の「現金預金」を指します。

たとえば。A社は、3,000万円の借金(銀行借入)があるけれど、3,500万円のおカネ(現金預金)を持っている。これに対して、B社は、借金は無いけれど、おカネは 500万円しか持っていない。

このタイミングで、コロナのような「有事」が起きたとします。すると、A社は 3,500万円のおカネがありますから、500万円しかおカネを持たないB社よりも余裕があると言えるでしょう。

B社は借金こそないものの、手元におカネが無いので、あわてて資金調達を考えなければいけません。

結果として、あわてて銀行に飛び込むことになります。融資の申込みが済んでも、審査が終わるまで、実際に入金されるまで、社長は気が気でない時間を過ごすことになります… 仕事が手に付かない。

いっぽうのA社はそこまであわてる必要はありません。やはり、今後に備えて融資の申込みはするわけですが、社長は余裕をもって過ごすことができるでしょう。コロナ対応含め、仕事に集中することもできます。

という両社を見たときに。どちらの会社に融資をしやすいか? と言ったらA社です。現状、手元におカネもあるし、いますぐつぶれるようなこともないからです。

さらに追加の融資でおカネが増えれば、コロナを乗り切る可能性は高そうだ。と、銀行は考えるでしょう。融資がしやすい。

これに対して、B社はもともとおカネが少ないし、ここで融資をしてもどれだけもつことやら… コロナを乗り切る可能性は低いかも。と、銀行は考えるでしょう。融資はしにくい。

だから、すでにおカネを持っているA社のほうが、借金をし続けているA社のほうが融資を受けやすく、資金繰り破綻を起こしにくいのです。

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《理由2》銀行との付き合いがある

借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない理由の2つめ。それは、「銀行との付き合いがある」です。

さきほどのA社とB社に再度登場願います。A社は借金 3,000万円、おカネ 3,500万円。B社は借金ゼロ、おカネ 500万円。

このタイミングでコロナです。B社は融資を受けようと、あわてて銀行に駆け込むのでしたよね。

このとき、銀行が感じることは「B社って何者?」です。いままでお付き合いがないので、B社と面識もなく、B社に対する情報が無い。

もしかしたらあやしい会社かもしれませんから。会社の存在、事業内容などの確認からはじめなければいけません。時間も手間もかかります。

決算書についてもイチから検証です。利益の有無は見ればわかるとしても、会社の特徴・独自性などをつかむには、やはり時間や手間がかかるでしょう。

いっぽうで、すでに銀行とお付き合いがあるA社であれば。銀行は、「あぁ、A社さんですね。存じております」ということです。

いままでのお付き合いのなかで、A社の情報は収集できていますし、状況もつかんでいます。ゆえに、融資をするにも時間や手間は少なくて済む。

というわけで。銀行としては、A社のほうが融資をしやすいわけですね。

また、銀行から見てA社は、これまのお付き合いがある「お客さま」ですから。困っているA社、困っているB社があったとして、どちらを先に助けるべきかと言えば、お客さまであるA社のほうだ。というのは容易に想像できるところです。

B社のように、銀行とのお付き合いがない会社は、融資を受けるにしても「敬遠」されかねないことはようく覚えておきましょう。

いざというときのためにも、ふだんから銀行とお付き合いをしておいたほうがいい。融資を受けるにもスムーズ。

だから、銀行とのお付き合いがあるA社のほうが、借金をし続けているA社のほうが融資を受けやすく、資金繰り破綻を起こしにくいのです。

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《理由3》融資を受けるノウハウを知っている

借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない理由の3つめ。それは、「融資を受けるノウハウを知っている」です。

みたび、A社とB社に登場願います。A社は借金 3,000万円、おカネ 3,500万円。B社は借金ゼロ、おカネ 500万円。

このタイミングでコロナです。B社は手元のおカネが少ないので、急いで銀行に融資を申し込みたい! のですが、なにしろ融資を受けた経験が無いのです。

コロナ関連の融資は手続きが「簡素」だとは言っても、それは「通常の融資に比べれば」ということに過ぎません。B社のように、融資の経験が無い会社にしてみると、それでも「メンドー」だし「よくわからない」ものでしょう。

結果として、融資を申し込むのにも手間取ってしまいます。申し込むまでに時間がかかってしまう。そのあいだにもどんどん手元のおカネは減り続けます。

すると、《理由1》でお話したように、すでにおカネの無い会社は融資が受けにくくなります。融資のノウハウを知らないがために、時間をくって、ますます融資が受けにくくなるわけです。

さらに言うと。融資を受けるにあたって、「必要書類だけ」ではうまくいかないこともあります。

必要書類には、「〇〇と〇〇だけ」と書いてあったとしても。プラスアルファで別の書類を添付することで、融資が受けやすくなることは多々あります。

たとえば、予測資金繰り表や経営改善計画書など。これらは、コロナ関連の融資でぜったいに必要な書類ではありません。

けれども、予測資金繰り表があれば、今後の入出金状況や残高の推移がわかりますから、銀行も融資を検討しやすくなります。

また、コロナ以前から赤字の会社であれば、いかに改善して黒字化するかが問題になります。よって、黒字化への道すじを具体的に示した経営改善計画書があると、銀行は融資を検討しやすくなるのです。

とはいえ。融資の経験がなく、ノウハウも無いB社にとって。必要書類以外の書類をつくるのは難しいものですし、そもそも「必要書類以外の書類」の存在に気づきもしないでしょう。

すると、受けられたかもしれない融資が受けられなかった… ということは実際にあるわけです。

いっぽうで。融資の経験があるA社であれば、必要書類以外の書類に対応できる可能性は高まります。少なくとも、必要書類など通常の融資に比べればお茶の子さいさいです。

よって、A社のような会社は、コロナ関連の融資でも迅速に対応することができます。早く融資を受けることができます。

だから、融資を受けるノウハウを知っているA社のほうが、借金をし続けているA社のほうが融資を受けやすく、資金繰り破綻を起こしにくいのです。

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まとめ

コロナのさなかにあっても、資金繰り破綻を起こさずにいる会社もあります。その特徴のひとつに挙げられるのが「借金をし続けていること」です。

借金をし続けている、などと言うと。そんな会社こそ「危ない」のではないか? と思われるかもですが。むしろ、借金が無い会社のほうが危ないケースもある。ということを理解しておきましょう。

借金し続けている会社が資金繰り破綻を起こさない理由
  1. すでにおカネを持っている
  2. 銀行との付き合いがある
  3. 融資を受けるノウハウを知っている

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