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創業融資は『いくら借りられるか=いくら借りるべきか』

創業融資は『いくら借りられるか=いくら借りるべきか』

これから事業をはじめるぞ! というときの「創業融資」について。

実は、「いくら借りられるか? = いくら借りるべきか?」の関係式が成り立ちます。というお話です。

目次

いくら借りられるか?= いくら借りるべきか?

これから事業をはじめるぞ! というときの「創業融資」について。いったい、いくら借りられるか? との疑問があるでしょう。

その「いくら借りられるか?」は、次のような関係式が成り立ちます↓

いくら借りられるか? = いくら借りるべきか?

いくら借りるべきか? とは。事業をはじめるにあたって、いくらの創業融資を受けるべきか、ということであり。言い換えると、事業をはじめるなら創業融資を受けるべきだ、ということです。

多くのヒトにとって、創業融資が必要であるのにもかかわらず、「いや、とりあえず自己資金だけでがんばってみよう」と考えるヒトは、けして少なくありません。

あるいは、創業融資を受けるにしても「できるだけ少なく借りよう。借金は少なくしよう」と考えるヒトも少なくありません。

けれども。さきほどお話をしたとおり、「いくら借りられるか? = いくら借りるべきか?」です。

借りるのであれば、「いくら借りられるか?」まで、つまり「借りられるだけ」の金額まで借りるべき。自己資金だけではなく、創業融資を受けるべき。

というわけで。いくら借りられるか? とは、具体的に「いくら」の金額を言うのか。いくら借りるべきか? と言うけれど、なぜ借りるべきなのか。について、このあとお話をしていきます。

このあとのお話の内容
  • いくら借りられるか? という話
  • いくら借りるべきか? という話

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

いくら借りられるか? という話

創業融資を受けようとするヒトの関心事として、「いくら借りられるか?」があります。融資を受けたいけれど、いったいどれだけ借りることができるのか。

結論として、「自己資金の2〜4倍」です。

創業融資の代表格である日本政策金融公庫の新創業融資制度であれば、おおむね自己資金の2倍まで借りられる。うまくいけば4倍くらいまでは借りられるだろう、ということになります。

ちなみに、「自己資金」とは。文字どおり、じぶんのおカネのことであり、別の表現をするなら「だれにも返さなくていいおカネ」のことです。

したがって、「ちょっと友だちから借りてきたおカネ」は自己資金ではありません。また、そのおカネを自己資金のように見せかけようとする、いわゆる「見せガネ」は銀行に見抜かれてしまうことを覚えておきましょう。

そのあたり、くわしくはこちらの記事も参考に↓

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とにもかくにも。事業をはじめるにあたって用意した自己資金があるのなら、その2〜4倍くらいは借りられるかなぁ、ということです。

ただし、自己資金があっても、「使いみち」を示すことができなければ、銀行としても融資をすることはできません。貸したおカネをムダ使いされて、返済してもらえないのでは困りますので。

そこで、必要になるのが「創業計画書」と「資金繰り計画」です。これらのなかで、借りたおカネはなにに使うのか? 借りたおカネを返済していけるのか? を表現していくことになります。

ここを失敗すると、融資が受けられなくなってしまいますので気をつけましょう。そのあたり、くわしくはこちらの記事も参考に↓

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なお、「自己資金 + 創業融資」の金額が 1,000万円を超えるケースでは、創業融資を受けるのは難しくなります。

理由は、「はじめての事業にしては大きすぎる」と見られるからです。

まずは小さくはじめて、調子をつかむ。調子をつかんだうえで、少しずつ大きくしていく。つまり、「小さく産んで、大きく育ててほしい」というのが、おカネを貸す銀行の考え方になります。

これらをふまえて、結論としては「自己資金の2〜4倍まで」が「いくら借りられるか?」であると理解しておきましょう。

いくら借りるべきか? という話

ここまでは「いくら借りられるか?」というお話をしてきました。その「いくら借りられるか?」は、次のような関係式が成り立つ、と冒頭で言いました↓

いくら借りられるか? = いくら借りるべきか?

「いくら借りられるか? = 自己資金の2〜4倍まで」という話もしましたので、「いくら借りられるか? = 自己資金の2〜4倍まで = いくら借りるべきか?」となります。

つまり、事業をはじめるのであれば、「自己資金の2〜4倍」の創業融資を受けておくべきだ。というのが、ここからのお話です。

ではなぜ、創業融資を受けるべきなのか?

いちばんは、創業後はしばらくのあいだ、事業が軌道に乗るまで時間がかかるからです。数ヶ月から半年ていど、長ければ1年ていど、思ったとおりの売上に届かない… ということが少なくありません。

多くの創業者は「事業に対する熱意が強く、いだく夢が大きい」からこそ、軌道に乗るまでの時間を「実際よりも短く見積もってしまう」傾向があります(わたし自身もそうでした…)。

そのような「見積もり違い」を正すために計画書をつくるわけですが、その計画書が、「甘くなりがち」であることは理解しておいたほうがよいでしょう。

その結果、事業をはじめてから早い段階で「資金不足」に陥ります。もっと早く、事業が軌道に乗ると考えていたため、創業融資を受けていなかったり、借りるべき金額(自己資金の2〜4倍)まで借りていなかったりが原因です。

創業融資を受けていれば、その資金不足を先送りできて、時間稼ぎができた。時間稼ぎができたので、事業を軌道に乗せることもできたはずなのに…

その手前で厳しい状況に追い込まれるケース(親族や友人に頭を下げたり、廃業せざるをえなかったり)を目にしたのは一度や二度ではありません。

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ちなみに。厳しい状況に追い込まれてから、「やっぱり融資を受けます」というのは難しいハナシです。厳しい状況の相手におカネを貸そうと考えるヒトはなかなかいませんよね。銀行だって同じです。

借りたいときには借りられない。だから、借りられるときに借りておく。その「借りられるとき」が、「創業前〜創業直後」になります。

と、ここまでお話をしてもなお。「だいじょうぶ、ひとまず自己資金でやってみます」と言うヒトもいるでしょう。それはそれで、ひとつの考え方ではあります。

そのいっぽうで。「借りなくてもだいじょうぶだ」と考えるなら、「使わなければ、そのときに返してしまえばいい」と考えて、ひとまず創業融資を受けるのも、選択肢の1つです。

その選択がのちのち、「あのとき借りておいて良かった」との安堵につながるケースをなんどとなく見ています。

当初の計画どおり、あるいは計画以上の出来であれば、そのときに返済してしまえばいいのです。「借金はイヤだ」と言うヒトもいますが、借りたおカネを使わずに置いてある限りは、いつでも返せるのですから借りていないのといっしょです。

さらには、「支払う利息がもったいない」と思われるかもしれませんが。もしも、金利 2.5%で 500万円の融資を受けたなら。毎月の利息は、1万円ちょっとです。

手元に 500万円のおカネを置いておける安心感と、月額1万円の費用を惜しむ気持ちと。どちらを取りますか?

のちのち、おカネが足りなくなってしまったときのこと。あともう少しのところで事業をあきらめなければならないときのことまで想像しながら、選択をするようにしましょう。

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まとめ

これから事業をはじめるぞ! というときの「創業融資」について。

実は、「いくら借りられるか? = いくら借りるべきか?」の関係式が成り立ちます。というお話をしてきました。

結論として、「いくら借りられるか? = 自己資金の2〜4倍まで = いくら借りるべきか?」を押さえておきましょう。

創業融資は『いくら借りられるか=いくら借りるべきか』

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