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銀行対応で要注意!高いほど良いわけじゃない財務指標5選

銀行対応で要注意!高いほど良いわけじゃない財務指標5選

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一見、高いほど良く見える財務指標でも、実はそうではない。高いほど良いわけじゃない、という財務指標もあります。

そこで。銀行対応で注意をすべき、高いほど良いわけじゃない財務指標についてお話をしていきます。

だって、「高いほど良い」って本に書いてあった。

会社・事業における銀行融資について。自社の決算書について、銀行と「財務指標」の話をする機会はあるものです。

すると銀行から、「〇〇率が高いですね!(良い)」とか、「〇〇率が低いですね…(悪い)」のように言われることもあるでしょう。

ところが。一見、高いほど良く見える財務指標でも、実はそうではない。高いほど良いわけじゃない、という財務指標もあります。

会社はそこを理解して銀行と話をしないと、銀行から過小評価されてしまう、あるいは、自社自身が過大評価をしてしまうことがありえます。

結果として、融資が受けにくくなってしまいますから。じゅうぶんに気をつけましょう、というお話をしていきます。

銀行対応で注意をすべき、高いほど良いわけじゃない財務指標は次の5つです ↓

銀行対応で要注意!高いほど良いわけじゃない財務指標5選
  1. 売上高増加率
  2. 売上総利益率
  3. 売上高当期利益率
  4. 流動比率
  5. 自己資本比率

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

 

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銀行対応で要注意!高いほど良いわけじゃない財務指標5選

《指標1》売上高増加率

売上高増加率(%) =(当期売上高 − 前期売上高)÷ 前期売上高

上記の算式のとおり、「前期売上高」に対して「当期売上高」がどれだけ増加したかが「売上高増加率」です。

世の中全般に、「売上高は多ければ多いほどいい」との誤解がありますから気をつけましょう。つまり、売上高増加率は高いほど良い、との誤解です。

銀行とて例外ではなく、多くの場合、売上高増加率は高いほどよいと考えています。

ところが。売上には、「良い売上」と「悪い売上」があります。言い換えると、「儲かる売上」と「儲からない売上」です。

同じ 100万円の売上でも。利益が 50万円ということもあれば、利益が無い、むしろマイナスということさえあります。言うまでもなく、利益が 50万円の売上のほうがいいですよね。

けれども、「売上高増加率」だけを見ていたのでは、「良い売上」なのか「悪い売上」なのかがわかりません。もし、売上高増加率が高くても、それが「悪い売上」ばかりなのだとしたら問題です。

実際、売上高を追い求める「売上至上主義」に陥ることで、「値引きをしてでも売る」「売るためのコストが増大する」という現象は散見されます。

いっぽうで。そのような「失敗」を避けるために、「あえて売上高には上限を設ける」との考えを持つ会社もあります。そういう会社が銀行と話をするときには、その考えをきちんと伝えることです。

ウチの会社は、あえて売上高を伸ばさないようにしている。だから、売上高増加率にそれほどの意味はない。そう伝えましょう。伝えない場合には、売上が増えない会社との過小評価を受けているかもしれませんので。

《指標2》売上総利益率

売上総利益率(%) = 売上総利益÷ 売上高

上記算式中の「売上総利益」とは、「売上高 − 売上原価」です。「売上原価」とは、おもに仕入や外注費など、売上をあげるのに直接的にかかる費用のことを言います。

というわけで。売上高から直接的な費用を引いた「売上総利益」が、売上高に対してどれくらいあるか? が、「売上総利益率」です。

「利益は多いほど良いだろう」と考えられることから、売上総利益率もまた、高いほど良いとの誤解をされています。

たとえば、売上総利益率 100%の会社があったとします。つまり、仕入や外注費がいっさいない会社。言い換えると、「外部のチカラ」に頼らない会社です。

外部のチカラに頼らないことは、一見すると良いことのようにも見えますが。じぶんのチカラだけでがんばらねばならない会社、と見ることもできます。

じぶんだけのチカラとなると、当然、限界がありますから。扱える仕事量にも限界があります。すると、いくら売上総利益率が 100%でも、売上総利益の「金額」を伸ばすことは難しい…

いっぽうで。売上総利益率 50%の会社はどうでしょう? 半分は、外部のチカラに頼っている会社です。

売上総利益率 50%ですから、売上高の半分の費用を負担することにはなりますが。その分だけ、自社のなかには「余裕」ができます。仕事を外部に任せた分だけ余裕が出る。すると、扱える仕事量を増やすことができます。

結果として、売上総利益率 50%の会社のほうが、売上総利益率 100%の会社よりも、より多くの売上総利益(金額)をあげることができる。そう考えると、売上総利益率は高いほど良いわけじゃないことがわかります。

したがって、銀行と売上総利益率の話をするときには、「自社の商売において最適な売上総利益率とは?」との観点から話をするようにしましょう。

《指標3》売上高当期利益率

売上高当期利益率(%) = 当期利益÷ 売上高

上記算式中の「当期利益」とは、会社の最終利益、つまり、税引後利益のことです。その当期利益が売上高のどれくらいあるか? が「売上高当期利益率」になります。

「利益は多いほど良いだろう」と考えられることから、売上高当期利益率もまた、高いほど良いとの誤解をされるところです。

たとえば、同じ売上高の会社が2社あったとして。A社は当期利益が 1,000万円、B社は 500万円だっとします。じゃあ、売上高当期利益率が高いA社のほうが良い会社だ! と考えるのは尚早です。

なぜなら、A社の営業利益は 100万円。B社の営業利益は 500万円ということもありうるからです。

ちょっと会計的なお話になりますが。営業利益と当期利益とのあいだには、「特別利益」があります。特別利益とは、文字どおり、特別な利益。今回限りの利益です。たとえば、使っていない不動産を売却した利益とか。

これに対して、営業利益は「特別を含まない利益」です。言い換えると、商売から得た、純然たる利益。それが営業利益になります。

ひるがえって、A社の当期利益が 1,000万円だとしても。営業利益は 100万円で、特別利益 900万円かもしれません。であれば、A社の純然たる利益は 100万円。当期は 1,000万円の利益でも、来期は 100万か? との見方になります。

B社の営業利益は 500万円ですから、やはり来期も 500万円の利益が期待できます。

だから、当期利益だけを見て一喜一憂してはいけないのです。最終利益である「当期利益」ばかりを見る、当期利益率の高さばかりを見ている社長は気をつけましょう。

この点、銀行は誤解をしていません。銀行はむしろ、売上高当期利益率よりも、「売上高営業利益率(営業利益 ÷ 売上高)」を重視しています。純然たる利益がなんたるかをわかっている、ということです。

《指標4》流動比率

流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債

端的に言うと、流動資産とは「近いうちにおカネを受け取ることができる資産」であり、流動負債とは「近いうちにおカネを支払わなければならない負債」のことです。

したがって、流動負債より流動資産が多いほうがいいよね。そうでないと、支払いに困ってしまうよね。だから、流動比率は高ければ高いほどいい、との誤解があります。

ちなみに。一般には「200%以上が理想」とされ、少なくとも「100%未満はマズい」とされるところです。

ところで。流動資産のひとつである、「売掛金」に問題がある場合はどうでしょう? 問題とは、得意先から回収できない売掛金がある(不良債権)とか、粉飾決算で架空売上を計上した際の売掛金がある(架空債権)があるとか。

それでも、決算書の数字だけを見ていると。流動比率は、「問題」は隠されたまま、問題のある売掛金も流動資産として計算されてしまいます。

やはり流動資産のひとつである「たな卸資産」についても同じです。売れる見込みがない不良在庫や、粉飾決算による架空在庫、といった「問題」がありえます。

そのような「問題」が隠されたままでは、流動比率が高かったとしても意味がありませんよね。

誤解を恐れずに言えば。大企業のように厳しい監査の目がない「中小企業」の決算書には、多かれ少なかれ「問題」はあるものです。だとすると、中小企業の決算書における「流動比率」はあまりアテにならない、と言えます。

銀行は、そのことをようく理解している。ということは覚えておきましょう。

したがって、銀行と「流動比率」の話をするときのポイントは。「いかに、流動資産がクリーンであるか」を説明することです。問題はない、ということを説明することです。

この点、売掛金や在庫の内訳明細を開示するのは、説明の第一歩になります。

《指標5》自己資本比率

自己資本比率(%) = 自己資本(純資産) ÷ 総資産

銀行融資・銀行対応ではなにかと話題にのぼる指標である「自己資本比率」。総資産(負債・純資産合計)に対して、自己資本(純資産)がどれだけあるかを示すのが「自己資本比率」です。

一般に、率が高いほど、安全性が高い会社だとの評価になります。ひとつの目安として「自己資本比率 20%以上」だとか「30%以上」だとか言われています。いずれにせよ、高いほど良いと。

誤解です。その誤解を受けて、自己資本比率を高めるために、手元の現金・預金で借入金を返済しようとする会社があります。いわゆる「繰り上げ返済」です。

結果として、自己資本比率は上がります。けれども、手元の現金・預金が減ってしまう… これが大きな問題です。

手元の現金・預金に余裕を残した繰り上げ返済であればともかく、余裕も残さぬところまでの繰り上げ返済をしてはいけません。ここで言う「余裕」とは、「売上高3ヶ月分ていど」の現金・預金です。

その余裕も残さずに繰り上げ返済をしてしまうと。なにかあったときに、会社はすぐに資金繰りが厳しくなってしまいます(たとえば、東日本大震災や新型コロナウィルスなど)。

最終的に資金繰りが破綻してしまうのでは、自己資本比率が高まっても意味がありません。

実際に、銀行は「自己資本比率」もさることながら、手元の現金・預金がどれくらいあるかにも注目をしています。手元の現金・預金が少ないと不安を感じるために融資がしづらくなる。

とくに、手元の現金・預金が「平均月商の1ヶ月分未満」になると、銀行からは「自転車操業の会社」に見られるものです。自己資本比率にこだわるあまり、手元の現金・預金を減らしすぎないように気をつけましょう。

自己資本比率を上げるいちばんの方法、本質は、借入を減らすことではありません。利益を出すこと・利益を出し続けることです。

すると、現金・預金を減らすことなく、むしろ、現金・預金を増やしながら、自己資本比率を高めることができます。覚えておきましょう。

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まとめ

一見、高いほど良く見える財務指標でも、実はそうではない。高いほど良いわけじゃない、という財務指標もあります。

だって、「高いほど良い」って本には書いてあったのに… と思われるかもしれませんが。それほど単純ではなかったりもするわけです。

なので、銀行と財務指標の話をするときには、そのあたりのことに注意しましょう。銀行から過小評価されてしまう、あるいは、自社自身が過大評価をしてしまうことがありえます。

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